算数が苦手な子どもを伸ばす!親が知るべきつまづきポイント

小学生の算数は、将来において思考力の土台となる重要な科目です。

しかし、多くの子どもたちが算数に苦手意識を持ち、保護者もその対応に頭を悩ませていらっしゃるのではないでしょうか?

本記事では、算数が苦手な子どもを持つ保護者の皆さまに向けて、その原因や具体的な対処法、家庭でできるサポート方法を学年ごとにご紹介します。

この記事を通じて、お子さまの算数への苦手意識を克服し、自信を持って学べる環境を整えるヒントを見つけて頂ければ幸いです。

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学習課題解決のポイントはさかのぼること!

このブログでは各学年のつまづきやすい単元をまとめていますが、正しく使うためには、今つまづいている学年の単元において関連する単元を復習していくことです。


例えば5年生で小数分数の計算につまづいているとします。


小数・分数(5年生)→倍数・約数(5年生)→小数、帯分数仮分数(4年生)→小数と分数(3年生)→かけ算、わり算の筆算(3〜2年生)→九九(2年生)→たし算、ひき算(1年生)→数の概念(1年生)


というように順に理解できているか?をチェックしていきましょう。
小学校の算数ドリルや書店で販売されている簡単なドリルを利用しても良いと思います。
問題を解いてもらったときに正答率が85%以上であれば概ね理解はできていると思います。


【小学1年生のつまづきやすい単元】

小学1年生ではまず数字とはなにか?という考え方から始まります。
この学年ではまず数字を学ぶことや算数について興味を持ってもらう事が大切です。
勉強というより遊び感覚で取り組める方が長期的にみると学力は伸びていきます。
まずはぜひ算数あそびを親子で楽しんでみましょう!
算数あそびは無理なく楽しく続ける事ができるだけでなく親子のコミュニケーションにもなります。

数の概念

数字というのは抽象的な言葉です。
1番目、1人、1個、1cmなど同じ1でも個数や順番、長さなど様々な意味を表します。
ここで大切なのは、数字というのは数える以外にもたくさんの意味があるという事を伝える事です。
遊びを通してきっかけを掴みましょう。

上記のボードゲームや算数あそびなどを通して興味関心を高め、手を動かして概念を身につける事が大切です。

大きな数

10や100のまとまりを把握します。この単元では数の概念に加えて数のまとまりを作る意識が重要になってきます。
毎日の学習よりもやはりお母さんのお手伝いなどを通して感覚的に理解を深めていく事が大切です。

たし算・ひき算

計算にはルールがあります。ここで注意したいのは文章題で加える、増える=たす、減る、なくなる=ひくと単語を紐づけて覚えない事です。
たしかにたし算は加えるので数は増えますし、ひき算は減らすので数は減るのですが、文章題においてなぜたすのか?ひくのか?という判断基準が大切になります。

時計の読み方

近年はデジタル時計が主流です。
スマホで時間もわかってしまうのでアナログ時計を見たことがない子どもたちもいます。
未経験のことを想像でカバーするのは無理なので日常生活からアナログ時計で時間を読むクセをつけたいですね。

いろいろなかたち

図形の認識には視空間認知能力が必要です。
視空間認知能力は幼少期の外遊びによって鍛えられていきます。
ボール遊びの距離感や鬼ごっこやかくれんぼなどで身に付く他者との距離感などがこの能力です。
視空間認知能力を育てる事がこの年代の図形問題には効果があります。

【小学2年生のつまづきやすい単元】

2年生の最重要単元は「九九」です。
九九を完璧にしておかないと3年生の割り算が始まったときに大変な思いをします。
それゆえ小学5年生になって小数の計算でつまづいている生徒を確認すると九九が覚えきれていない場合が多いのです。
2年生のうちにクリアしておく事が1つの学年目標ですね。

九九

九九の教え方はなぜそうなるのか?という掛け算の理屈よりもまずはリズムで身体に馴染ませていく事をメインにすると良いでしょう。

たし算ひき算の暗算と筆算

計算は数をこなせば伸びていくというものではありません。
問題を解いていく中で1つずつ式の構造を理解する力が必要なだけでなく、マルチタスク能力などの発達の影響も大きく作用します。
特に2年生の筆算は繰り上がりや繰り下がり、桁が大きくなることから、3年生以降の小数の筆算の土台にもなる重要な単元です。
桁の概念も含めて確認をしておきましょう。
また、暗算も同様にマルチタスク能力やワーキングメモリといった脳の働きが大きく影響します。
数字をパズルのように組み合わせ合わせる、分けるといった作業が必要になるからです。
暗算ができるようになるためにはまずしっかりと式を書きゆっくりでもいいので数字の動きを理解することが大切です。

時間、長さ、かさの単位

単位の概念をしっかり理解しましょう。日常的によく使用するL、mLやcmなんかは体感で覚えやすいと思います。
注意点は1mと100cmは同じ長さを表しているという認識を持つことです。
中には1mの方が大きいと覚えている方もいらっしゃいます。

【小学3年生のつまづきやすい単元】

3年生になると科目も理科や社会が増え、より本格的な勉強がスタートします。
算数においては特に傾向が顕著で、単純な計算問題から思考力を問う問題が増えていきます。
少しずつ学力差もわかりやすくなるこの時期にはカラーテストではわからないつまづきポイントが現れやすいので、下記単元についてはしっかり時間をとって学習をしていきましょう。

桁の大きなたし算、引き算の筆算

小学2年生までのたし算・ひき算の総まとめです。
今まで2桁だったのが4桁以上に増えていきます。
もちろんやることは変わらないのですが桁が増えれば当然1問にかける労力も大きくなりますので、つまづいている子どもたちは多いはずです。まずは2桁からはじめ少しずつ桁を増やしていきましょう。
筆算を書くときに綺麗に桁をそろえる練習をすることもコツの1つです。

かけ算の筆算(2桁×2桁)

桁数が増えるとかけ算の筆算も難しさがグッと上がります。
特に間違いやすいのが桁をずらすということです。
桁の概念をしっかり理解しておくことがこの単元では最も重要です。

小数と分数

小数や分数を本格的に学び始めると一気に数の世界が広がります。
いままで0、1、2‥というように学んできたイメージのしやすい自然数から、0と1の間というイメージが難しい範囲を学びます。
この単元では特に分数と小数が同じ値を表しているなど、いろんな見方が重要になってきます。

重要なのは桁の概念です。
特に小数のたし算、ひき算については2.4+4という問題の場合、誤って2.8と答えてしまうケースが間違いとしては多いです。
この場合は筆算を考え桁をきちんと揃えるという意識づけをしておきましょう。

わり算

わり算は分けるものという考え方を身につけましょう。
かけ算は増える、わり算は減るといった思い込みにも注意が必要です。
特に筆算ではかけ算とひき算を同時に行う必要があるので九九の復習を必ずしておきましょう。
この分野では特にあまりのあるわり算においてのつまづきが起きやすいです。
12÷5=2あまり2→5×2+2=12といったように確かめの式を作って意味を理解しましょう。

一万をこえる数

大きな数では漢数字⇆数字を用いて桁の概念を理解していきます。
感じで表す事は桁の概念を理解するには最適なので1問1問丁寧に解いていきましょう。
苦手な方は表を使って解いていくのがおすすめです。

【小学4年生のつまづきやすい単元】

4年生になると急に塾へ通い出すご家庭が増えてきます。
それもそのはず4年生は「算数の壁」と呼ばれる通り一気に考え方が難しくなってきます。
それまでは数字を当てはめれば点数が取れていたテストもなぜたし算なのか?なぜひき算なのか?がわかっていないと急に点数も取れなくなってきます。
4年生からの学習はまず”壁の意味”を知ることから始まります。

帯分数と仮分数

分数の表し方には帯分数、仮分数、真分数という3つの表し方があります。
とりあえず仮分数さえできていたらいい!と思われる方は要注意!
それでは分数の理解が不十分になります。
この単元ではより時間をかけ丁寧に帯分数の意味を理解することが大切です。

小数のかけ算とわり算

小数の計算に入ると今までのイメージできる桁から1と0の間のイメージできない桁の概念が必要になります。
そのためにはまず計算方法を覚えてから、概念を理解していきます。
その際、桁を意識することが大切です。

分度器の使い方

分度器の使い方を通して角度とはなにか?について学んでいきます。
うまく角度が測れない、作図ができない場合は分度器の使い方が原因です。
正しい使い方をマスターすることが図形の第一歩です。

がい数と四捨五入

半数以上の生徒がつまづくであろうがい数と四捨五入は、今まで経験したことのないアバウトな数字の扱いが必要になります。
まずは、がい数と四捨五入を同じものと考えないこと。
四捨五入をすると出てくる数ががい数(だいたいの数)です。
10の位までなどの指示の意味も理解することが大切です。

計算の工夫

四則混合の計算を学びます。
計算のルールを通していかにして暗算で速く計算ができるようになるか?が単元のテーマです。
そのため九九や2桁×1桁のかけ算などは復習をしておきましょう。
最大の難所は数を分けることです。
例えば25+17=25+5+12=30+12=42と17=5+12と分けることで簡単に計算ができるようになりますが、
今までとは違う項が増える計算方式に戸惑う生徒は大勢います。
まずは式を立てるそもそもの意味を理解することから始めましょう。

立体の展開図

立体のイメージを掴むために実際に展開図を組み立ててみましょう。
小4では立方体と直方体の基本的な展開図や立体の性質について学びます。
立体パズルなどを使って体感で学んでいくことがおすすめです。
また、今のうちに頂点や辺、平行、垂直などの算数用語はきちんと覚えておきましょう。

【小学5年生のつまづきやすい単元】

5年生は算数の学習においては鬼門とも言える学年です。
倍数・約数や分数の計算、単位量あたり、割合、速さに円周といった今後も使い続けるであろう単元が1年間で凝縮されています。
逆に言えばこの学年を乗り切りさえすれば6年生以降の学習が格段に楽になります。
5年生で行う範囲をしっかり理解するには時間がかかりますので、1年間で完璧にと考えるのではなく6年生でも復習する時間をとりながら丁寧に理解していくことが大切です。

倍数と約数

異分母の計算で重要になる最小公倍数、最大公約数は小学3年生までで学んでいる九九とわり算が非常に重要な単元です。
もし曖昧な場合は復習をしておきましょう。
この単元では特に約数と倍数という算数用語に混乱をするお子さんが多いです。
じっくりと時間をかけどういう意味か?を理解することを心がけましょう。

異分母の計算、通分と約分

分数の計算では通分と約分をスムーズに行う必要があるため、最小公倍数と最大公約数の単元はしっかりマスターしておきたいところです。
帯分数と仮分数の使い分けも重要になってくる単元ですのでそもそもの分数の理解から確認していく必要があります。

小数×小数と小数÷小数の計算

小数の乗法除法は単なる小数点の移動ではなく意味がきちんとあります。
やり方をまずは覚えるのですが、やり方だけでは混乱していまします。
大切なのは1〜0の間に無限に桁が存在しているという数の広がりを感じることです。

多角形と円周の求め方

ここではじめて円周率という考えが登場します。
円周率=3.14….ですが円周率とはあくまで直径に対する円周の比率です。
特におうぎ形の周りの長さについてはきちんと求められるように練習をしておきましょう。

表面積と体積の求め方と単位変換

面積と体積の意味について学んでいきます。
面積はcm^2(平方センチメートル)体積はcm^3(立法センチメートル)という単位を使います。
この単位の意味は面積はcm×cm、体積はcm×cm×cmと同じ長さのかける回数を表しています。
公式と単位の連動についてもしっかり意識しておくことがポイントです。

特に体積と容積の違いは注意しましょう。

また、表面積においては展開図がかけるか?が課題です。
実際に組み立ててイメージを強化しましょう!

単位量あたり

「〇〇を1とすると」という聞きなれない言葉に苦戦するお子さんが多い単元です。
1とするとは比較をするための基準にするという意味です。
どちらで割るのか?かけると何の値が出てくるのか?1つ1つの数字を丁寧に追いかけていくことが大切な単元です。

またこの単元は以降の割合や速さ、6年生で学ぶ比の利用についても必要になってくる概念です。
この単元は丁寧に時間をかけてやっていきましょう。

割合

全体に対してその値が占める分量のことを割合と言いますが、同じ事を百分率、歩合などを用いさまざまな表現方法を学びます。
割合というのは比べる量÷もとにする量で求めることができますが、この”もとにする量”を見つけることがとても大変です。
基準にする量という意味なのですがこれこそ単位量あたりでいう”1とする量”のことなのです。
特に文章題では文章中のどの数字がくらべる量、もとにする量、割合なのか?を書き込むことが大切です。

速さ

速さにおいて特に難しく感じる生徒が多いのは”単位変換”です。
例えば時速60kmで30分走ったら何mすすむか?など問題文の単位をよく読まないと解けない問題が多いです。
1km=1000mや1時間=60分など基本的な単位変換から復習しておきましょう!

【小学6年生のつまづきやすい単元】

比例反比例はつまづくお子さんもいますがグラフが読み取れれば大丈夫です。
また、文字と式においてもxやyといったアルファベットを◻︎の代わりに使う程度に理解できれば大丈夫です。
どちらも中学1年生で再度詳しく学習するので今回は省いています。

6年生の最優先は異分母の四則計算はきちんとできるようになっておくことです。
次に円周と円の面積の公式を覚える事、比を使えるようになっておく事です。
6年生は中学数学へと進む大切なステップですので場合によっては5年生の復習の時間をとることが重要になってきます。

点対象と線対象

図形の対称性を学ぶ単元です。
特に線対象はわかる生徒が多いのですが点対象はイメージしづらく練習が必要です。
また、線対象でもあり点対象でもある図形もありますので実際に紙に書いて切り取って動かしてみるのもおすすめです。

比の利用

AがBの何倍か?をA:Bと表す事を比と言います。
つまり割合の別の表し方であると言えます。
比については今後も図形などにも応用できる範囲ですので、計算をできるだけでなく内容を理解する事が大切な単元です。

分数の四則計算

6年生の分数計算では、今までのような通分、約分に加えてかけ算、わり算(逆数をとる)の混合計算や整数や小数も混じってくるいわば今まで培ってきた計算の総決算とも言える単元です。
この単元が6年生で最も重要な単元です。
計算の順序がちゃんと理解できているか?約分ができているか?通分ができているか?時間をかけてしっかりと定着させていきましょう。

円の面積

円周と円の面積の公式で混乱してしまう生徒が多い単元です。
特におうぎ形が出てきたり周りの長さや、葉っぱ型など定番の問題の型があるので、よく出てくるパターンで理解するのも1つの方法です。

立体の体積と表面積

体積と表面積の違いを理解する事が大切です。
また、体積=底面積×高さと覚えてしまいましょう。円柱、直方体、立方体、それぞれの公式で覚えてしまうと逆に混乱してしまいます。
表面積に関しては手間ですが初めはきちんと展開図を書きイメージをする練習をしていく事が大切です。

場合の数

中学数学の確率のベースになる単元です。
場合を分けて想定をする訓練になりますので数学的な思考能力がトレーニングできます。
確かに難しい単元ですが樹形図や表の書き方、順列と組み合わせの違いなど重要な考え方を学ぶ単元なのでしっかり言葉の理解を深めていきましょう。

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算数の苦手克服は一朝一夕ではいきませんが、少しずつ努力を積み重ねることで、必ず成果が見えてきます。

お子さまが算数に自信を持ち、楽しんで学べる環境を一緒に作り上げていきましょう!

この記事を書いた人

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アイデア数理塾

京都市中京区にある少人数制の数学・理科に特化した学習塾です。
小学校1年生から高校3年生までのお子様の学習をサポートいたします。授業は、補習がメインに構成されています。