「覚えたはずなのに忘れた」は記憶力の問題?覚え方と思い出す練習の違い 京の算数学#1526

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算数学コラム

テスト前に英単語を覚えた。
理科や社会の用語も何度も見た。
漢字も書けるようになったはず。

それなのに、数日たつと忘れている。
テスト本番で出てこない。
家では言えたのに、学校では思い出せない。

こういうことは、小学生にも中学生にもよくあります。

保護者の方からすると、

「この前覚えたって言ってたのに」
「記憶力が悪いのかな」
「もっと何回も書かせた方がいいのかな」

と思うかもしれません。

でも、「覚えたはずなのに忘れた」は、必ずしも記憶力だけの問題ではありません。

多くの場合、起きているのは次のようなことです。

覚えたつもりになっていた。
思い出す練習が足りなかった。
時間をあけて確認していなかった。
似たものと区別できていなかった。
テストで使える形になっていなかった。

つまり、問題は「覚える力がない」ではなく、覚え方と思い出し方が、テストに合っていないことかもしれません。


「覚えた」と「思い出せる」は少し違います

勉強でよくあるのが、見たときには分かる状態です。

たとえば英単語で、

apple
student
important
because

を見たときに、

「あ、これ知ってる」
「見たら意味は分かる」

という状態です。

これはもちろん大切です。
ただ、テストではそれだけでは足りないことがあります。

テストでは、何も見ない状態で、

  • 日本語を見て英単語を書く
  • 用語を思い出す
  • 漢字を書く
  • 公式を使う
  • 説明文として書く
  • 選択肢の中から正しく選ぶ

必要があります。

つまり、勉強では見れば分かる状態から、見なくても思い出せる状態にまで持っていく必要があります。

この差があるため、子どもは本当に「覚えた」と思っていても、テストでは出てこないことがあります。


よくあるパターン1 何度も見ただけで覚えた気になっている

塾で見ていても多いのが、教科書やプリントを何度も見る勉強です。

もちろん、見ることは悪くありません。

ただ、ずっと見ながら勉強していると、本人は分かった気になります。

たとえば、社会の用語を赤シートで隠さずに何度も読む。
英単語の横に意味が書いてある状態で眺める。
理科の重要語句をノートにきれいにまとめる。

このとき子どもは、「けっこう覚えた」と感じます。

でも、実際には見て分かっているだけのことがあります。

覚えたかどうかは、見ているときではなく、隠したときに思い出せるかで分かります。

よくあるパターン2 書くことが目的になっている

漢字や英単語でよくあるのが、何回も書く勉強です。

何回も書くこと自体は大切です。
手を動かすことで覚えやすくなる子もいます。

ただし、書く回数だけが目的になると、少し注意が必要です。

たとえば、

  • 英単語を10回ずつ書いた
  • 漢字を1ページ埋めた
  • 用語をノートにまとめた

でも、最後に何も見ずに書けるか確認していないですよね。

この場合、勉強時間は使っています。
でも、思い出す練習が足りません。

大切なのは、何回書いたかより、最後に見ずに書けるかです。

よくあるパターン3 覚えた直後にしか確認していない

覚えた直後は、誰でも思い出しやすいです。

英単語を10分練習した直後なら、当然言えますし、漢字を書いた直後なら、よほど複雑なものでない限り書くことができます。

でも、テストはその直後にあるとは限りません。

次の日。
数日後。
1週間後。
テスト本番。

そのときに思い出せるかが大切です。

「覚えたはずなのに忘れた」という子は、覚えた直後にはできていたけれど、時間をあけて確認していないことがあります。

暗記は、1回で完成するものではありません。

覚える → 少し忘れる → 思い出す → また確認する

このくり返しで、少しずつ残りやすくなります。

よくあるパターン4 似たものと混ざっている

忘れたように見えて、実は似たものと混ざっていることもあります。

たとえば英語なら、

write
right
light

のように、音やつづりが似ているもの。

理科なら、

蒸発
沸騰
凝結

のように、現象が近いもの。

社会なら、

平安時代
鎌倉時代
室町時代

のように、時代の流れがあいまいになりやすいもの。

算数・数学でも、

面積
体積
割合

速さ

など、言葉だけ覚えていても、使う場面が整理できていないと混ざります。

この場合、単に「忘れた」のではなく、区別して覚えられていない状態です。

覚えるときには、似たものを並べて「どこが同じで、どこが違うか」を確認することが大切です。

よくあるパターン5 テストの問題文が違うので思い出せない

家では言えたのに、テストでは出てこない。

これもよくあります。

理由の一つは、練習した形とテストの聞かれ方が違うからです。

たとえば、家では英単語を

英語 → 日本語で確認していた。

でもテストでは、日本語 → 英語で出た。

この場合、見たら意味は分かっても、自分で英単語を書く練習が足りていないことがあります。

社会でも同じです。

用語を見て意味を確認する練習だけでは、説明文を読んで用語を書く問題に弱くなることがあります。

覚えるときには、テストでどう聞かれるかまで考える必要があります。


家庭でできる確認は「見ずに言えるか?」が基本

暗記の確認で一番分かりやすいのは、

「見ずに言える?」
「見ずに書ける?」
「時間をあけても思い出せる?」

たとえば英単語なら、

  1. まず見て覚える
  2. 隠して言う
  3. 隠して書く
  4. 間違えたものだけもう一度見る
  5. 次の日にもう一回確認する

これだけでも、かなり変わります。

理科や社会なら、

「この言葉の意味を説明できる?」
「逆に、説明を読んで用語を言える?」
「似ている言葉と何が違う?」

と聞くと、ただ覚えているだけか、理解して覚えているかが見えやすくなります。


「覚えたのに忘れた」と言う子への声かけ

子どもが忘れていたときに、

「昨日覚えたって言ったでしょ」
「なんで忘れるの?」
「記憶力がないね」

と言いたくなることもあると思います。

でも、忘れること自体は自然なことです。

大切なのは、忘れたあとにどう思い出すか?です。

忘れたことを責めるより、思い出す練習に変える方が次につながります。


覚え方を変えるときのポイント

暗記が苦手な子に、いきなり長時間やらせる必要はありません。

まずは小さく変えるだけで大丈夫です。

1.見る時間を短くして、隠す時間を作る

ずっと見るのではなく、途中で隠します。

「覚えたかな?」と思ったら、すぐに隠して確認します。

2.間違えたものだけを残す

全部を何度もやると時間がかかります。

覚えられていないものだけ印をつけて、そこに戻る方が効率的です。

3.次の日にもう一回確認する

その日に覚えたものを、翌日に少しだけ確認します。

ここで思い出せると、残りやすくなります。

4.テストと同じ形で練習する

英語を書くテストなら、書く。
用語を書くテストなら、説明から用語を出す。
選択問題だけでなく、何も見ずに答える練習もする。

練習の形をテストに近づけることが大切です。


暗記が苦手に見える子ほど、実は「確認の仕方」を知らないことがあります

「覚えるのが苦手」と言う子の中には、記憶力そのものより、確認の仕方で損をしている子がいます。

  • 何度も見るだけ
  • 書いて満足する
  • 覚えた直後にしか確認しない
  • 間違えたものを分けない
  • テストと違う形で練習している
  • 似たものを区別していない

この状態だと、勉強時間を使っていても忘れやすくなります。

逆に言えば、覚え方を少し変えれば、同じ時間でも残り方が変わることがあります。


アイデア数理塾で大切にしていること

アイデア数理塾では、「忘れること」を悪きものとして判断しません。
覚えるのが苦手な生徒にとっては「忘れる=悪いこと」だと思い込んでいるケースが大半です。

人間にとって忘れることは自然なことだからです。
むしろ忘れた時にどうするのか?という行動にフォーカスを当てないとなかなか定着しません。

当学習塾で大切にしているのは、

  • 見て分かるだけで終わっていないか
  • 隠して思い出す練習をしているか
  • 時間をあけて確認しているか
  • 間違えたものだけ戻れているか
  • テストと同じ形で練習できているか
  • 似た内容を区別して覚えているか

を見ることです。

京都市中京区・烏丸御池周辺で、小学生の算数・漢字、中学生の英単語・理科社会・数学の公式暗記に不安がある方は、
「記憶力が弱い」と決めつける前に、覚え方と思い出し方を見直してみることが大切です。

覚える力は、気合いだけで伸びるものではありません。

思い出す練習を入れることで、少しずつ使える知識になっていきます。


まとめ 忘れる子に必要なのは、もっと見ることより「思い出す練習」

「覚えたはずなのに忘れた」は、本当に記憶力の問題なのか。

答えは、記憶力だけの問題とは限りません。

実際には、

  • 見て分かるだけで終わっていた
  • 書くことが目的になっていた
  • 覚えた直後にしか確認していなかった
  • 似たものと混ざっていた
  • テストと違う形で練習していた
  • 思い出す練習が足りなかった

ということがよくあります。

暗記で大切なのは、長く眺めることだけではありません。

見ずに思い出す。
時間をあけてもう一度思い出す。
間違えたものだけ戻る。
テストと同じ形で確認する。

この流れがあると、「覚えたつもり」は少しずつ「本当に使える知識」に変わっていきます。

忘れることは、悪いことではありません。
忘れたところが分かれば、そこをもう一度思い出せばいいのです。

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