京の算数学問題#1522

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算数学コラム
同じミスを何度もする子は、本当に反省していないのか?
先週の授業で、中2の生徒が方程式のプリントをやっていて、また同じところで符号ミスをしていました。
実は1ヶ月前にも全く同じミスをしていて、その時ちゃんと直し方まで一緒に確認したんです。
それでも直っていない。
正直、初めて見たときは僕も「あれ、この前やったよな」と思いました。
でも横で見ていて分かったのは、その子は移項の意味自体は分かっているということでした。
テスト直しのときに聞くと「移項したら符号変わるんですよね」ってちゃんと言えるんです。
問題は、実際に問題を解いている最中に正しい解き方か?手順を確認する余裕もタイミングも持っていないということでした。
塾で子どもたちのノートや途中式を毎日見ていると、こういうことがよくあります。
親御さんとの面談でも「うちの子、同じミスばっかりするんです。何回言っても直らなくて」という相談は、正直かなり多い部類の相談です。
計算ミス、符号ミス、単位のつけ忘れ、問題文の読み飛ばし……
一度直したはずなのに、次のテストでもまた同じところで間違える。
親御さんからすると、
「前にも同じこと言ったのに」
「本当に反省してるのかな」
「またこれかって正直思っちゃう」
という気持ちになるのも当然だと思います。
僕も我が子だったらきっと同じことを思います。
ただ、現場で何百人という子のノートを見てきた感覚から言うと、同じミスを繰り返す子のほとんどは、反省していないわけではありません。 足りないのは反省ではなくて、「次にどう直すか」の具体的なやり方です。
これは教室で子どもと1対1でやり取りしていないと、案外気づきにくいところだと思います。
「次は気をつける」
「ちゃんと読む」
「計算ミスしないようにする」
こういう反省は、子どもは真面目に言っています。
気持ちもちゃんとあります。
ですが、これだけだと次の行動ってほとんど変わらないんですよね。
実際、僕が「次気をつけてね」とだけ言って終わった生徒は、次の週も同じミスをしてくることがほとんどです。
何を、いつ、どうやって確認するか。
ここまで決めて初めて、ミスは減っていきます。
反省と修正は別モノ
子どもが「次は気をつける」「もう間違えない」と言うとき、これは反省してないんじゃなくて、本人なりに「まずいな」と思ってることが多いです。授業中の表情を見ていても、それは伝わってきます。
ただ、反省しただけじゃ行動は変わらないです。
「前も間違えた」って覚えてても、どこで間違えたかまでは見てなかったりする。
「次はここを確認する」というところまで落とし込んで、実際に何度か練習して初めて身につきます。
つまり大事なのは「反省してるかどうか」じゃなくて、直し方を持っているかどうか、ということです。
同じミスをする子に起きている3つのこと
①ミスを全部「ケアレスミス」でまとめてしまっている
計算ミス、符号ミス、単位ミス、読み飛ばし、途中式の抜け、式の立て方のミス、見直し不足、公式の使い間違い……
同じ「バツ」でも、原因は全然違います。
これ、生徒本人に聞くと大体「ケアレスミスでした」で終わります。
でも僕らが横で途中式を見ると、実はケアレスミスじゃないことのほうが多いんです。
たとえば以前担当していた中学生が −3 + 8 − 5 を間違えたとき、本人は「ケアレスミス」と言っていました。
でもノートをよく見ると、左から順番に計算せずに8−5を先に計算していて、そこがそもそもの原因でした。
これは「気をつける」で直る話ではなく、計算の順番の理解が抜けていたわけです。
本人に聞くだけでは出てこないので、途中式を実際に見て初めて分かることでした。
②「次は気をつける」の中身が決まっていない
文章題で「3冊」を使い忘れた子が「次はちゃんと読む」と言ったとしても、これだけだとかなり弱い。
うちの塾では、こういうときに生徒と一緒にその場でルールを1個だけ決めるようにしています。
数字に単位を書く、問題文の最後に線を引く、使った数字にチェックをつける、式を書く前に「何を求める問題か」を口に出す。
このくらい具体的に決めておくと、次から行動が変わってきます。
実際、「使った数字にチェックをつける」というルールを1つ決めただけで、その後の宿題で同じミスがぴたっとなくなった生徒も何人もいます。
③ミスした場面で確認する習慣がまだできていない
冒頭で書いた中2の生徒がまさにこれでした。
テスト直しのときは「移項すると符号が変わる」ってちゃんと分かってるんです。
でも次に問題を解くときは、式を急いで変形して、また同じミスをする。
これは反省してないんじゃなくて、思い出すタイミングが決まってないだけ。
「移項した行だけ符号を確認する」みたいな、具体的な確認ポイントを持たせてあげる必要があります。
その生徒には「移項した行だけ丸で囲む」というルールを1つ渡したところ、次の週から明らかにミスが減りました。
ミスに見えても、原因は子どもによって全然違う
分数のたし算で 1/2 + 1/3 を 2/5 と間違える子。
これを何度も繰り返す場合、単なるうっかりじゃないことが多いです。
分母の意味が分かっていない、通分の必要性が分かっていない、例題の形だけ覚えている、急いで分子と分母をそれぞれ足してしまっている……。
この場合「次は気をつけよう」じゃなくて、「分母は大きさの種類。違う種類のまま足せない」という概念理解に一度戻ってあげる必要があります。
実際、これで直るまで数週間かかった生徒もいますが、意味に戻さずに問題数だけこなしても直らなかったケースを何度も見ています。
「1個120円のノートを3冊買い、500円を出しました。おつりはいくらですか」で500−120=380と答えてしまう子も同じです。
数字だけを見ている、何を求める問題か確認していない、使った数字に印をつけていない。
「問題文をよく読む」ではなく、「数字に単位をつける」「使った数字にチェックを入れる」「式を書く前に何を求めるか言う」というところまで落とし込むと変わってきます。
2x + 3 = 11 を 2x = 11 + 3 と移項して x = 7 にしてしまう子も、毎回同じような符号ミスをするなら注意不足とは限りません。
移項の意味があいまいだったり、両辺から3を引く感覚がなかったり、符号を変える作業として丸暗記していたり。
2x + 3 − 3 = 11 − 3 のように、両辺に同じ操作をするという意味に一度戻ってあげると、案外すんなり直ることがあります。
家庭で聞いてみてほしいこと
僕が面談でもよく親御さんに勧めているのが、この5つの聞き方です。
「これは何のミスだったと思う?」で、まずミスの種類を分ける。
「どの行でずれた?」で、途中式のどこがおかしかったかを見る。
「次に同じ問題が出たら、どこを見る?」で、気をつける場所を具体的にする。
「その確認って、いつする?」で、見直すタイミングを決める。
「もう一回、同じ直し方でできる?」で、実際にもう一度試させる。
「気をつける」で終わらせずに、ここまで一緒に決めてあげると、子ども自身も何をすればいいかが分かってきます。
授業中に僕がこの流れで聞くと、最初は戸惑う子が多いですが、2〜3回繰り返すと自分から「これ符号ミスでした」「移項の行、確認してませんでした」と言えるようになっていきます。
じゃあ実際どう対策すればいいか?
ミスを全部「ケアレスミス」で片付けてしまっているなら、まずは計算ミス・読み間違い・考え方のミスの3種類くらいから分けてみる。
一番多いものを1つだけ直せば十分です。
最初から細かく分析しすぎなくて大丈夫。
途中式がなくてどこで間違えたか分からないなら、ミスした問題だけでも途中式を残させる。
方程式は1行ずつ、分数や符号がある問題も途中を書く。
途中式はきれいなノートを作るためじゃなくて、ミスした場所に戻るための道具です。
実際、途中式を書かせるようにしただけで、本人も「あ、ここでずれてる」と自分で気づけるようになる子は多いです。
「次は気をつける」で終わっているなら、何を・いつ・どう確認するかを1つだけルールにして、次の問題で試してみる。
「文章題では式を書く前に答えの単位を見る」「方程式では移項した行だけ符号を丸で囲む」くらいシンプルでいいです。
理解不足が隠れている場合は、ミスを減らす練習をするより、前の土台に戻るほうが早いです。
分数なら意味に戻る、符号なら数直線に戻る、方程式なら両辺操作に戻る。
以前見ていた小学5年生も、同じところでミスを連発していたので調べてみると、原因は今の単元ではなく、その前の単元の理解がそもそも進んでいなかったことでした。
この子は思い切って学校の進度から一旦離れて、前の単元の復習に時間を使ったところ、じわじわとミスが減っていきました。目の前の単元だけを見ていると気づけない原因です。
逆に、途中式を書かせればいいというわけでもありません。
中学2年生で、途中式をとても丁寧に書く子がいたのですが、あまりに情報量が多すぎて、本人もどこが大事な行なのか分からなくなっていました。
この子の場合は途中式を減らして、あえて暗算でのトレーニングを増やしたところ、40点台だった点数が70点台まで上がりました。
途中式は多ければいいのではなく、その子にとって「見返しやすい量」になっているかが大事なんだと感じた例です。
見直しの仕方がそもそも分かっていない子には、「全部見直しなさい」ではなく、符号だけ・単位だけ・問題文の最後だけ、というふうに見る場所を絞ってあげてください。
言っちゃいけない言葉、使いやすい言葉
「また同じミス?」
「反省してないでしょ」
「何回言ったら分かるの?」
言いたくなる気持ちは、すごく分かります。でもこれを言われると、子どもはミスを見せるのを嫌がるようになって、隠すようになってしまうことが大半です。そうなると直す機会もどんどん減ります。 実際、家庭で強く叱られた後の生徒は、間違えた問題を隠すように消しゴムで消してから見せてくることがあります。これは僕らが一番避けたい状態です。
代わりに、
「これは何のミスだったと思う?」
「どこでずれたか一緒に見よう」
「次はどこを見る?」
「ここまでの考え方は合ってたね」
このあたりの声かけだと、子どもも次につなげやすくなります。
疲れや焦りが原因のこともある
同じミスが急に増えたときは、学習面だけが原因とは限りません。
睡眠不足、テスト前の焦り、部活や習い事の疲れ、怒られたくない不安……
このあたりも一度気にかけてあげてほしいです。
定期テスト直前に急にミスが増える生徒は毎年一定数いて、こういう場合は勉強法より先に生活リズムの話をすることもあります。
ただ、同じ種類のミスが長く続くようなら、やっぱり確認方法か理解の土台、どちらかを見直したほうがいいと思います。
塾の先生として思うこと
塾で同じミスを繰り返す子を見ても、僕はすぐに「反省してないな」とは思いません。
何のミスなのか、どの行で起きているのか、同じ種類のミスが続いているのか、途中式が残っているのか、見直しの場所が決まっているのか、理解不足が隠れていないか、次にどう確認するかを持っているか。
このあたりを、実際にノートや途中式を見ながら判断するようにしています。
これは正直、教科書や指導理論だけを知っていても分からない部分で、日々生徒の手元を見ている立場だからこそ気づけることだと思っています。
同じミスは叱る材料じゃなくて、その子がどこで止まりやすいかを教えてくれるサインだと思っているので。
アイデア数理塾でも、「また同じミスしたね」で終わらせることはしません。
ミスの種類を分けて、どこでずれたかを見て、途中式や考えた跡を確認して、「次は気をつける」を具体的な行動に変えて、必要なら前の単元に戻る。
そうやって、自分で確認できる力を育てていくことを大事にしています。
京都市中京区・烏丸御池周辺で、算数や数学のミスに悩んでいる方は、「反省してない」と決めつける前に、お子さんが直し方を持っているかどうか、一度見てあげてほしいなと思います。
ミスをなくすことだけが目的じゃありません。
ミスを見つけて、自分で直して、次に活かせるようになること。
それが結局、算数・数学の力につながっていきます。
以上!京都市中京区のアイデア数理塾 油谷がお届けいたしました!
京の算数学 解答#1522





