数学コラムの目次
京の算数学問題#1476

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算数学コラム
「授業では分かったと言っているのに、家で聞くと説明できない」
「答えは出せるのに、どう考えたかを聞くと黙ってしまう」
「分からないところを聞いても、『全部』としか言えない」
このような様子を見ると、保護者の方は不安になると思います。
「本当に理解しているのかな」
「ちゃんと授業を聞いているのかな」
「説明できないなら、やっぱり分かっていないのでは」
そう感じることもあるかもしれません。
ただ、子どもが説明できないからといって、すぐに「理解していない」と決めつける必要はありません。
勉強が苦手な子の中には、内容そのものだけでなく、自分の考えを言葉にして整理する力でつまずいている子がいます。
つまり、「分からない」のではなく、分かったことを説明する力がまだ育っていない場合があるのです。
「説明する力」とは何か
説明する力とは、ただ上手に話す力のことではありません。
勉強における説明する力とは、
- 何を聞かれているか分かる
- どこまで分かっているか整理できる
- 使った考え方を言葉にできる
- なぜその答えになるか伝えられる
- 分からないところを相手に伝えられる
という力です。
これは、算数・数学だけでなく、国語、理科、社会、英語にも関係します。
たとえば算数なら、
「なぜこの式にしたの?」
「この数字は何を表しているの?」
「どこで間違えたと思う?」
と聞かれたときに、自分の考えを少しでも言葉にできるかどうかです。
勉強が苦手な子ほど説明が苦手になりやすい理由
①頭の中が整理されていない
勉強が苦手な子は、分からないことが一つだけではなく、いくつか重なっていることがあります。
たとえば文章題なら、
- 問題文の意味
- 数字の意味
- 何を求めるか
- どの式を使うか
- 計算の進め方
- 答えの単位
が一度に出てきます。
この中のどこで止まっているのかが自分でも分からないと、説明しようとしても言葉が出てきません。
「全部分からない」と言っているように見えても、実際には途中まで分かっていることもあります。
特に衝動性が高いお子さまの場合は頭の中も大忙しです。
整理する前に目に入った情報に影響を受けてしまうので頭の中を整理する事に課題を置くとうまくいきやすいです。
②「なんとなく分かった」で進んでいる
授業中に先生の説明を聞いていると、その場では分かった気がすることがあります。
友達の答えを聞いて納得する。
板書を写して理解した気になる。
解説を読んで「なるほど」と思う。
しかし、自分で説明しようとするとわからない。
これは、理解がまったくないというより、自分で使えるほど整理されていない状態です。
説明することで、分かったつもりだった部分が見えてきます。
③答えだけを見ている
勉強が苦手な子ほど、答えが合っているかどうかに意識が向きやすいです。
「丸だったから大丈夫」
「答えが出たから終わり」
「バツだったから間違い」
という見方になっていると、考え方を説明する習慣が育ちにくくなります。
算数や数学では、答えだけでなく、
- どう考えたか
- なぜその式にしたか
- どこで確認したか
- 間違えた理由は何か
を見ることが大切です。
④間違えることを怖がっている
説明することが苦手な子の中には、間違えることを怖がっている子もいます。
「変なことを言ったらどうしよう」
「間違っていたら怒られるかもしれない」
「うまく説明できない自分を見られたくない」
と思うと、言葉が出にくくなります。
この場合、説明できないのは考えていないからではありません。
間違えたくない気持ちが強く、頭の中にあることを出せなくなっていることがあります。
⑤語彙が足りない
考えはあるのに、それを表す言葉が見つからない子もいます。
たとえば算数では、
- 全体
- 一部
- 差
- もとにする量
- 何倍
- 一つ分
- いくつ分
- 比べる
- 同じ数ずつ分ける
といった言葉が必要になります。
言葉の意味があいまいだと、考え方も説明しにくくなります。
国語が苦手だから算数ができない、という単純な話ではありません。
算数にも、算数で使う言葉があります。
分からないところを言う練習をしていない
子どもが「分からない」と言ったとき、大人がすぐに最初から説明してしまうことがあります。
もちろん、助けることは大切です。
ただ、毎回すぐに説明を聞く形になると、子どもは、
「どこが分からないかを伝える」
練習をしないままになります。
本当は、
「問題文は分かったけれど、式が作れない」
「式は作れたけれど、計算で止まった」
「解き方は分かるけれど、単位が分からない」
と分けられるようになると、学習は進みやすくなります。
説明できる子は、勉強で何が強いのか
説明する力がある子は、ただ話が上手なだけではありません。
学習面では、次のような強さがあります。
①理解が深まりやすい
自分の言葉で説明しようとすると、頭の中を整理する必要があります。
「なぜこの式なのか」
「この数字は何を意味しているのか」
「次に何をするのか」
を考えるため、理解が深まりやすくなります。
説明できるということは、考え方を自分の中で整理できている状態に近いです。
②間違いに気づきやすい
自分の考えを説明している途中で、
「あれ、ここがおかしいかも」
「この数字の意味を間違えていた」
「求めるものが違った」
と気づくことがあります。
説明は、相手に伝えるためだけではありません。
自分の考えを見直すためにも役立ちます。
③質問が上手になる
説明する力が育つと、質問の仕方も変わります。
「全部分かりません」
ではなく、
「ここまではできましたが、この後が分かりません」
「式は作れましたが、計算で止まりました」
「なぜこの公式を使うのかが分かりません」
と言えるようになります。
質問が具体的になると、先生や塾の先生も助けやすくなります。
④テスト直しが上手になる
テスト直しでは、答えを写すだけでは力がつきにくいです。
大切なのは、
- なぜ間違えたか
- 次に何を確認するか
- どの考え方を使えばよかったか
を説明できることです。
説明する力がある子は、間違いを次につなげやすくなります。
⑤中学数学にもつながる
中学生になると、説明する力はさらに大切になります。
特に数学では、
- 方程式の文章題
- 関数
- 図形の証明
- 資料の読み取り
- 記述問題
で、考え方を整理して表す力が必要です。
小学生のうちから、答えだけでなく考え方を言葉にする習慣を作っておくと、中学以降の学習にもつながります。
家庭でできる「説明する力」の育て方
①いきなり完璧な説明を求めない
最初から、
「どうしてそうなるのか、きちんと説明して」
と言うと、子どもには負担が大きいことがあります。
まずは短くて構いません。
「なんとなく、ここを見た」
「この数字を使うと思った」
「前の問題と似ていた」
くらいでも大丈夫です。
説明することに慣れていない子には、まず言葉にする経験が必要です。
②「どこまで分かった?」と聞く
子どもが分からないと言ったときは、すぐに全部を教える前に、
「どこまでは分かった?」
「問題文は分かった?」
「式を作るところで止まった?」
「計算の途中で止まった?」
と聞いてみます。
全部を説明させるのではなく、分かるところを探す質問です。
これにより、子ども自身も頭の中を整理しやすくなります。
③答えが合っている問題で説明してもらう
間違えた問題だけで説明を求めると、子どもは責められているように感じることがあります。
おすすめは、答えが合っている問題で聞くことです。
「この問題、どう考えたの?」
「なぜこの式でいいと思った?」
「最初にどこを見た?」
丸がついている問題なら、子どもも説明しやすいです。
説明する力は、間違い直しのときだけでなく、正解した問題でも育てられます。
④選択肢を出して答えやすくする
説明が苦手な子に、自由に話させるのは難しいことがあります。
その場合は、選択肢を渡します。
「問題文で止まった?計算で止まった?」
「たし算だと思った?かけ算だと思った?」
「全部を求める問題?一つ分を求める問題?」
選択肢があると、子どもは答えやすくなります。
慣れてきたら、少しずつ自分の言葉で説明できる部分を増やしていきます。
⑤図や式を使って説明してもよい
説明は、言葉だけでしなくても構いません。
特に算数では、
- 図を描く
- 線を引く
- 表にする
- 式を指差す
- 問題文の数字に印をつける
ことも説明の一部です。
「話すのが苦手だから説明できない」と決めつける必要はありません。
図や式を使いながら、少しずつ言葉を足していけば大丈夫です。
⑥親が先に説明しすぎない
子どもが止まっていると、保護者はすぐに助けたくなります。
ただ、すぐに全部説明してしまうと、子どもが自分で言葉にする機会が減ってしまいます。
まずは、
「何を求める問題?」
「この数字は何の数字?」
「前に似た問題はあった?」
と聞いて、考える入口を渡してみましょう。
答えを教える前に、子どもが少し説明する時間を作ることが大切です。
⑦説明の中身を否定しすぎない
子どもが説明してくれたとき、間違っていてもすぐに否定しないことが大切です。
「違うでしょ」
「そうじゃない」
「なんでそう考えたの?」
と言われると、次から説明したくなくなります。
まずは、
「そう考えたんだね」
「そこを見たんだね」
「途中までは合っているね」
と受け止めます。
そのうえで、
「では、問題で聞かれていることに戻ってみよう」
「この数字の意味をもう一度見よう」
と修正していく方が、安心して話しやすくなります。
算数で使いやすい説明の型
説明が苦手な子には、型を渡すと話しやすくなります。
たとえば文章題なら、次の順番です。
- 何を求める問題か
- 分かっている数字は何か
- 数字が何を表しているか
- どの式にしたか
- 答えの単位は何か
毎回きれいに言う必要はありません。
「何を求めるか」と「なぜその式か」だけでも、考え方は見えやすくなります。
説明する力は、少しずつ育てるもの
説明する力は、急に身につくものではありません。
最初は、
「ここを見た」
「この数字を使った」
「前と同じだと思った」
くらいで十分です。
少しずつ、
「なぜなら」
「だから」
「まず」
「次に」
という言葉を使えるようになっていきます。
説明が苦手な子に必要なのは、完璧な発表ではありません。
安心して自分の考えを出せる経験です。
京都・中京区で「分かっているのに説明できない」と悩んでいる方へ
アイデア数理塾では、答えが合っているかどうかだけでなく、
- どこまで分かっているか
- 何を見て式を作ったか
- なぜその考え方を使ったか
- どこで止まったか
- 分からないところを質問できるか
を大切にしています。
算数・数学では、答えを出す力だけでなく、考え方を説明する力も必要です。
京都市中京区・烏丸御池周辺で、小学生の算数や中学生の数学に不安がある方は、説明できない理由を責めるのではなく、どこで考えが止まっているかを見ることが大切です。
まとめ 説明する力は、勉強の土台になる
勉強が苦手な子の中には、内容そのものだけでなく、説明する力でつまずいている子がいます。
説明する力が弱いと、
- 分かったつもりで進んでしまう
- どこが分からないか言えない
- 質問ができない
- 間違い直しが浅くなる
- 少し形が変わると対応しにくい
ということが起こりやすくなります。
大切なのは、子どもに完璧な説明を求めることではありません。
どこまで分かったか、どう考えたかを少しずつ言葉にする経験です。
「答えは?」の前に、
「どう考えた?」
「どこまで分かった?」
と聞いてみる。
その小さな積み重ねが、勉強の理解を深める土台になります。
京の算数学 解答#1476





