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京の算数学問題#1432

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算数学コラム
「発酵食品は体にいい」
「納豆は発酵食品」
こうした言葉はよく聞きます。
でも、子どもに聞かれると少し困るのが、
「発酵と腐ることって何が違うの?」
という質問です。
実は、発酵も腐敗も、どちらも微生物の働きによって食べ物が変化する現象です。
違いはとても簡単に言うと、人にとって役に立つ変化か、困る変化かという点にあります。
農林水産省も、発酵と腐敗はいずれも食品に微生物が増えることで起こる変化であり、人にとって有害かどうか、安全性が保たれているかが大切だと説明しています。
発酵とは何か?
発酵とは、微生物の働きによって食べ物の成分が変わり、人にとってうれしい変化が起こることです。
たとえば、
- おいしくなる
- 保存しやすくなる
- 香りが変わる
- 食感が変わる
- 栄養を取り入れやすくなる
といった変化があります。
身近な発酵食品には、納豆、ヨーグルト、味噌、しょうゆ、パン、チーズなどがあります。
腐るとは何か?
腐ること、つまり腐敗も、微生物の働きによって起こります。
ただし腐敗の場合は、人にとって困る変化です。
たとえば、
- 食べるとお腹をこわす可能性がある
- 強い悪臭が出る
- ぬめりやカビが出る
- 食品として安全ではなくなる
といった状態です。
つまり、微生物が働いているという意味では発酵と似ていますが、人が安全に食べられるかどうかが大きな分かれ目です。
発酵と腐敗の違いを子ども向けに言うなら
子どもに説明するなら、こう言うと分かりやすいです。
発酵は、人にとってうれしい変化。
腐敗は、人にとって困る変化。
どちらも小さな微生物が関わっています。
ただ、その結果が「おいしい」「安全」「役に立つ」なら発酵、
「危ない」「食べられない」「体に悪い」なら腐敗と考えます。
納豆では何が起きている?
では納豆を例に発酵の原理を考えていきましょう。
納豆は、大豆に納豆菌が働いてできる発酵食品です。
大豆を煮ただけでは、普通の煮豆です。
そこに納豆菌が増えることで、
- ネバネバする
- 独特の香りが出る
- うま味が増える
- 納豆らしい食感になる
という変化が起こります。
納豆菌は枯草菌の一種で、土や稲わら、空気中など身近な場所に存在しています。
納豆が持つナットウキナーゼという酵素が血液をサラサラにすることで健康にいいと言われています。
納豆の成り立ちには「稲わら」が関係している
納豆の起源にはいくつかの説があり、はっきり一つに決まっているわけではありません。
よく知られている考え方の一つに、煮た大豆が稲わらに包まれ、そこにいた納豆菌によって発酵したという説があります。
昔の暮らしでは、稲わらは身近な道具でした。
稲わらには納豆菌がついていることがあり、あたたかく湿った環境では納豆菌が増えやすくなります。
主な説としては、
弥生時代の住居には稲わらがあり、煮豆が稲わらと出会って発酵し、糸を引く納豆ができた可能性がある。
武将が馬の飼料である大豆を藁に包んで運んでいたところ発酵して納豆が広まったなどがあります。
つまり納豆は、
人が最初から細かく設計して作ったというより、自然の中の微生物の働きを、昔の人が食文化として受け継いできたものとも言えます。
なぜ納豆は腐っているわけではないの?
納豆はにおいも強く、ネバネバもあります。
そのため、子どもからすると、
「これって腐っているの?」と思うかもしれません。
でも納豆は、納豆菌が安全な形で大豆を変化させた食品です。
ナットウキナーゼという酵素が血液をサラサラにする効果があるなど人体に良い影響があります。
きちんと作られ、保存された納豆は、発酵食品として食べられます。
一方で、納豆でも保存状態が悪かったり、異常なにおいがしたり、カビが出たりしていれば安全とは言えません。
ここで大切なのは、発酵食品だから何でも安全ではないということです。
発酵も、正しい条件で起きているから食べ物として成り立っています。
発酵と腐敗の境目は意外とむずかしい
発酵と腐敗は、微生物の名前だけで完全に分けられるわけではありません。
同じように微生物が働いていても、
人にとって安全で役立つなら発酵、有害で食べられないなら腐敗というように、人間側の受け取り方も関わっています。
たとえば、ある地域では好まれる強いにおいの発酵食品が、別の人には「腐っているように感じる」こともあります。
つまり発酵は、科学だけでなく、文化や食習慣とも関係しているのです。
子どもに伝えたいポイント
発酵と腐敗の違いを学ぶときに大切なのは、次の3つです。
1つ目は、どちらも微生物が関わっていること。
発酵も腐敗も、目に見えない小さな生き物の働きで起こります。
2つ目は、人にとって役に立つかどうかが違うこと。
おいしく、安全に食べられる変化なら発酵。
危険で食べられない変化なら腐敗です。
3つ目は、自然の力には良い面も注意点もあること。
納豆のようにおいしい食品を生み出すこともあれば、食中毒につながることもあります。
中京区・烏丸御池で“考える力”を育てたい方へ
発酵と腐敗の違いは、理科の知識だけではありません。
「同じ微生物の働きなのに、なぜ片方は食べ物になり、もう片方は危ないのか」
こうした問いは、子どもたちの考える力につながります。
アイデア数理塾では、算数・数学だけでなく、身近な疑問を通して、
「なぜそうなるのか」
「どう違うのか」
「どこを見れば判断できるのか」
を考える姿勢も大切にしています。
まとめ 発酵と腐敗は「微生物の働きの結果」が違う
発酵と腐敗は、どちらも微生物が食べ物を変化させる現象です。
ただし、
発酵は、人にとって役に立つ安全な変化。
腐敗は、人にとって困る危険な変化。
と考えると分かりやすくなります。
納豆は、納豆菌が大豆を発酵させることでできた食品です。
その背景には、稲わらと大豆、そして微生物の働きを昔の人が活かしてきた歴史があります。
身近な納豆から、微生物や食べ物の不思議を考えてみると、理科が少し面白く感じられるかもしれません。
京の算数学 解答#1432




