京の算数学問題#1485

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算数学コラム
「宿題はできている」
「テストもそこまで悪くない」
「本人も“分かった”と言っている」
それなのに、少し時間がたつと同じ問題で間違える。
問題の形が変わると解けない。
前に習ったはずの内容を忘れている。
小学生の勉強では、このような「できたつもり」がよく起こります。
一見できているように見えるため、保護者も本人も見落としやすいのですが、実はここが一番危ないところです。
本当に理解できているのではなく、その場ではできたけれど、自分の力として使えるところまで定着していないことがあるからです。
「できたつもり」とはどういう状態?
「できたつもり」とは、まったく分かっていない状態ではありません。
むしろ、その場ではある程度できています。
- 先生の説明を聞いたら分かる
- 解説を見たら納得できる
- 例題と同じ形なら解ける
- 宿題では丸がつく
- 親が横で見ていれば進められる
- 答えを見れば「ああ、そうだった」と思う
という状態です。
ただし、自分一人で、何も見ずに、少し形が変わった問題を解こうとすると止まってしまいます。
これが「できたつもり」です。
「分かる」と「自分でできる」の間には、思った以上に距離があります。
なぜ「できたつもり」は見落とされやすいのか
「できたつもり」が危ないのは、表面上は大きな問題に見えにくいからです。
宿題は提出できている。
ノートも書いている。
テストでも一部は正解している。
本人も「分かった」と言っている。
この状態だと、保護者様も「大丈夫そう」と感じやすくなります。
しかし、よく見ると、
- 解き方を説明できない
- 似た問題しか解けない
- 時間がたつと忘れる
- 間違えた理由を言えない
- 少し応用になると手が止まる
というサインが出ていることがあります。
点数や丸の数だけでは、理解の深さまでは見えません。
「できたつもり」が起こりやすい場面
①解説を見て分かったとき
解説を読むと、考え方の流れがきれいに書かれています。
「なるほど」
「分かった」
「自分でもできそう」
と感じやすくなります。
しかし、解説を閉じてもう一度解いてみると、最初の一歩が出てこないことがあります。
これは、理解していないというより、自分で考え方を取り出す練習が足りていない状態だと言えます。
解説を読んで終わりではなく、答えを閉じて自分で解き直すことが大切です。
②例題と同じ形だけ解けるとき
例題とほとんど同じ問題なら解ける。
でも、数字や聞かれ方が少し変わると止まる。
これも「できたつもり」のサインです。
たとえば、割合の問題で、
「500円の20%はいくらですか」
は解けても、
「20%引きで400円になりました。もとの値段はいくらですか」
になると分からなくなる場合があります。
公式を覚えていても、
- 何をもとにするのか
- 何を求めているのか
- 数量がどうつながっているのか
が分かっていなければ、問題の形が変わったときに対応できません。
③親や先生が横にいると解けるとき
大人が横にいると解けるのに、一人になるとできないことがあります。
これは、大人が無意識にヒントを出しているからかもしれません。
「ここを見て」
「これは前にやったよね」
「次は何をするんだった?」
「この数字を使うんじゃない?」
こうした声かけがあると、子どもは進めます。
しかし、テストではそのヒントがありません。
横にいると解ける問題は、本当に一人で解けるかを確認する必要があります。
④丸つけで正解だけ見ているとき
宿題で丸が多いと、理解できているように見えます。
ただ、丸がついていても、
- たまたま答えが合った
- やり方を覚えていただけ
- 計算だけで何となく解いた
- 途中式がなく考え方が見えない
- なぜその式になるか説明できない
ということがあります。
丸がついている問題でも、1問だけでよいので、
「どう考えたの?」
「なぜこの式にしたの?」
と聞いてみると、理解の深さが見えやすくなります。
特に小学生の場合単元テストや計算ドリルは基礎問題が中心に構成されさらに1問1答形式が多いので、比較的丸がつきやすいです。
中学のテストでいきなりつまづくのがこのケース。
どれぐらいの理解度なのか?を確認するのが私たちの仕事の1つです。
⑤テスト直しをしていないとき
テストで間違えた問題をそのままにしていると、「できたつもり」が残りやすくなります。
「これはケアレスミス」
「本当は分かっていた」
「次はできる」
と思っているかもしれません。
しかし、もう一度解いてみると、やはり同じところで止まることがあります。
「本当はできた」で終わらせず、答えを見ずに解き直せるかを確認することが大切です。
「できたつもり」のサイン
次のような様子がある場合、理解不足が隠れているかもしれません。
- 「分かった」と言うが説明できない
- 解説を見たら分かるが、自分では解けない
- 例題と同じ問題しか解けない
- 少し文章が変わると止まる
- 答えだけを書いて途中式がない
- 丸つけ後に解き直しをしない
- 間違えた理由を言えない
- テスト後に同じ問題をもう一度解けない
- 数日後に同じ単元を忘れている
- 問題文の数字だけを見て式を作っている
これらは、子どもが怠けているということではありません。
理解を自分で使えるところまで整理できていない可能性があります。
本当に理解している子は何が違う?
本当に理解している子は、答えを覚えているだけではありません。
次のようなことができます。
①自分の言葉で説明できる
「なぜこの式にしたの?」
「この数字は何を表しているの?」
「どうしてこの答えになるの?」
と聞かれたときに、完璧でなくても自分の言葉で説明できます。
説明できるということは、頭の中で考え方が整理されているということです。
②少し形が変わっても考えられる
数字が変わったり、聞かれ方が変わったりしても、
「前の問題と同じ考え方が使えそう」
「これは一つ分を求める問題だ」
「もとにする量を見ればよさそう」
と考えられます。
問題を丸暗記しているのではなく、考え方を使えている状態です。
③間違えた理由を見られる
本当に理解が深まっている子は、間違えたときに、
「計算ミスだった」
「問題文の最後を見落とした」
「式の作り方が違った」
「単位をそろえていなかった」
と原因を見ようとします。
間違いをただのバツで終わらせず、次に活かせる材料として扱えます。
④数日後にも解ける
その日にできることと、時間がたってもできることは違います。
本当に定着しているかを見るには、翌日や数日後にもう一度解いてみることが大切です。
時間を置いても解けるなら、自分の力として定着し始めています。
家庭でできる「できたつもり」の確認方法
①答えを閉じてもう一度解く
解説を見て分かったあと、答えを閉じてもう一度解いてみます。
このときに自分で最初から解けるかを見ます。
途中で止まったら、
- 最初の一歩が分からない
- 式の意味が分かっていない
- 計算手順が不安定
- 問題文の読み取りがあいまい
など、止まった場所を確認します。
②「どう考えた?」と1問だけ聞く
すべての問題で説明を求める必要はありません。
それをすると、子どもにとって負担になります。
おすすめは、1問だけ聞くことです。
「この問題だけ、どう考えたか教えて」
「なぜこの式にしたの?」
「この数字は何を表している?」
答えが合っている問題で聞くと、子どもも話しやすくなります。
③間違えた理由を一緒に分ける
バツがついた問題は、原因を分けます。
- 計算ミス
- 問題文の読み間違い
- 式の作り方
- 単位ミス
- 途中式不足
- 解き方を覚えていない
- そもそも意味が分かっていない
原因が分かると、次に何を練習すればよいかが見えます。
「間違えた」で終わらせないことが大切です。
「できたつもり」を防ぐ勉強法
①丸つけはすぐにする
丸つけを後回しにすると、どう考えたかを忘れてしまいます。
解いた直後に丸つけをすると、
「どこで間違えたか」
「なぜその答えにしたか」
を振り返りやすくなります。
丸つけは、正解確認ではなく理解確認の時間です。
②途中式や考えた跡を残す
答えだけを書いていると、理解不足に気づきにくくなります。
途中式や図、メモがあると、
- どこまで分かっているか
- どこでずれたか
- 次に何を直すか
が見えやすくなります。
ノートはきれいに見せるためだけではなく、考えた跡を残すためのものです。
③似た問題を続けて終わらせない
同じ形の問題ばかりを続けて解くと、できた気になりやすいです。
同じ問題形式なら、考え方を深く理解していなくても、手順で解けることがあります。
少し時間を置く。
数字を変える。
聞かれ方を変える。
前に戻って解く。
こうした練習を入れることで、本当に理解できているかが見えます。
④子どもに説明してもらう
説明することは、理解を深めるためにとても大切です。
「先生みたいに説明して」と言うと負担が大きいので、最初は短くて構いません。
「まず何を見た?」
「この式の意味は?」
「答えの単位は?」
「次に同じ問題が出たら何を見る?」
このくらいで十分です。
説明できるようになると、分かったつもりで終わりにくくなります。
小学生のうちに「できたつもり」を減らす意味
小学生の学習は、中学校以降の土台になります。
小学校で「できたつもり」のまま進むと、中学校に入ってから、
- 分数で止まる
- 文字式で計算ミスが増える
- 方程式の文章題が解けない
- 関数で数量関係を見られない
- テスト直しができない
という形で表れることがあります。
中学数学が急に難しくなったように見えても、実は小学生のころの理解不足が残っていることがあります。
だからこそ、小学生のうちに、
「丸だったから大丈夫」
「分かったと言っているから大丈夫」で終わらせないことが大切です。
アイデア数理塾が大切にしていること
アイデア数理塾では、子どもが「分かった」と言っただけで、理解できたとは判断しません。
大切にしているのは、
- 自分で最初の一歩を決められるか
- なぜその式になるか説明できるか
- 少し形が変わっても考えられるか
- 間違えた理由を振り返れるか
- 答えを見ずに解き直せるか
という部分です。
小学生の算数でも、中学生の数学でも、答えが合っているかだけでなく、考え方を見ます。
京都市中京区・烏丸御池周辺で、算数や数学の「分かったはずなのに解けない」「宿題はできるのにテストで取れない」といった悩みがある方は、まず「できたつもり」になっている部分がないかを確認してみることが大切です。
まとめ 「できたつもり」は、理解不足のサインかもしれない
小学生の勉強で見落としがちなのが、「できたつもり」です。
その場ではできる。
解説を見れば分かる。
例題と同じなら解ける。
でも、一人で解く、説明する、少し形が変わる、時間を置くとできない。
この状態は、理解ができていないサインかもしれません。
大切なのは、
- 答えを閉じてもう一度解く
- どう考えたか説明する
- 数字を変えた問題を解く
- 数日後に解き直す
- 間違えた理由を見る
「できた」で終わらせず、本当に自分で使える理解になっているかを見る。
その習慣が、小学生の算数の土台を強くし、中学校以降の学習にもつながります。
京の算数学 解答#1485





