数学コラムの目次
- 1 京の算数学問題#1493
- 2 アイデア数理塾はこちら
- 3 算数学コラム
- 3.1 分数が苦手な子は、計算で困っているように見える
- 3.2 数学と、塾で見る算数のつまずきは少し違う
- 3.3 分数で最初につまずくのは「等しく分ける」こと
- 3.4 「分母」と「分子」をただの上下の数字だと思っている
- 3.5 「分母が大きい方が大きい」と思ってしまう理由
- 3.6 分数で本当に大切なのは「1」が何かを考えること
- 3.7 図では分かるのに、数字だけになると分からない
- 3.8 分数のたし算で分母を足してしまう子の背景
- 3.9 通分が苦手な子も、実は「大きさをそろえる」が分かっていない
- 3.10 約分は「小さくすること」ではなく「同じ大きさで表し直すこと」
- 3.11 分数が苦手な子に多いサイン
- 3.12 家庭で確認したいこと
- 3.13 分数を教えるときに避けたいこと
- 3.14 分数が分かると、割合・比・中学数学につながる
- 3.15 塾の先生として大切にしている見方
- 3.16 アイデア数理塾が大切にしていること
- 3.17 まとめ 分数が苦手な子は、割り算より先に「1を分ける感覚」でつまずいている
- 4 京の算数学 解答#1493
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京の算数学問題#1493

アイデア数理塾はこちら
算数学コラム
「分数になると急に分からなくなる」
「分数のたし算・ひき算で毎回止まる」
「わり算はできるのに、分数になると混乱する」
小学生の算数で、分数に苦手意識を持つ子は少なくありません。
保護者の方からも、
「分数はわり算と関係しているんですよね?」
「わり算が苦手だから分数も苦手なのでしょうか?」
「通分や約分をもっと練習すればいいですか?」
と相談されることがあります。
もちろん、分数とわり算は関係があります。
分数の計算では、約分や通分、かけ算・わり算の力も必要です。
ただ、塾で子どもたちを見ていると、分数が苦手な子は、わり算より前の段階でつまずいていることが多いです。
それは、「1を等しく分ける感覚」と「分数が何を表しているか」です。
分数が苦手な子は、計算方法を覚える前に、分数そのものの意味がわかっていないことがあります。
分数が苦手な子は、計算で困っているように見える
分数が苦手な子を見ると、表面上は計算で困っているように見えます。
- 分母同士をそのまま足してしまう
- 通分の意味が分からない
- 約分を忘れる
- 帯分数と仮分数で混乱する
- 分数の大小が分からない
- 分数の文章題になると式が作れない
こうした様子を見ると、
「計算練習が足りないのかな」
「通分をもっと覚えればいいのかな」
と思うかもしれません。
しかし、実際にはその前に、分数の意味があいまいなことがあります。
つまり、子どもは「計算ができない」のではなく、
何を計算しているのかがわからない状態になっていることがあります。
数学と、塾で見る算数のつまずきは少し違う
分数は、数学的にはとても大切な考え方です。
数の世界を広げるものでもあり、割合や比、中学数学にもつながります。
大学の先生が分数を語るときは、数学としての正しさや体系が中心になることが多いかもしれません。
一方で、塾の先生として子どもたちを見ていると、もっと手前のところでつまづいている場面に出会います。
- ピザを4等分した絵は分かるが「4分の3」がどの部分か迷う
- 2分の1と3分の1で、どちらが大きいか分からない
- 分母が大きい方が大きいと思ってしまう
- 「1」が何を指しているか分からない
- 図では分かるのに、数字だけになるとイメージできない
こうしたつまずきは、公式を教えるだけでは見えにくい部分です。
塾の現場で大切なのは、子どもがどの単元を習ったかではありません。
その子が、どの場面で手を止めているかを見ることです。
分数で最初につまずくのは「等しく分ける」こと
分数の基本は、1つのものを等しく分けることです。
たとえば、1枚のピザを4つに同じ大きさに分けたうちの1つが、4分の1です。
ここで大切なのは、ただ分ければよいのではなく、同じ大きさに分けるということです。
分数が苦手な子の中には、この「等しく」があいまいな子がいます。
たとえば、丸を4つに分けた図を見て、線が入っていれば全部「4分の1」と考えてしまうことがあります。
でも、4つに分かれていても、大きさがバラバラなら、それぞれを4分の1とは言えません。
分数は、ただ分ける話ではありません。
同じ大きさに分けたうちのいくつ分なのかを見る考え方です。
ここが分からないまま進むと、分数の意味があいまいになります。
「分母」と「分子」をただの上下の数字だと思っている
分数が苦手な子は、分母と分子を「上下にある数字」として覚えていることがあります。
たとえば、4分の3なら、
- 下が4
- 上が3
という見方です。
もちろん、書き方としては間違っていません。
でも、それだけだと意味が見えていません。
4分の3は、
1を4つに等しく分けたうちの3つ分
です。
分母の4は、「1を何等分したか」。
分子の3は、「そのうち何個分か」。
この意味が分かっていないと、分数はただの記号になってしまいます。
記号として覚えているだけでは、分数の大小や計算で混乱しやすくなります。
あまり理解していない生徒は3分の4と読まずに4の3や上が3など分子から読む傾向があります。
その場合は言い方から矯正するのが大切です。
「分母が大きい方が大きい」と思ってしまう理由
分数が苦手な子によくある間違いが、
「3分の1より5分の1の方が大きい」と考えてしまうことです。
整数では、3より5の方が大きいです。
その感覚のまま分数を見ると、5分の1の方が大きく見えてしまいます。
でも、実際には違います。
1つのものを3つに分けた1つ分と、5つに分けた1つ分では、3つに分けた方が1つ分は大きくなります。
つまり、
3分の1の方が、5分の1より大きいということです。
ここで大切なのは、数字の大小だけを見るのではなく、
1をどれくらい細かく分けているかを考えることです。
分母が大きくなるほど、1つ分は小さくなる。
この感覚がないと、分数の大小でつまずきやすくなります。
分数で本当に大切なのは「1」が何かを考えること
分数で特に大切なのが、もとになる1です。
同じ2分の1でも、もとの大きさが変われば、実際の量は変わります。
- 小さいピザの2分の1
- 大きいピザの2分の1
どちらも2分の1です。
でも、食べる量は同じではありません。
これは、もとになる1が違うからです。
分数が苦手な子は、この「1」が何かを見落としやすいです。
文章題でも、
「何を1としているのか」
「何をもとにしているのか」
が分からないと、式を作ることが難しくなります。
割合や比でつまずく子も、実はこの「もとになる1」の感覚が弱いことがあります。
図では分かるのに、数字だけになると分からない
分数が苦手な子の中には、図を見れば分かる子もいます。
ピザやテープ図なら、4分の3を指せる。
色がついていれば、何分のいくつか分かる。
でも、数字だけで、
3/4
2/5
5/6
と書かれると、急に分からなくなる。
これは、図と数字がつながっていない状態です。
分数は、図で理解することも大切です。
ただし、図だけで終わらせず、数字の意味と結びつける必要があります。
「4つに分けたうちの3つ分だから、4分の3」
「5つに分けたうちの2つ分だから、5分の2」
このように、図と言葉と数字をつなげることが大切です。
分数のたし算で分母を足してしまう子の背景
分数のたし算で、
1/3 + 1/3 = 2/6
のように、分母同士も足してしまう子がいます。
この間違いを見ると、
「ルールを覚えていない」と思うかもしれません。
でも、背景には分母の意味が分かっていないことがあります。
3分の1は、1を3つに分けたうちの1つ分です。
同じ3分の1が2つ集まると、3つに分けたうちの2つ分なので、3分の2になります。
つまり、1/3 + 1/3 = 2/3です。
ここで分母の3は、「1を3つに分けた」という意味です。
だから、同じ分け方をしているなら、分母は変わりません。
分母を足してしまう子は、分母を「分け方」として見られていないことがあります。
通分が苦手な子も、実は「大きさをそろえる」が分かっていない
分数のたし算・ひき算で出てくる通分。
ここで苦手になる子も多いです。
たとえば、1/2 + 1/3を計算するとき、分母をそろえる必要があります。
これは、違う大きさの1つ分を、同じ大きさにそろえるということです。
2分の1と3分の1は、1つ分の大きさが違います。
違う大きさのままでは、そのまま足しにくいです。
だから、6分の3と6分の2にして、同じ「6分の1」をもとにして考えます。
通分は、ただ最小公倍数を使う作業ではありません。
分け方をそろえて、同じ大きさの単位にすることです。
ここが分からないと、通分はただの面倒なルールになります。
約分は「小さくすること」ではなく「同じ大きさで表し直すこと」
約分も、分数が苦手な子が混乱しやすいところです。
たとえば、4/8 = 1/2です。
ここで大切なのは、4/8が1/2より小さくなったわけではないということです。
表し方が変わっただけで、大きさは同じです。
8つに分けたうちの4つ分。
2つに分けたうちの1つ分。
どちらも全体の半分です。
約分は、分数の大きさを変えることではありません。
同じ大きさを、分かりやすい形で表し直すことです。
この感覚がないと、約分をただの計算手順として覚えることになり、応用で使いにくくなります。
分数が苦手な子に多いサイン
塾で見ていると、分数が苦手な子にはいくつかの共通するサインがあります。
- 分母が大きい方が大きいと思う
- 分母と分子の意味を説明できない
- 図を見れば分かるが、数字だけだとできない
- 分数のたし算で分母も足してしまう
- 分数を読む時に○分の▲と分母から先に読まない
- 約分すると大きさが変わると思っている
- 帯分数と仮分数の変換で混乱する
- 文章題になると、何を1とするか分からない
- 割合や比でも同じようにつまずく
これらは、子どもが不真面目だから起こるわけではありません。
分数の意味を、十分に自分の中で整理できていないだけかもしれません。
家庭で確認したいこと
①「4分の3ってどういう意味?」と聞いてみる
まずは、分数の意味を言葉にできるか確認します。
「4分の3って何?」と聞いたときに、
「4つに分けたうちの3つ」
と言えれば、基本の意味は見えています。
もし答えに詰まる場合は、計算練習より先に、分数の意味に戻った方がよいかもしれません。
②図に色をぬってもらう
たとえば、丸や長方形を4つに等しく分けて、4分の3に色をぬってもらいます。
このときに見たいのは、
- 等しく分けられているか
- 3つ分を選べるか
- 分母と分子の意味を分かっているか
です。
図にできると、分数のイメージが持ちやすくなります。
③2分の1と3分の1を比べる
「2分の1と3分の1、どちらが大きい?」
この質問は、分数の感覚を見るのに役立ちます。
もし「3の方が大きいから3分の1」と答える場合は、分母の意味があいまいかもしれません。
実際に紙を2等分、3等分して比べると、理解しやすくなります。
④「1」は何かを聞く
分数の文章題では、必ず「1」があります。
たとえば、
「1mのテープの3分の2」
「1Lのジュースの4分の1」
「1枚のピザの2分の1」
このとき、
「何を1としているの?」と聞いてみます。
分数が苦手な子は、この質問でかたまります。
でも、ここが分かると、文章題の意味が見えやすくなります。
⑤計算の前に、答えの大きさを予想する
分数の計算では、いきなり計算する前に、答えがどれくらいになりそうか考えることも大切です。
1/2 + 1/3なら、答えは1より小さいのか、大きいのか。
1/2よりは大きくなるのか。
このように予想してから計算すると、明らかなミスに気づきやすくなります。
分数は、手順だけでなく大きさの感覚が大切です。
分数を教えるときに避けたいこと
①いきなり通分・約分を反復させる
通分や約分の練習は必要です。
ただし、意味が分からないまま反復しても、作業だけになりやすいです。
まずは、
「なぜ分母をそろえるのか」
「約分してもなぜ大きさが変わらないのか」を確認したいところです。
②「前に習ったでしょ」と言う
分数は、一度習っただけで完全に理解できる単元ではありません。
学年が上がるにつれて、何度も形を変えて出てきます。
「前に習ったでしょ」ではなく、
「どこから分からなくなったか見てみよう」と振り返る方が、子どもは安心して考えられます。
③計算ミスだけを見る
分数の間違いは、計算ミスに見えることがあります。
でも、背景には、
- 分数の意味が分からない
- 分母の意味があいまい
- 1の見方が弱い
- 大きさの感覚がない
- 通分の意味が分からない
ことがあります。
答えが合っているかだけでなく、どこで考え方がずれているかを見ることが大切です。
④できないと決めつける
分数でつまずくと、子ども自身が
「自分は算数が苦手」と思いやすくなります。
でも、分数ができないのは、能力の問題とは限りません。
分数の入口である「1を等しく分ける」「何を1とするか」「何個分か」という感覚がまだ育っていないだけかもしれません。
そこに戻れば、理解が進むことがあります。
分数が分かると、割合・比・中学数学につながる
分数は、小学校だけで終わる単元ではありません。
この先の学習にも大きく関係します。
- 小数
- 割合
- 比
- 速さ
- 単位量あたり
- 中学数学の文字式
- 方程式
- 関数
- 理科の計算
特に、割合や比は、分数の感覚が弱いとつまずきやすくなります。
「全体のうちのどれくらいか」
「何をもとにしているか」
「同じ大きさとして比べられるか」
これらは、分数と深くつながっています。
だからこそ、分数が苦手なまま進めるのではなく、早めに意味に戻って確認することが大切です。
塾の先生として大切にしている見方
塾で分数を見るとき、私はまず計算方法だけを見ません。
その子が、
- 分数を図で表せるか
- 分母と分子の意味を言えるか
- 2分の1と3分の1の大きさを比べられるか
- 何を1としているか分かるか
- 通分や約分を作業ではなく意味として見られるか
- 文章題で分数が何を表しているか考えられるか
を見ます。
分数が苦手な子に必要なのは、難しい説明ではありません。
その子が実際に止まっている場所を見つけ、必要なところまで戻ることです。
これは、教科書の順番をただ進めるだけでは見えにくい部分です。
子どものノート、手の止まり方、答えの選び方、説明の仕方を見ることで、つまずきの場所が見えてきます。
アイデア数理塾が大切にしていること
アイデア数理塾では、分数をただ計算手順として教えるのではなく、意味から理解することを大切にしています。
分数が苦手な子には、いきなり通分や約分を反復させるのではなく、
- 1を等しく分ける
- 分母と分子の意味を確認する
- 図と言葉と数字をつなげる
- 何を1としているかを見る
- 分数の大きさをイメージする
- 計算の前に意味を考える
ところから確認します。
京都市中京区・烏丸御池周辺で、小学生の算数や分数に不安がある方は、「計算ができない」と決めつける前に、分数の入口でどこにつまずいているかを見てみることが大切です。
分数は、算数の大きな山の一つです。
でも、意味に戻れば少しずつ理解できる単元でもあります。
まとめ 分数が苦手な子は、割り算より先に「1を分ける感覚」でつまずいている
分数が苦手な子は、わり算が苦手だから分数ができないとは限りません。
その前に、
- 1を等しく分けること
- 分母と分子の意味
- 分母が大きいほど1つ分が小さくなる感覚
- 何を1としているか
- 図と言葉と数字のつながり
- 通分や約分の意味
でつまずいていることがあります。
分数は、公式や手順だけで乗り越える単元ではありません。
「何を分けているのか」
「何個分を見ているのか」
「何を1としているのか」
ここを理解することで、分数の計算や文章題にもつながっていきます。
分数で止まっている子に必要なのは、もっと速く計算することではなく、まず分数の意味に戻ることです。
その子がどこで止まっているかを見つけること。
そこから、算数の理解は少しずつ立て直すことができます。
京の算数学 解答#1493





