京の算数学問題#1539

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算数学コラム
植物は、根から吸収した水をすべて体内にためているわけではありません。
吸収した水の多くは葉まで運ばれ、気孔から水蒸気として外へ出ていきます。この現象が蒸散です。
蒸散の単元では、用語だけでなく、
- 葉の表や裏にワセリンを塗る理由
- 試験管の水面に油を浮かべる理由
- 3本の試験管を同じ条件にする理由
- 水の減少量から葉の表・裏の蒸散量を求める方法
がよく出題されます。
この記事では、蒸散の基本から実験問題の計算まで、順番に整理します。
蒸散は、おもに気孔から水蒸気が出る現象
蒸散とは、植物の体内の水が、水蒸気となって体外へ放出される現象です。
蒸散は、おもに葉の表皮にある気孔を通して行われます。
多くの陸上植物では、気孔は葉の表側より裏側に多いため、一般に葉の裏側からの蒸散量が多くなります。

蒸散はどのように起こる?
根毛から吸収された水は、根や茎の道管を通って葉へ運ばれます。
葉に届いた水の一部は光合成などに使われますが、多くは葉の内部で水蒸気となり、気孔から空気中へ出ていきます。
水の流れは、次のように表せます。
土の中の水 → 根毛 → 根の道管 → 茎の道管 → 葉 → 気孔から水蒸気
気孔を囲む2つの孔辺細胞が形を変えることで、気孔は開いたり閉じたりします。
これによって、水蒸気や気体の出入りが調節されます。
蒸散にはどんな役割がある?
1.根からの水の吸収をさかんにする
葉から水が失われると、その分を補うように根から水が吸収されます。
2.水や水に溶けた養分を運ぶ
蒸散によって水の移動が続くと、根から吸収した水や水に溶けた養分が、道管を通って茎や葉へ運ばれやすくなります。
3.葉の温度が上がりすぎるのを防ぐ
水が水蒸気になるときには熱が使われます。そのため、蒸散には葉の温度上昇を抑える働きもあります。
中学理科のテストでは、特に「根からの水の吸収や、植物体内の水の移動をさかんにする」という点が重要です。
蒸散の実験 3本の枝をどう比べる?
蒸散量を調べる代表的な実験では、葉の大きさや枚数がほぼ同じ枝を3本用意します。
それぞれを同じ量の水が入った試験管にさし、葉にワセリンを塗ります。
| 枝 | ワセリンを塗る場所 | 測定される水の減少量 |
|---|---|---|
| A | 葉の表 | 葉の裏+葉以外からの蒸散 |
| B | 葉の裏 | 葉の表+葉以外からの蒸散 |
| C | 葉の表と裏 | 葉以外からの蒸散 |
ワセリンを塗った面では気孔がふさがれ、水蒸気が出にくくなります。
したがって、ワセリンを塗っていない部分からの蒸散量が、水の減少量として表れます。
A・B・Cが表す量を式にする
葉の表からの蒸散量を「表」、葉の裏からの量を「裏」、茎など葉以外からの量を「葉以外」とします。
すると、
A=裏+葉以外
B=表+葉以外
C=葉以外
となります。
ここで最も大切なのは、ワセリンを塗った面ではなく、塗っていない面から蒸散することです。
Aは葉の表をふさいでいるため、測っているのは葉の裏からの蒸散を中心とした量です。
引き算で蒸散量を求める方法
Cは葉の表と裏を両方ふさいでいるため、葉以外からの蒸散量を表します。
そこで、AやBからCを引けば、葉以外の分を取り除けます。
葉の裏からの蒸散量
A-C
葉の表からの蒸散量
B-C
葉全体からの蒸散量
(A-C)+(B-C)=A+B-2C
植物全体からの蒸散量
葉全体に葉以外の分を1回加えるので、A+B-Cです。
「葉全体」と「植物全体」では式が違うため、問題文をよく読みましょう。
計算例
水の減少量が次のようになったとします。
- A:0.80 g
- B:0.20 g
- C:0.10 g
葉の裏
0.80-0.10=0.70 g
葉の表
0.20-0.10=0.10 g
葉全体
0.80+0.20-2×0.10=0.80 g
植物全体
0.80+0.20-0.10=0.90 g
葉の裏からの量が表より多いことから、気孔は葉の裏側に多いと考えられます。
試験管の水面に油を浮かべる理由
試験管の水面には、少量の油を浮かべます。
目的は、試験管の水面から水が直接蒸発するのを防ぐことです。
もし油がなければ、水の減少量には、
- 植物が吸い上げた水
- 水面から直接蒸発した水
の両方が含まれてしまいます。
油で水面をおおうことで、水の減少量を植物の蒸散によるものとして考えやすくなります。
実験条件をそろえる理由
A・B・Cでは、調べたい条件である「ワセリンを塗る面」以外を同じにします。
そろえる条件の例は、
- 葉の枚数や大きさ
- 枝の種類や大きさ
- 水の量
- 実験時間
- 光の強さ
- 温度
- 風の当たり方
です。
調べたい条件以外を同じにして比べる実験を対照実験といいます。
蒸散がさかんになる条件
一般に、次のようなときは蒸散がさかんになります。
- 光がよく当たる
- 気温が高い
- 風がある
- 空気が乾燥している
反対に、暗い・気温が低い・風が弱い・湿度が高いときは、蒸散量が小さくなりやすくなります。
ただし実験で条件を比べるときは、一度に変える条件を1つにします。
定期テストでよくある間違い
間違い1|Aは葉の表からの蒸散量を測る
Aは葉の表にワセリンを塗っています。表はふさがれているため、測るのは裏+葉以外です。
間違い2|Cでは蒸散がまったく起こらない
Cは葉の表裏をふさいでいますが、茎など葉以外からも少量の蒸散が起こります。
間違い3|葉の裏からの蒸散量はAそのもの
Aには葉以外からの量も含まれます。正しくはA-Cです。
間違い4|油は植物に水を吸わせないため
油は、水面からの直接の蒸発を防ぐために浮かべます。枝は水を吸い上げます。
間違い5|減った水はすべて光合成に使われた
吸い上げられた水の多くは、蒸散によって水蒸気として放出されます。
すぐできる確認問題
問題1
植物の体内の水が、水蒸気として体外へ出る現象を何といいますか。
答え:蒸散
問題2
蒸散はおもに葉のどのつくりから行われますか。
答え:気孔
問題3
葉の表にワセリンを塗ったAが表す量は何ですか。
答え:葉の裏+葉以外からの蒸散量
問題4
葉の裏からの蒸散量を、AとCを使って表しなさい。
答え:A-C
問題5
試験管の水面に油を浮かべるのはなぜですか。
答え:水面から水が直接蒸発するのを防ぐため。
問題6
葉の裏に気孔が多いとき、AとBではどちらの水の減少量が多くなりますか。
答え:A
まとめ
最後に、重要ポイントを確認しましょう。
- 蒸散は、植物体内の水が水蒸気として放出される現象
- 蒸散はおもに気孔から行われる
- 多くの植物では、葉の裏側に気孔が多い
- ワセリンを塗った面からは、水蒸気が出にくくなる
- A=裏+葉以外、B=表+葉以外、C=葉以外
- 葉の裏はA-C、葉の表はB-C
- 油は水面からの直接の蒸発を防ぐ
- 蒸散は根からの吸水や、水などの移動をさかんにする
実験問題では、まずA・B・Cを言葉の式にしてから計算しましょう。
ふさいだ面ではなく、開いている面から蒸散する
と考えるのが攻略のポイントです。
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定期テスト直前対策「中2理科|蒸散の実験」一問一答PDF(問題1ページ+解答1ページ)
京の算数学 解答#1539





