数学コラムの目次
京の算数学問題#1488

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算数学コラム
「宿題を始める時間を自分で決められない」
「何をするにも親の指示を待っている」
「言われたことはやるけれど、自分から動かない」
小学生のお子さまを見ていると、こうした様子が気になることがあります。
保護者としては、勉強も生活もきちんと進めてほしい。
だからこそ、つい先回りして声をかけたり、やることを決めたりしたくなると思います。
もちろん、小学生にすべてを任せる必要はありません。
まだ経験も少なく、時間の見通しや優先順位を考える力も育っている途中です。
ただし、小学生のうちから少しずつ、自分で決める経験を積むことはとても大切です。
なぜなら、自分で決める経験がある子は、勉強を「親にやらされるもの」ではなく、少しずつ「自分のこと」として考えられるようになるからです。
「自分で決める」とは、何でも自由にさせることではない
まず大切なのは、「自分で決める」と「何でも好きにさせる」は違うということです。
「宿題をするかしないか、自分で決めていいよ」
「何時までゲームをしても自由だよ」
「勉強しなくても本人の責任だから」
というのは、小学生には負担が大きすぎる場合があります。
本当に必要なのは、保護者が大きな枠を作ったうえで、その中の一部を子どもに任せることです。
「宿題は夕食までに終わらせよう。その中で、算数と漢字どちらから始める?」
「今日は計算を5問か10問、どちらにする?」
「間違い直しはこの中から1問選ぼう」
「勉強を始める時間は、5時と5時半ならどちらがよさそう?」
このように、選べる範囲を用意してあげることで、子どもは安心して自分で決める練習ができます。
自分で決める経験が必要な理由
①勉強が「やらされるもの」になりにくい
親がすべてを決めていると、子どもにとって勉強は「親に言われてやるもの」になりやすくなります。
「宿題しなさい」
「先に算数をやりなさい」
「この問題を解きなさい」
「間違い直しをしなさい」
もちろん、声かけが必要な場面はあります。
ただ、毎回すべてを指示されていると、子どもは自分で考える機会を失いやすくなります。
一方で、
「今日は何から始める?」
「どの問題を直す?」
「どこまでなら自分でできそう?」
と聞かれると、子どもは少し考えます。
この「自分で考えて決める」時間が、勉強を自分ごとにする第一歩になります。
②自分で始める力につながる
中学生になると、保護者がすべての宿題や提出物を管理するのは難しくなります。
部活動、定期テスト、学校ワーク、提出物、予定表など、子ども自身が把握しなければならないことが増えます。
そのときに必要なのが、自分で始める力です。
小学生のうちから、
- 何から始めるか決める
- いつ始めるか決める
- どこまでやるか決める
- 分からない問題を残しておく
- 明日の準備を確認する
といった経験をしている子は、中学生になってからも学習の流れを作りやすくなります。
反対に、ずっと親が決めてきた場合、急に「自分でやりなさい」と言われても、何から始めればよいか分からなくなることがあります。
③失敗したあとに考える力が育つ
自分で決めると、うまくいかないこともあります。
「5時から宿題をすると決めたのに始められなかった」
「少ない量を選んだのに終わらなかった」
「先に好きな教科をやったら、苦手な教科が残ってしまった」
こうした失敗は、悪いことではありません。
むしろ、自分で決めたからこそ、あとから振り返ることができます。
「どうして始められなかったのかな」
「次は時間を変えた方がよさそうかな」
「難しいものを先にした方がよかったかな」
「量が多すぎたかな」
このように、次の方法を考える力が育ちます。
大切なのは、失敗したときに責めることではありません。
一緒に振り返り、次の決め方を考えることです。
④自信につながる
自分で決めたことをやり切れた経験は、子どもの自信になります。
大人から見れば小さなことでも、
「自分で算数から始めると決めた」
「10分だけ集中すると決めてできた」
「間違い直しの問題を自分で選んだ」
「分からない問題に印をつけた」
という経験は、子どもにとって大切です。
「自分で決めてできた」
という感覚があると、次も少し動きやすくなります。
これは、ただ褒められることとは少し違います。
自分で選び、自分で動いたからこそ生まれる自信です。
私が塾で指導をしていても思うのが自信がある子ほど自分で物事を決めてやっていますし、
自信がついてくると自分でテキストを広げて自分自身でに次の範囲を進めていたりします。
⑤考える力が育つ
自分で決めるには、考える必要があります。
どちらから始めるか。
どれくらいの量ならできるか。
いつやると進めやすいか。
どの問題を直すべきか。
何を質問すればよいか。
これらはすべて、考える練習です。
算数や数学でも、ただ答えを出すだけでなく、
- 何を求めるのか
- どの情報を使うのか
- どの順番で考えるのか
- どこで間違えたのか
- 次に何を試すのか
を考える力が必要です。
日常の中で自分で決める経験は、学習面の「考える力」にもつながっていきます。
小学生に任せやすいこと
①宿題の順番
まず任せやすいのは、宿題の順番です。
「宿題をするかどうか」は家庭のルールとして決めておきます。
そのうえで、
「算数と漢字、どちらから始める?」
「音読と計算、どちらを先にする?」
「難しいものと簡単なもの、どちらからやる?」
と選ばせます。
順番を自分で決めるだけでも、やらされている感覚は少し減ります。
②勉強を始める時間
始める時間も、少しずつ決める練習ができます。
ただし、完全に自由にすると、夜遅くまで後回しになることがあります。
そのため、
「夕食までに終わらせよう。5時と5時半ならどちらがよさそう?」
「帰ってすぐ10分やる?おやつのあとにする?」
「今日は習い事があるから、どの時間ならできそう?」
と、選択肢を出してあげるとよいでしょう。
時間を決める経験は、将来の予定管理にもつながります。
③取り組む量
小学生には、量を自分で決める経験も大切です。
ただし、「好きなだけでいいよ」とすると、少なすぎたり多すぎたりすることがあります。
「計算は5問と10問、どちらにする?」
「文章題は1問だけにする?2問にする?」
「今日は10分だけやる?15分にする?」
というように、選べる範囲を用意します。
自分で決めた量をやり切ることが大切です。
④間違い直しの問題
間違い直しが苦手な子には、全部直すことを求めるより、まず1問選ばせるのがおすすめです。
「バツの中から、今日はどの1問を直す?」
「テスト前にもう一度やるなら、どれが大事そう?」
「計算ミスと文章題、どちらを見直す?」
自分で選ぶことで、間違い直しへの抵抗が少し下がります。
また、どの問題を直すべきか考えることは、自分のつまずきを見る練習にもなります。
⑤質問する内容
分からない問題があるときに、ただ「分からない」と言うだけでは、次に進みにくいことがあります。
そこで、質問する内容を少しずつ本人に考えさせます。
「問題文は分かったけれど、式が作れない」
「式は作れたけれど、計算で止まった」
「解説のこの行が分からない」
「なぜこの公式を使うのか分からない」
このように言えると、家庭でも塾でも学習が進みやすくなります。
質問の仕方を考えることも、自分で決める経験の一つです。
自分で決める経験が少ない子に見られやすいこと
自分で決める経験が少ない子は、次のような状態になりやすいことがあります。
- 親の指示がないと始められない
- 何からやるかで止まる
- 分からない問題があるとすぐ止まる
- 自分の苦手を説明できない
- 宿題を終わらせることだけが目的になる
- テスト前に何を見直せばよいか分からない
- 失敗するとすぐに諦める
- 自分で決める場面を嫌がる
これは、子どもがやる気がないということではありません。
単に、自分で決める練習をまだ十分にしていないだけかもしれません。
「決められない子」には理由がある
子どもが自分で決められないとき、保護者は心配になります。
でも、決められない背景には理由があります。
①失敗したくない
「自分で決めて間違えたらどうしよう」
「怒られたら嫌だ」
「正しい方を選ばないといけない」
と思っている子は、決めることに不安を感じます。
ストレートに言えば責任をとりたくないと言う気持ちです。
この場合は、どちらを選んでも大きな責任とならない小さな選択から始めます。
②選択肢が多すぎる
「何をしたらいい?」と聞かれても、選択肢が多すぎると決められません。
最初は、2つから選ぶくらいで十分です。
「算数と漢字、どちらからする?」
「5問と10問、どちらにする?」
このくらい具体的な方が、子どもは決めやすくなります。
③何を基準に選べばよいか分からない
子どもは、優先順位を考える経験がまだ少ないことがあります。
そのため、
「明日提出だから先にやろう」
「苦手なものは元気なうちにやろう」
「時間が短い日は少ない量にしよう」
という判断の仕方を、大人が一緒に言葉にしてあげることが大切です。
④これまで決める機会が少なかった
いつも大人が決めてくれていた場合、子どもは自分で決めることに慣れていません。
急に任せると戸惑うのは自然なことです。
まずは小さなことから、少しずつ任せていきます。
保護者が絶対にやってはいけない関わり方
①決めさせたあとに否定する
「自分で決めていいよ」と言ったあとに、
「それは違う」
「こっちの方がいい」
「なんでそっちにしたの?」
とすぐ否定すると、子どもは次から決めなくなります。
この現象を心理効果でダブルバインドと言うんですが、簡単に言うと心が混乱します。
明らかに無理な選択なら決める段階で調整が必要です。
ただ、任せると決めた範囲では、まず本人の選択を尊重することが大切です。
②失敗したときに責める
自分で決めたことがうまくいかなかったとき、
「ほら、だから言ったでしょ」
「自分で決めたんだからちゃんとして」
「もう任せられない」
と言われると、子どもは決めることを怖がるようになります。
失敗したときは、責めるより振り返ります。
「時間が遅かったかな」
「量が多かったかな」
「次は先に難しい方をやってみる?」
このように次の決め方を一緒に考えることが大切です。
③いきなり全部任せる
「もう高学年だから自分で全部やりなさい」
と言われても、子どもは困ってしまうことがあります。
自分で決める力は、急に育つものではありません。
順番、時間、量、直す問題など、少しずつ任せる範囲を広げていきましょう。
④親が先回りしすぎる
忘れ物をしないように先に準備する。
宿題の順番をすべて決める。
間違い直しの問題を親が選ぶ。
テスト前にやることを全部指示する。
これらは短期的には安心です。
しかし、子どもが自分で考える機会は少なくなります。
もちろん発達特性があり、支援が必要な場合は別ですが、
失敗を完全に防ぐことより、失敗しても次に活かせるようにすることが大切です。
小学生のうちは「小さく決める」で十分
小学生に、最初から完璧な自己管理を求める必要はありません。
大切なのは、小さく決める経験を重ねることです。
- どの宿題から始めるか
- 何分だけ集中するか
- どの問題を直すか
- どこに印をつけるか
- いつ明日の準備をするか
このような小さな選択で十分です。
小さく決める。
決めたことをやってみる。
うまくいかなければ振り返る。
次の決め方を考える。
この積み重ねが、自分で学ぶ力につながります。
中学生になる前に必要な「自分で決める力」
中学生になると、小学生のときよりも自分で判断する場面が増えます。
- テスト勉強をいつ始めるか
- ワークをどの順番で進めるか
- 分からない問題をいつ質問するか
- 部活動と勉強の時間をどう分けるか
- 提出物をいつ終わらせるか
これらをすべて保護者が管理するのは難しくなります。
だからこそ、小学生のうちから、少しずつ自分で決める経験をしておくことが大切です。
中学準備は、英語や数学の先取りだけではありません。
自分で学習を進めるための土台づくりも、大切な準備です。
アイデア数理塾が大切にしていること
アイデア数理塾では、子どもにすべてを任せきりにするのではなく、勉強のやり方を伝えたうえで、少しずつ本人に任せることを大切にしています。
- 何から始めるか
- どの問題を直すか
- どこでつまずいているか
- 宿題をどう進めるか
- 分からないときにどう質問するか
こうしたことを一緒に確認しながら、自分で決める経験を増やしていきます。
自分で決めることは、放置ではありません。
必要な支えを受けながら、自分で考える範囲を少しずつ広げていくことです。
実際に指導している生徒は30点代から90点代にアップした中学生や算数嫌いで宿題にすら手をつけたがらなかった小学生の生徒も自ら算数が楽しいと取り組むようになったり成果は出ています。
京都市中京区・烏丸御池周辺で、小学生の算数や中学生に向けた学習準備に不安がある方は、問題の解き方だけでなく、「自分で決めて進める力」にも目を向けてみることが大切です。
まとめ 自分で決める経験が、学ぶ力を育てる
小学生に「自分で決める経験」が必要なのは、勉強を自分ごとにしていくためです。
自分で決める経験を通して、子どもは、
- 何から始めるか考える
- 自分に合う量を考える
- うまくいかなかった理由を振り返る
- 次の方法を考える
- 自分で始める力を身につける
ようになります。
もちろん、小学生にすべてを任せる必要はありません。
大切なのは、保護者が大きな枠を作り、その中で小さく選ばせることです。
「算数と漢字、どちらから始める?」
「今日はどの1問を直す?」
「何時からならできそう?」
このような小さな決定の積み重ねが、やがて自分で学ぶ力につながります。
子どもは、任されることで少しずつ考え始めます。
そして、自分で決めて動けた経験が、学習への自信を育てていきます。
京の算数学 解答#1488





