失敗が怖い子への関わり方 挑戦できない理由と保護者の声かけ 京の算数学#1464

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京の算数学問題#1464

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算数学コラム

「間違えるくらいなら、最初からやりたくない」
「できないところを見られたくない」
「失敗しそうになると、急に不機嫌になる」

そんな様子があると、保護者の方はどう関わればよいか迷うと思います。

励ましたつもりでも、かえってプレッシャーをかけてしまうことがあります。
一方で、何も言わずに見守るだけでは、挑戦する機会が減ってしまうこともあります。

失敗を怖がる子に必要なのは、「もっと頑張って」という言葉だけではありません。

まずは、失敗しても大丈夫だと思える安心感と、挑戦しやすい大きさに課題を整えることが大切です。


失敗が怖い子は、やる気がないわけではない

失敗を避ける子は、周りから見ると、

  • やる前からあきらめる
  • 難しい問題を飛ばす
  • 練習を嫌がる
  • 注意されるとすぐ怒る
  • 「どうせできない」と言う

ように見えることがあります。

しかし、その内側には、

「できなかったら恥ずかしい」
「怒られたくない」
「期待を裏切りたくない」
「自分はできない子だと思われたくない」

という気持ちが隠れているかもしれません。

やる気がないのではなく、失敗から自分を守ろうとしている可能性があります。


なぜ失敗が怖くなるの?

①間違いを強く指摘された経験がある

以前に間違えたとき、

「どうしてこんなことも分からないの?」
「ちゃんと見ていればできたでしょ」
「また同じミス?」

と言われた経験があると、間違いそのものが怖くなることがあります。

大人にとっては軽い注意でも、子どもには強く残っている場合があります。

②正解したときだけ評価されてきた

「100点ですごい」
「全部合っていてえらい」

という声かけは、もちろん悪いものではありません。

ただ、正解や結果だけをほめられることが続くと、

「正解できない自分には価値がない」
「失敗したらほめてもらえない」

と感じやすくなることがあります。

結果だけでなく、考えたことや続けたことにも目を向けることが大切です。

③周りと比べられている

兄弟や友達と比べられると、子どもは自分の失敗をより大きく感じます。

「○○ちゃんはできているのに」
「お兄ちゃんのときはもっと早かった」

という言葉は、挑戦する気持ちを弱くすることがあります。

比べるなら、他の子ではなく、以前の本人と比べる方が安心につながります。

④完璧にやりたい気持ちが強い

失敗を怖がる子の中には、とてもまじめで丁寧な子もいます。

  • 途中で分からなくなるのが嫌
  • きれいに書けないとやり直したい
  • 最初から正しく進めたい
  • 中途半端な状態が気になる

という気持ちが強く、始めるまでに時間がかかることがあります。

完璧を目指すこと自体は悪くありません。
ただ、「まず試してみる」ことができるように支える必要があります。

⑤失敗したあとの立て直し方を知らない

失敗を怖がる子は、間違えたあとにどうすればよいか分からないことがあります。

「間違えた」

「もう無理」

「やりたくない」

と、気持ちが一気にネガティブになってしまいます。

失敗したあとの行動を具体的に教えることで、怖さがやわらぐことがあります。


保護者が避けたい関わり方

「失敗しても大丈夫」と言うだけ

正しい言葉ではありますが、子どもが本当に怖がっているときには、それだけでは気持ちが変わらないことがあります。

大切なのは、言葉だけでなく、

  • 間違えても責めない
  • すぐに答えを求めない
  • やり直す時間を作る
  • 小さな挑戦を認める

という日々の関わりです。

無理に挑戦させる

「怖がっていたら何もできないよ」
「とにかくやってみなさい」

と押し切ると、挑戦できることもあります。

ただ、失敗への不安が強い子には、成功体験より「無理やりやらされた」という記憶が残る場合もあります。

まずは課題を小さくし、自分で選べる形にすることが大切です

先回りして全部助ける

失敗させないように、

  • 答えを教える
  • 忘れ物をすべて確認する
  • 発表する内容を親が作る
  • 間違えそうなところを先に直す

という関わりが増えることもあります。

その場では安心できますが、子どもが「自分で試して、直す」経験を持ちにくくなります。

支えることと、失敗をすべて取り除くことは違います。

気持ちを否定する

「そんなことで怖がらなくてもいい」
「考えすぎだよ」
「誰も気にしていないよ」

と言われても、本人にとっては本当に怖いことがあります。

まずは、

「失敗するのが心配なんだね」
「できなかったら嫌だと思っているんだね」

と気持ちを言葉にしてあげることが、安心への第一歩です。


失敗が怖い子への関わり方

①気持ちを先に受け止める

子どもが「やりたくない」と言ったとき、すぐに説得する必要はありません。

まずは、

「間違えるのが嫌なんだね」
「失敗したらどうしようと思っているのかな」
「うまくできないところを見られたくない?」

と確認してみます。

気持ちを分かってもらえたと感じると、次の話を聞きやすくなります。

②挑戦を小さくする

「全部やってみよう」ではなく、

  • 1問だけやる
  • 最初の一行だけ書く
  • 家で一度練習する
  • 発表では一言だけ話す
  • 難しい問題の途中まで考える

というように、失敗しても受け止めやすい大きさにします。

成功しやすくするためというより、挑戦する負担を減らすためです。

③正解ではなく行動を認める

失敗が怖い子には、結果以外の部分を具体的に伝えます。

「分からなくても、問題を読めたね」
「途中まで自分で考えたね」
「間違いに気づいて直せたね」
「怖かったけれど、やってみたね」

これなら、正解できなかったときにも本人の中に残るものがあります。

④大人の失敗も見せる

大人がいつも正しく振る舞っていると、子どもは「失敗してはいけない」と感じることがあります。

たとえば、

「買うものを一つ忘れちゃった。次はメモしよう」
「計算を間違えたから、もう一度見直すね」
「説明が分かりにくかったね。言い直すね」

と、大人が失敗を認めて立て直す姿を見せるのもよいでしょう。

失敗しても、その後に直せばよいことが伝わります。

⑤「失敗したらどうするか」を一緒に決める

失敗をなくそうとするより、起きたあとの行動を決めておきます。

たとえば勉強なら、

  1. 間違えた問題に印をつける
  2. どこで違ったか見る
  3. ヒントを一つもらう
  4. もう一度解く
  5. 分からなければ質問する

という流れです。

発表なら、

「言葉が出なかったらメモを見る」
「間違えたら言い直す」
「全部話せなくても席に戻ってよい」

など、逃げ道を用意しておくと挑戦しやすくなります。

⑥本人に選んでもらう

失敗への不安が強い子には、自分で決められる部分を残すことが大切です。

「この問題とこの問題、どちらからやる?」
「一人でやる?最初だけ一緒にやる?」
「今日は3問にする?5問にする?」

すべて自由にする必要はありません。

選択肢を渡すことで、「やらされている」感覚を減らせます。

⑦失敗をすぐに学びへ変えようとしすぎない

失敗した直後に、

「この経験から何を学んだ?」
「次はどうすればいい?」

と聞かれても、気持ちが落ち着いていなければ考えられません。

まずは休む、気持ちを聞く、時間を置く。
振り返りはそのあとでも構いません。

失敗の直後は、反省より安心が必要なこともあります。

勉強で失敗を怖がる子への声かけ

問題を始められないとき

「全部できなくてもいいから、分かるところまで見てみよう」
「まず問題文に線を引くだけにしようか」

答えが違っていたとき

「ここまでの考え方は合っているね」
「どこからずれたか一緒に見てみよう」

やり直しを嫌がるとき

「全部ではなく、この1問だけもう一度やろう」
「答えを写すより、自分でできたところを増やそう」

テストの点数が悪かったとき

「点数より、どの問題で止まったかを見よう」
「次に一つ直すなら、どれにする?」

失敗を怖がる子に「自信をつけさせる」とは?

自信をつけるために、簡単な問題だけをさせることがあります。

それも必要な場合はありますが、自信とは「何でも成功できる」と思うことだけではありません。

本当に育てたいのは、

失敗しても考え直せる
分からなければ助けを求められる
少しずつ進めばよい

と思える感覚です。

失敗しない経験だけではなく、失敗したあとに立て直せた経験が、自信につながります。


保護者が焦らなくてもよい理由

失敗への怖さは、すぐに消えるものではありません。

昨日は挑戦できても、今日は止まることがあります。
家ではできても、学校では難しいこともあります。

少しずつ、

  • 試してみた
  • 間違いを見せられた
  • 助けを求められた
  • やり直せた

という経験を増やしていくことが大切です。

「まだ怖がっている」と見るより、以前よりできるようになったことに目を向けましょう。

アイデア数理塾が大切にしていること

アイデア数理塾では、間違いをすぐに直させることよりも、

  • どこまで考えられたか
  • 何が不安だったか
  • どこで止まったか
  • 次に何を試せそうか

を確認することを大切にしています。

答えを先に教えるのではなく、考えるためのヒントを渡し、少しずつ本人に任せます。

失敗しても責められず、困ったときに質問できる。
その安心感があることで、子どもは少しずつ挑戦しやすくなります。

まとめ 失敗をなくすより、失敗しても戻れる安心を作る

失敗が怖いお子さまは、やる気がないのではなく、

  • 間違いを責められたくない
  • 期待を裏切りたくない
  • できない自分を見られたくない
  • 失敗したあとにどうすればよいか分からない

と感じているかもしれません。

保護者にできることは、

  • 気持ちを先に受け止める
  • 挑戦を小さくする
  • 結果より行動を認める
  • 失敗したあとの流れを教える
  • 本人に選べる部分を残す
  • すぐに反省を求めすぎない

ことです。

子どもに必要なのは、失敗しない環境ではありません。

失敗しても責められず、もう一度やり直せる環境です。

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