京の算数学問題#1583

20℃の空気1m³に水蒸気が9.4gふくまれています。
(1) 湿度を小数第1位で四捨五入し、整数で求めなさい。
(2) 露点を表から求めなさい。
飽和水蒸気量は5℃で6.8、10℃で9.4、20℃で17.3、30℃で30.4g/m³とします。
冷却中は体積1m³で一定、空気・水の出入りはなく、冷却後は十分に凝結するものとします。解答は記事の下部です。
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算数学コラム
湿度(%)=実際の水蒸気量÷その気温の飽和水蒸気量×100です。
両方の量は同じ単位、ここではg/m³にそろえます。
20℃で実際9.4g/m³なら、分母は20℃の17.3g/m³。
9.4÷17.3×100≒54.3なので、整数では54%です。
湿度の計算では、割り算そのものより「どの数を分母に入れるか」で迷いがちです。
さらに露点、水滴になる量まで同じ表に出てくると、引き算と割り算がで混乱することも多いです。
今回は「今の割合」「凝結が始まる温度」「液体になる量」の3つを分けて考えます。
飽和水蒸気量と実際の水蒸気量を区別しよう
飽和水蒸気量は、その温度で飽和したときの水蒸気の質量を、空気1m³あたりで表したものです。
中学理科では「その温度でふくむことのできる水蒸気の限度」として考えます。
温度が高いほど大きく、低いほど小さくなります。
一方、実際の水蒸気量は、今その空気中にある気体の水の量です。
20℃だから必ず17.3g/m³あるわけではありません。
17.3は飽和したときの値で、問題の実際の値は9.4です。
この区別を最初に書き分けましょう。
水蒸気は目に見えない気体です。白く見える湯気や、窓に付く水滴は液体の水であり、水蒸気そのものとは区別します。
湿度の求め方|分母は「今の気温」の値
① 今の気温を確認する。
② その気温の飽和水蒸気量を表で読む。
③ 実際の水蒸気量をそれで割り、100を掛ける。
この順で進めます。問題の気温は20℃なので、使う飽和水蒸気量は17.3g/m³です。

「全体に対して、どれだけあるか」という割合なので、実際÷飽和の順です。
逆に17.3÷9.4とすると100%を超えてしまいます。
この基本問題のように凝結を考える平衡状態では、実際の水蒸気量が飽和水蒸気量以下になっているかを見直しの手掛かりにできます。
教室や家庭で確認するときは、「100%に当たるのはどの数字?」と尋ねてみてください。
公式の暗唱だけでなく、分母の意味を説明できるか確かめられます。
なお、表の値は教材ごとに丸め方が異なることがあるので、テストでは問題に示された値を使いましょう。
露点の見つけ方|実際の量と飽和の量が一致する温度
露点は、空気を冷やしていったとき、水蒸気の凝結が始まる温度です。
ここでは体積を一定とし、水の出入りもないので、凝結が始まるまでは実際の水蒸気量9.4g/m³は変わりません。
温度低下とともに変わるのは、飽和水蒸気量の方です。
表を見ると、10℃で飽和水蒸気量が9.4g/m³になります。
実際の9.4と一致するので、露点は10℃です。
このときは9.4÷9.4×100=100%。
露点の温度と湿度100%を結び付けて覚えましょう。
「湿度が約54%だから、露点も54℃」とはなりません。
湿度は割合で単位が%、露点は温度で単位が℃です。
問われた量と答えの単位もセットで確認します。
5℃まで冷やす例題|水滴になる量は引き算
さらに5℃まで冷やすと、飽和水蒸気量は6.8g/m³になります。
体積1m³の中に水蒸気として残るのは6.8gで、はじめの9.4gとの差が液体の水になります。
9.4−6.8=2.6gです。

ここで17.3−6.8を計算しないことが重要です。
17.3g/m³は20℃で飽和したときの値で、この空気に最初からある水蒸気量ではありません。
水滴になる量は「冷却前に実際にあった量−冷却後に水蒸気として残る量」で求めます。
冷却後は水蒸気6.8gと水滴2.6gに分かれ、合計はもとの9.4gです。
水が消えたのではなく、気体から液体へ状態が変わっています。
この例は、体積変化を考えず1m³で比較する計算モデルです。
空気の膨張・収縮を含む問題では、その条件も読む必要があります。
湿度から水蒸気量を逆算する問題
20℃・湿度60%なら、実際の水蒸気量は17.3×60÷100=10.38g/m³です。
「100%に当たる17.3の60%分」と考えます。
湿度を求める式でいつも割る、とだけ覚えず、何を求めるのかを確認しましょう。
実際の水蒸気量が変わらないまま温度が上がると、飽和水蒸気量が大きくなるため湿度は下がります。
逆に、露点に達しない範囲で温度が下がると湿度は上がります。
「湿度が変わった=水蒸気が必ず増減した」とは限りません。
定期テストで防ぎたい3つの間違い
違う温度の値を分母にする:今の気温に線を引き、表の同じ列を選びます。露点10℃が出てきても、20℃での湿度計算の分母を9.4に変えないようにしましょう。
水滴の量まで割り算する:湿度は割合なので割り算、水滴は水の質量の差なので引き算です。計算を始める前に「%・℃・gのどれを答える問題か」を余白に書くと整理できます。
丸める位置を早める:9.4÷17.3を先に0.5へ丸めず、100を掛けた結果から指定の位へ丸めます。「小数第1位を四捨五入」は整数にする指示です。「小数第1位まで求める」とは違うので注意しましょう。
解き直しでは、公式だけ写し直すのではなく、使った数字の横へ「実際」「今の飽和」「冷却後の飽和」と短く書いてみてください。数字の役割を分ける練習が、表の読み違えを防ぎます。
一問一答PDF|湿度・露点・水滴を8問で確認
用語、湿度、逆算、露点、水滴になる量、温度による変化を8問にまとめました。
1ページ目が問題、2ページ目が解答です。
必要な飽和水蒸気量は各問に示していますので、式を立てる前に、求める量と単位を確認しましょう。
中2理科|湿度と露点 一問一答8問(PDF)をダウンロード
※A4・全2ページ(問題/解答・確認ポイント)。
よくある質問
湿度の公式は何ですか?
実際の水蒸気量÷その気温の飽和水蒸気量×100です。両方の量を同じ単位でそろえ、分母は今の気温の値を使います。
露点では湿度は何%ですか?
100%です。露点では水蒸気で飽和し、実際の水蒸気量と、その温度の飽和水蒸気量が一致します。
冷やすと、水蒸気量はすぐ減りますか?
体積一定で出入りがなければ、露点に達するまでは減りません。露点より低く冷やして凝結が進むと、水蒸気の一部が液体の水になります。
できた水滴の質量はどう求めますか?
体積1m³一定で十分に凝結する条件なら、冷却前の実際の水蒸気の質量から、冷却後の温度で水蒸気として残る質量を引きます。
まとめ|割合・温度・質量の差を分けて考える
湿度は「実際÷今の気温の飽和×100」、露点は「実際の量と飽和の量が一致する温度」、水滴の量は「もとの実際の量−残る水蒸気量」です。数字の役割と答えの単位を先に決めて、表を使う基礎問題を確実に解きましょう。
京の算数学 解答#1583

(1) 20℃の飽和水蒸気量17.3g/m³を使い、9.4÷17.3×100≒54.3。指定に従い54%です。
(2) 飽和水蒸気量が実際の9.4g/m³と一致するのは10℃なので、露点は10℃です。
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