数学コラムの目次
京の算数学問題#1515

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算数学コラム
授業のあとや家庭学習のあとに、
「質問ある?」
「分からないところある?」
「大丈夫?」
と聞くと、子どもが
「ない」
「大丈夫」
「分かった」
と答えることがあります。
この言葉を聞くと、保護者としては少し安心します。
ただし、質問がないことと、理解できていることは同じではありません。
質問がない子の中には、本当に理解できている子もいます。
一方で、次のような理由で「質問がありません」と言っている子もいます。
- 何が分からないのか分かっていない
- 分からないと言うのが恥ずかしい
- 質問の仕方が分からない
- 説明を聞いた直後なので、分かった気がしている
- 早く終わらせたい
- どこまで聞いてよいか分からない
- 間違えることを避けている
つまり、私たち塾講師が大切にしているのは質問があるかどうかではなく、質問できる状態になっているかです。
算数や数学では、質問が出ないまま進んでしまうと、あとからテストや宿題でつまずきが見えることがあります。
この記事は、次のようなお子さまの保護者の方に向けて書いています。
- 小学生で「分からないところはない」とよく言う
- 宿題では質問しないのに、テストで間違いが多い
- 中学生で授業は分かると言うが、数学の点数が伸びない
- 塾や学校で質問できているのか不安
- 「質問しなさい」と言っても何を聞けばよいか分からない
- 京都市中京区・烏丸御池周辺で、算数・数学の学習塾を探している
質問する力は、勉強が得意な子だけに必要なものではありません。
むしろ、つまずきを早く見つけるために大切な力です。
質問には段階があります
子どもにとって、質問することは意外と難しいものです。
大人から見ると、「分からないなら聞けばいい」と思うかもしれません。
でも、子どもが質問するには、いくつかの段階が必要です。
| 段階 | 子どもの状態 |
|---|---|
| 1. 分からないと感じる | 解けずに固まっている状態を自覚する |
| 2. どこが分からないか探す | 問題文、式、途中計算などを確認する |
| 3. 言葉にする | 「ここが分かりません」と伝える |
| 4. 相手に聞く | 先生や保護者に質問する |
| 5. もう一度解く | 聞いたあと、自分で試す |
「質問がありません」と言う子は、必ずしも1〜5が全部できているわけではありません。
特に多いのは、2と3の間で止まっている子です。
「質問がありません」と言う子に起きている3つのこと
1.何が分からないのか分かっていない
一番多いのは、これです。
子どもは、まったく分からない問題ほど質問しにくくなります。
なぜなら、どこから聞けばよいか分からないからです。
たとえば、算数の文章題で手が止まっている子に、
「どこが分からない?」
と聞いても、
「全部」
「分からん」
「なんとなく」
となることがあります。
この状態では、質問がないのではありません。
質問の形にできていないのです。
具体的には
1個120円のノートを3冊買い、500円を出しました。おつりはいくらですか。
子どもが手を止めている。
「質問ある?」と聞く。
子どもは、「ない」と言う。
でも実際には、
- 何を求める問題か分からない
- 120円と3冊の関係が分からない
- 先に何を計算すればよいか分からない
という状態かもしれません。
この場合、質問がないのではなく、質問にする前の整理が必要です。
2.「分かった気がする」で止まっている
説明を聞いた直後は、子どもは分かった気になります。
先生の解説を聞く。
保護者が横で説明する。
解答を見て納得する。
このとき、子どもは本当に「分かった」と感じています。
でも、答えを閉じて自分で解くと止まることがあります。
これは、理解していないというより、聞いて分かった感覚の段階で止まっている状態です。
質問がないかどうかより、
- 答えを閉じてもう一度解けるか
- 数字が変わっても解けるか
- なぜその式になるか言えるか
- 数日後にも解けるか
を見る方が、理解の確認になります。
「質問がない」と言ったあとに自分で解けないなら、まだ理解が使える形になっていない可能性があります。
3.質問することに抵抗がある
質問できない背景には、気持ちの問題もあります。
- こんなことを聞いたら恥ずかしい
- 前にも教えてもらったから聞きにくい
- 怒られたくない
- 友達の前で分からないと言いたくない
- 先生が忙しそう
- 何度も聞くのは悪い気がする
という気持ちです。
特にまじめな子ほど、「ちゃんと分かっていないといけない」と思い、質問をため込むことがあります。
この場合、必要なのは「質問しなさい」と強く言うことではありません。
質問しても大丈夫だと思える環境が必要です。
本当に理解できている子の「質問がありません」
本当に理解できている子にも、質問がないことはあります。
ただし、その場合は次のような様子が見られます。
- 自分で問題を解き直せる
- 間違えたときに原因を言える
- 別の問題にも考え方を使える
- 途中式や考え方が残っている
- 「ここは大丈夫」と理由を言える
- 分からない問題が出たときは質問できる
つまり、質問がないことよりも、質問が必要になったときに聞けるかが大切です。
理解できていないかもしれない「質問がありません」
一方で、注意したいのは次のような場合です。
- 「大丈夫」と言うが、問題になると解けない
- 宿題で同じミスをくり返す
- 解説を見れば分かるが、自力では解けない
- 間違えた理由を聞くと「分からない」と言う
- 質問はないのに、テスト直しが進まない
- 途中式がなく、考え方が見えない
- 分からない問題を空欄のままにする
- 答えを写して終わる
この場合、質問がないから理解できているとは言えません。
質問がないのではなく、質問にする力がまだ育っていない可能性があります。
家庭で試せる見分ける質問
質問1「どこまで分かった?」
「分からないところある?」よりも、答えやすい質問です。
子どもは、分からない場所を説明するのが苦手でも、「ここまでは分かった」なら言いやすいことがあります。
質問2「最初に何をすればよさそう?」
算数や数学で使いやすい質問です。
最初の一歩が出るかを見ることで、理解の状態が分かります。
質問3「この数字は何を表している?」
文章題で効果的です。
数字の意味を言えない場合、問題文を読めているようで、数量関係が見えていないことがあります。
質問4「答えを見ずにもう一回できる?」
解説を見て分かった問題は、答えを閉じて再度解くことが大切です。
ここで解けなければ、まだ質問が必要な状態かもしれません。
質問5「先生に聞くなら、どこを聞く?」
質問の練習になります。
いきなり先生に聞けなくても、家庭で質問文を作ることで、聞く力が育ちます。
たとえば、
「この式の立て方が分かりません」
「ここまではできたけど、次の行が分かりません」
「なぜマイナスになるのか分かりません」
のように、質問が具体的になります。
原因別の対策
原因1 何が分からないか分からない場合
- 「全部分からない」を責めない
- 問題文を一文ずつ見る
- どこまで分かったか確認する
- 最初の一歩だけ一緒に考える
- 分からない場所に印をつける
まずは質問を作る前に、止まっている場所を見つけます。
原因2 分かった気で終わっている場合
- 解説後に答えを閉じる
- 同じ問題をもう一度解く
- 数字を変えた問題を出す
- なぜその式になるか聞く
- 翌日もう一度確認する
「分かった」を「解ける」に変えるには、再現する練習が必要です。
原因3 質問するのが恥ずかしい場合
- 質問することを責めない雰囲気にする
- 小さな質問から始める
- 「ここまで分かった」を先に言わせる
- 家庭で質問文を作る
- 質問できたこと自体を認める
質問は、勉強ができない子がするものではありません。
自分の理解を深めるために必要な行動です。
原因4 質問の仕方が分からない場合
質問の型を教えます。
使いやすい型は、次の3つです。
- 「ここまでは分かりました。でも、ここから分かりません」
- 「この式になる理由が分かりません」
- 「答えは分かりましたが、解き方をもう一度確認したいです」
質問の型があると、子どもは聞きやすくなります。
原因5 質問する前に答えを写してしまう場合
- 答えを見る前に印をつける
- 分からない問題を1問だけ残す
- 解説を読んだあと、答えを閉じて解く
- 質問する問題をノートに書く
- すぐに正解を写さない
答えを写すと、質問する必要がなくなったように見えます。
でも、理解する段階まで至らないことが多いです。
質問が少なくても、自分で考えられる子もいます
質問が少ない子の中には、自分で考える力が育っている子もいます。
すぐに聞かず、まず自分で考える。
解説を読んで試す。
ノートを見返す。
もう一度解く。
このように、自分で解決しようとしている場合は、質問が少なくても悪いことではありません。
ただし、
- 分からないまま放置している
- 答えを写して終わっている
- 同じミスをくり返している
- テストで点につながっていない
場合は、質問の少なさを安心材料にしない方がよいです。
大切なのは、質問の数ではありません。
分からないことに気づき、必要なときに聞けることです。
塾の先生として見ていること
塾で「質問がありません」と言う子を見るとき、私はその言葉だけでは判断しません。
見るのは、
- 自分で問題を解けるか
- 間違えた理由を言えるか
- どこまで分かったか説明できるか
- 解説後にもう一度解けるか
- 分からない問題を印に残せるか
- 質問する内容を作れるか
- 同じミスをくり返していないか
です。
質問がない子が、必ず理解できていないわけではありません。
でも、質問がないまま同じところで止まっているなら、そこにはサポートが必要です。
アイデア数理塾が大切にしていること
アイデア数理塾では、子どもが「質問がありません」と言ったときも、そこで終わりにはしません。
大切にしているのは、
- 本当に自分で解けるか
- どこまで分かっているか
- どこから止まっているか
- 質問できる形にできるか
- 間違えた問題を次につなげられるか
を見ることです。
京都市中京区・烏丸御池周辺で、小学生の算数や中学生の数学に不安がある方は、
「質問がないなら大丈夫」と判断する前に、実際に解けるか、説明できるか、解き直せるかを見てみることが大切です。
質問する力は、自分で学ぶ力につながります。
分からないことを言葉にできるようになると、勉強は少しずつ自分のものになっていきます。
まとめ 質問がないことより、質問できる状態かを見る
「質問がありません」と言う子が、本当に理解できていることもあります。
ただし、質問がないからといって、必ず理解できているとは限りません。
質問がない子には、
- 何が分からないのか分かっていない
- 分かった気で止まっている
- 質問するのが恥ずかしい
- 質問の仕方が分からない
- 答えを写して終わっている
- 分からない問題を放置している
ということがあります。
見るべきなのは、質問の有無だけではありません。
答えを閉じてもう一度解けるか。
どこまで分かったか言えるか。
間違えた理由を見つけられるか。
先生に聞くなら何を聞くか。
ここを見ることで、本当に理解できているかが分かりやすくなります。
質問は、できない子がするものではありません。
自分の理解を深めるための大切な行動です。
「質問がない」で終わらせず、必要なときに質問できる力を育てていきましょう。
京の算数学 解答#1515





