中1数学で急に点数が落ちる子に共通する小学校算数の穴 京の算数学#1494

京の算数学問題#1494

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算数学コラム

「小学校では算数がそこまで苦手ではなかったのに、中1になって数学の点数が下がった」
「最初のテストはよかったのに、だんだん数学が分からなくなってきた」
「正負の数や方程式で急につまずいている」

中学生になると、数学で急に点数が落ちる子がいます。

保護者の方からすると、
「中学数学が急に難しくなったからかな」
「授業のスピードについていけていないのかな」
「勉強時間が足りないのかな」
と感じるかもしれません。

もちろん、中学数学は小学校算数より抽象的になります。
文字式、方程式、関数など、小学校にはなかった考え方も出てきます。

ただ、塾で中学生を見ていると、中1数学で急に点数が落ちる子には、小学校算数の穴が残っていることが多いです。

中学数学でつまずいているように見えて、実はその前の土台で止まっていることがあります。

中1数学は、小学校算数の上に積み上がっている

中学数学は、小学校算数と別の教科のように見えるかもしれません。

しかし、実際には小学校で学んだ内容の上に積み上がっています。

  • 正負の数には、整数・小数・分数の計算
  • 文字式には、数量関係を式にする力
  • 方程式には、逆算や文章題の理解
  • 比例・反比例には、割合や比例の感覚
  • 図形には、角度・面積・単位の理解

が関係しています。

つまり、中1数学で急に困っているように見えても、原因は中1の単元だけにあるとは限りません。

小学校算数のどこかに穴が残っていると、中学数学に入ったときに表面化しやすくなります。


穴① 分数の計算があいまい

中1数学で最も大きく影響しやすいのが、分数です。

小学校では、分数が苦手でも何とか単元を通過できてしまうことがあります。

しかし中学数学では、分数は何度も出てきます。

  • 正負の数の分数計算
  • 文字式の分数
  • 方程式の分数
  • 比例式
  • 関数の変化の割合

などです。

たとえば、方程式の考え方は分かっていても、途中に分数が出てきた瞬間に手が止まる子がいます。

この場合、方程式が分からないのではなく、分数処理で止まっている可能性があります。

特に確認したいのは、

  • 通分
  • 約分
  • 分数のたし算・ひき算
  • 分数のかけ算・わり算
  • 帯分数と仮分数
  • 分数と小数の変換

分数があいまいなまま中学に進むと、「数学の考え方は分かるのに計算で崩れる」という状態になりやすくなります。

穴② 小数の計算と位取りが不安定

小数の計算も、中1数学に大きく関係します。

小数点の位置がずれる。
かけ算・わり算で小数点をどこに置くか迷う。
小数と分数の変換が苦手。

このような状態があると、中学数学でも計算ミスが増えます。

特に、中1の正負の数では、整数だけでなく小数や分数も混じります。

  • −0.3+0.8
  • 1.2×−0.5
  • −2.4÷0.6

のような計算でつまづいている場合、符号のルールだけでなく、小数計算そのものが不安定なことがあります。

中学生になると、計算の中身が複数重なります。

符号を見る。
小数点を見る。
計算順序を見る。
途中式を書く。

これらを同時に処理する必要があるため、小学校の小数計算があいまいだと点数に影響しやすくなります。

穴③ 四則計算の順序が身についていない

中1数学では、計算の順序がとても大切です。

たとえば、

3+2×5

は、前から順番に計算するのではなく、かけ算を先にします。

3+10=13

小学校でも学ぶ内容ですが、ここがあいまいなまま中学に入る子がいます。

中学ではさらに、

  • 大・中かっこ
  • 乗法・除法
  • 加法・減法
  • 正負の符号
  • 文字式

が重なります。

計算順序が不安定だと、考え方が合っていても答えがずれます。

中1数学で計算ミスが多い子は、単なる不注意ではなく、四則計算の順序がまだ定着していないことがあります。

穴④ 逆算の感覚が弱い

方程式でつまずく子に多いのが、逆算の感覚が弱いことです。

小学校では、

□+5=12
□×3=18
□÷4=6

のような問題を扱います。

これが方程式の土台になります。

中1では、

x+5=12
3x=18
x÷4=6

のように、□が文字に変わります。

見た目は変わりますが、考え方の土台は似ています。

しかし、逆算が苦手な子は、

  • 何を先に戻せばよいか分からない
  • たし算ならひき算にする感覚が弱い
  • かけ算ならわり算にする感覚が弱い
  • 両辺に同じ操作をする意味が分からない

という状態になりやすいです。

方程式は、中学数学の大きな山です。

ここで急に点数が落ちる子は、小学校の逆算や数量関係に戻る必要がある場合があります。

穴⑤ 文章題で数字だけを見ている

中1数学では、文章題の難しさも上がります。

特に方程式の文章題では、

  • 何をxにするか
  • 何が分かっているか
  • 何を求めるか
  • 数量の関係をどう式にするか

を考える必要があります。

小学生のころから文章題で数字だけを見ていた子は、中学の文章題で止まりやすくなります。

「出てきた数字を全部使う」
「たし算かかけ算を当てようとする」
「問題文の最後を読まずに式を作る」
「何を求めるかを確認しない」

という癖があると、方程式の文章題で苦労します。

中学数学では、計算力だけではなく、文章から数量関係を読み取る力が必要です。

穴⑥ 割合の考え方が弱い

割合は、小学校算数の中でもつまずきやすい単元です。

割合があいまいな子は、

  • 何をもとにするのか分からない
  • 何%増えたのか分からない
  • 割引や値上げの問題で混乱する
  • 比例や反比例の意味がつかみにくい
  • 速さや濃度の問題で止まる

というようなつまづきが見られます。

中1では、比例・反比例や方程式の文章題で、割合的な考え方が出てきます。

「割合は小学校で終わった単元」と思われがちですが、実際には中学以降もずっと使います。

中1数学で応用問題が苦手な子は、割合の土台があいまいな場合があります。

穴⑦ 比と比例の感覚が弱い

比や比例も、中学数学につながる重要な内容です。

中1では比例・反比例を学びます。

ここで必要なのは、

  • 一方が増えると、もう一方もどう変わるか
  • 何倍になっているか
  • 変わらない関係は何か
  • 表やグラフで数量を見られるか

という感覚です。

小学校で比や比例をただ公式として覚えていた子は、中学の関数でつまずきやすくなります。

比例は、式だけではありません。

表、グラフ、式、言葉をつなげて考える単元です。

このつながりが弱いと、「y=axの式は覚えたけれど、何をしているのか分からない」という状態になりやすくなります。

穴⑧ 単位の変換が苦手

単位の変換も、中学数学や理科に大きく影響します。

小学校では、

  • cmとm
  • mとkm
  • gとkg
  • mLとL
  • 分と時間
  • 面積の単位
  • 体積の単位

を学びます。

ここがあいまいな子は、文章題や理科の計算で止まりやすくなります。

特に速さの問題では、

  • kmとm
  • 時間と分
  • 分速と時速

が混ざります。

単位をそろえずに計算してしまうと、答えが大きくずれます。

中学生になると、単位は数学だけでなく理科にも出てきます。

小学校の単位変換が苦手なままだと、複数教科に影響することがあります。

穴⑨ 図形の基本があいまい

中1数学では、図形も出てきます。

小学校算数の図形で確認したいのは、

  • 角度
  • 三角形・四角形の性質
  • 平行と垂直
  • 面積
  • 立体の見方
  • 対称
  • 図に情報を書き込む力

図形が苦手な子は、公式を覚えていても、図のどこを見ればよいか分からないことがあります。

また、図形問題では、問題文に書かれた情報を図に書き込む力も必要です。

中学では、作図や図形の性質、証明にもつながります。

小学校の図形を「公式を使うだけ」で終わらせていると、中学で考える問題になったときに止まりやすくなります。

穴⑩ 途中式を書く習慣がない

中1数学で点数が落ちる子に多いのが、途中式を書かないことです。

小学校では、頭の中で計算できていた子ほど、途中式を省略しがちです。

しかし中学数学では、

  • 符号
  • 分数
  • 小数
  • 文字
  • かっこ
  • 計算順序

が重なります。

答えだけを書いていると、どこで間違えたか分かりません。

途中式は、先生に見せるためだけのものではありません。

自分がどこで考え、どこでずれたかを確認するためのものです。

中1で急に点数が落ちた子は、理解不足だけでなく、途中式を書かないことでミスを増やしている場合もあります。

穴⑪ 丸つけと間違い直しができていない

小学校では、宿題を提出できていれば大きな問題にならないこともあります。

しかし中学校では、学校ワークや提出物がテスト勉強に直結します。

丸つけや間違い直しができていない子は、同じ問題で何度も間違えやすくなります。

中1数学で点数が落ちる子には、

  • ワークを終わらせるだけ
  • 丸つけを後回しにする
  • 答えを赤で写して終わる
  • 間違えた理由を見ない
  • テスト前にどこを見直すか分からない

という様子が見られることがあります。

これは中学生になって急に出た問題ではなく、小学生のころからの学習習慣が続いている場合があります。

数学で点数を取るには、解きっぱなしにしないことが大切です。

穴⑫ 「分からない」を質問できない

中学生になると、授業のスピードが上がります。

分からないところをそのままにしていると、次の単元でさらに分からなくなります。

そのため、質問する力がとても大切です。

しかし、小学生のうちに質問する経験が少ない子は、中学生になっても、

「全部分からない」
「何が分からないか分からない」
「質問するのが恥ずかしい」
「聞く前にあきらめる」

という状態になりやすいです。

本当に必要なのは、完璧な質問ではありません。

「式は作れたけれど、計算で止まった」
「この行から分からない」
「なぜこの符号になるのか分からない」

このくらい言えれば十分です。

質問する力も、数学の点数に関わる大切な土台です。

中1で点数が落ちる子の共通点

中1数学で急に点数が落ちる子には、次のような共通点があります。

  • 分数や小数の計算が不安定
  • 四則計算の順序があいまい
  • 逆算の感覚が弱い
  • 文章題で数字だけを見ている
  • 割合や比の意味が分かっていない
  • 単位変換が苦手
  • 図形で情報を整理できない
  • 途中式を書かない
  • 丸つけと間違い直しをしていない
  • 分からないところを質問できない

これらは、どれも小学校算数や学習習慣とつながっています。

中1数学で困っているときは、今の単元だけを繰り返すより、小学校のどこに穴があるかを見た方が早いことがあります。


保護者が家庭で確認できること

①分数の計算を1問見てみる

まずは、分数のたし算・ひき算を1問だけ見てみましょう。

通分の意味が分かっているか。
約分できるか。
途中式を書いているか。

ここでつまづいている場合、中学数学の計算でも苦労しやすくなります。

②文章題で「何を求める問題?」と聞く

文章題を解く前に、

「何を求める問題?」
「この数字は何を表している?」
「何をxにするとよさそう?」

と聞いてみます。

式を作る前に、問題の意味を整理できているかを見ることが大切です。

③間違えた問題の理由を聞く

バツがついた問題で、

「これは計算ミス?」
「符号ミス?」
「式の作り方?」
「問題文の読み違い?」

と原因を分けてみます。

「間違えた」で終わると、次に何を直せばよいか分かりません。

④途中式が書かれているかを見る

ノートやワークに途中式があるか確認します。

途中式がない場合、ミスの原因が見えません。

特に中1数学では、途中式を書くことが点数を守る力になります。


小学校算数に戻ることは、遠回りではない

中学生になると、小学校の内容に戻ることを嫌がる子もいます。

「もう中学生なのに」
「そんなところからやるの?」
「小学生の内容は分かっている」

と思うこともあります。

しかし、点数を上げるためには、分からないところまで戻ることが必要です。

戻ることは、できない証拠ではありません。

どこで積み上がりが止まっているかを見つけるための大切な作業です。

分数で止まっているなら分数へ。
割合で止まっているなら割合へ。
文章題で止まっているなら読み取りへ。

必要なところに戻ることで、中1数学の理解が進みやすくなります。


塾の先生として見ていること

塾で中1数学を見るとき、私はいきなり今の単元だけを見るわけではありません。

もちろん、学校で習っている内容は確認します。

しかし同時に、

  • 小数や分数の計算が安定しているか
  • 途中式を書いているか
  • 文章題で数量関係を見られるか
  • 割合や比の感覚があるか
  • 間違い直しができているか
  • 分からないところを説明できるか

を見ます。

中1数学の点数低下は、今の単元だけの問題ではないことが多いからです。

子どもの手の止まり方、途中式、ミスの種類、質問の仕方を見ていくと、小学校算数のどこに穴があるかが見えてきます。


アイデア数理塾が大切にしていること

アイデア数理塾では、中1数学で点数が落ちたときに、ただ問題量を増やすだけではなく、どこでつまずいているかを確認します。

大切にしているのは、

  • 小学校算数の穴を見つけること
  • 分数・割合・文章題など必要なところに戻ること
  • 途中式やノートの使い方を整えること
  • 丸つけと間違い直しを学習につなげること
  • 分からないところを質問できるようにすること

京都市中京区・烏丸御池周辺で、中1数学の点数低下や算数からのつまずきに不安がある方は、「中学数学が難しいから」と決めつける前に、小学校算数の土台を確認してみることが大切です。

数学は積み上げの教科です。

だからこそ、必要なところに戻れば、理解を立て直せることがあります。


まとめ 中1数学で点数が落ちる子は、小学校算数の穴を確認したい

中1数学で急に点数が落ちる子は、中学内容だけでつまずいているとは限りません。

その背景には、

  • 分数
  • 小数
  • 四則計算
  • 逆算
  • 文章題
  • 割合
  • 比と比例
  • 単位変換
  • 図形
  • 途中式
  • 間違い直し
  • 質問する力

といった小学校算数や学習習慣の穴が残っていることがあります。

中学数学は、小学校算数の上に積み上がっています。

今の単元を何度も解いても点数が伸びない場合は、前の土台に戻って確認することが大切です。

点数が落ちた原因を「勉強不足」「やる気がない」と決めつけるのではなく、どこで積み上がりが止まっているのかを見る。

そこから、中1数学の立て直しは始まります。

京の算数学 解答#1494

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