「受験する」と言ったのに勉強しない 子どもが動けない理由と親の関わり方 京の算数学#1463

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算数学コラム

「受験したいと言ったのは本人なのに、まったく勉強しない」
「塾には行っているけれど、家では何もしない」
「こちらが声をかけると嫌がるのに、自分からは動かない」

受験をすると決めたはずなのに、子どもが勉強しないと、保護者の方は不安になります。

このままで間に合うのか。
本当に受験する気があるのか。
親ばかりが焦っているように感じる。

何度も声をかけるうちに、親子の会話が受験の話ばかりになってしまうこともあります。

ただ、「勉強しない」という行動だけを見て、すぐにやる気がないと決めつける必要はありません。

子どもが動けない背景には、いくつかの理由があります。
その中には、保護者が受験の方向性を決めるのを待っているという場合もあります。


「受験したい」と「勉強できる」は別のこと

子どもが「受験したい」と言ったとき、その気持ち自体は本当だったのかもしれません。

しかし、

  • 受験までに何をすればよいのか
  • どれくらい勉強が必要なのか
  • 今の学力でどこを目指せるのか
  • 何から始めればよいのか

まで具体的に分かっているとは限りません。

「受験したい」は希望です。
一方、「今日この問題集をここまで進める」は行動です。

希望を行動に変えるには、勉強のやり方や見通しが必要になります。


受験すると言ったのに勉強しない理由

①何から始めればよいか分からない

受験勉強は範囲が広く、学校の宿題よりもゴールが見えにくいものです。

子どもの中では、

「算数も国語もやらないといけない」
「過去問もあるらしい」
「苦手なところが多すぎる」

と感じ、最初の一歩を決められないことがあります。

やることが多いほど、人は動きやすくなるとは限りません。
むしろ、全体が大きすぎると止まりやすくなります。

②受験の大変さをまだ実感できていない

子どもにとって、受験日はずっと先に感じられることがあります。

保護者は日程や残り期間を見て焦っていても、本人は、

「まだ大丈夫」
「そのうち始める」
「本気を出せば間に合う」

と思っているかもしれません。

これは受験を軽く考えているというより、長い期間を逆算して考えることがまだ難しい場合もあります。

③失敗するのが怖い

本当は勉強しなければならないと分かっていても、動けない子もいます。

勉強を始めると、

  • 分からない問題が出てくる
  • 今の実力が見えてしまう
  • 志望校に届かないかもしれない
  • 頑張っても結果が出ないかもしれない

という不安に向き合うことになります。

そのため、勉強しないことで失敗を見ないようにしている場合があります。

「本気でやって落ちた」よりも、「勉強しなかったから仕方ない」と思える方が、気持ちを守りやすいからです。

④受験したい理由がまだ弱い

「友達が受験するから」
「親に聞かれて、受験すると答えた」
「なんとなく私立の方がよさそう」

という段階では、毎日の勉強を続けるほどの理由になっていないことがあります。

きっかけはそれでもいいんですがやはり大変な受験勉強を乗り越えるとなるとそれ相応の決意と覚悟が必要になってきます。

学校を見学したり、進学後の生活を知ったりする中で、少しずつ現実的になることもあります。

⑤勉強のやり方が分からない

机には向かっていても、

  • 何を復習するのか
  • どこまでできればよいのか
  • 間違いをどう直すのか
  • 分からない問題をどう残すのか

が分からなければ、学習は続きにくくなります。

受験勉強は、本人のやる気だけで進むものではありません。

最初は、具体的な進め方を一緒に整える必要があります。

⑥保護者が方向性を決めるのを待っている

子どもが動かない理由として、見落とされやすいのがこのケースです。

本人は「受験してもいい」「受験したい」と思っていても、

  • 本当に受験するのか
  • どの学校を目指すのか
  • 塾に通うのか
  • 習い事をどうするのか
  • 家庭としてどこまで受験を支えるのか

が決まっておらず、保護者の判断を待っていることがあります。

子どもから見ると、

「自分は受験したいと言ったけれど、やってみて思ったより大変だった。」
「褒められたいが故に無理をして受験をしたいと言ってしまった」

ということもあり、実は保護者や第3者から「もうやめなさい」とストップをかけられることを待っているケースもあります。

つまり、やる気がないというより自身の中では答えがでていてそれを隠している可能性があるということです。


「本人が言い出したのだから、自分でやるべき」では難しいこともある

受験すると言ったのが本人なら、自分から勉強してほしいと思うのは当然ですが

小学生や中学生が、

  • 学校選び
  • 学習計画
  • 費用
  • 通学時間
  • 塾との両立
  • 家庭生活との調整

まで一人で決めることは難しいものです。

本人の意思は大切ですが、受験は家庭全体に関わる選択でもあります。

そのため、最初の方向性は保護者が一緒に整理する必要があります。

「あなたが受験すると言ったんだから、自分でやりなさい」と任せるだけでは、子どもが動けないこともあります。

まず確認したいのは「本当に勉強する気があるか」ではない

子どもが勉強しないと、

「本当に受験する気あるの?」
「やる気がないならやめたら?」

と聞きたくなります。

ただ、この聞き方では、子どもも責められているように感じやすくなります。

まずは、次のようなことを確認してみてください。

「受験したい気持ちは今もある?」
「何が決まっていないから動きにくい?」
「学校を決めたいのか、勉強のやり方が分からないのか、どちらに近い?」
「受験について、お父さんやお母さんに決めてほしいことはある?」

行動だけでなく、やらない理由を探すことが大切です。

保護者が決めた方がよいこと

子どもにすべてを任せるのではなく、家庭として決めた方がよい部分もあります。

たとえば、

  • 受験を家庭として応援するのか
  • 通える学校の範囲
  • 費用面で可能な選択肢
  • 塾や家庭学習の方針
  • 習い事とのバランス
  • いつまでに受験するかどうかを決めるか

などです。

ここが曖昧なままだと、子どもも本気で動いてよいのか分かりません。

家庭として、

「受験するなら、私たちも応援する」
「この範囲の学校なら一緒に考えられる」
「まずは〇月まで取り組んで、その時点で続けるか話そう」

と示すことで、子どもは動きやすくなります。

子どもに任せたいこと

一方で、保護者がすべて決めてしまうと、受験が親のものになってしまいます。

子どもには、

  • どの学校に興味があるか
  • 何を頑張りたいか
  • 一日のどの時間に勉強するか
  • どの教科から始めるか
  • 分からないときに誰に聞くか

など、本人が選べる部分を残すことが大切です。

方向性は一緒に決め、日々の行動は少しずつ本人に任せる。
このバランスが必要です。

勉強を始めるために、目標を小さくする

「受験勉強をする」という目標は大きすぎます。

最初は、

  • 算数を10分する
  • 問題集を2ページ進める
  • 間違えた問題を1問直す
  • 志望校について15分調べる
  • 塾の宿題を一つ終わらせる

くらいで構いません。

勉強しない期間が続いている子に、いきなり毎日2時間を求めても続きにくいものです。

まずは「始められた」という経験を作ることが大切です。

保護者が毎日管理しすぎない

子どもが動かないと、細かく管理したくなります。

「何時からするの?」
「今日は何ページ?」
「本当に終わった?」
「また休んでいるの?」

しかし、管理が増えるほど、子どもは勉強を親の仕事として受け取りやすくなります。

最初に、

  • 今日やること
  • 終える時間
  • 困ったときの相談方法

を確認したら、いったん任せてみましょう。

終わった後に、

「何ができた?」
「どこで止まった?」
「明日は何をする?」

と振り返る方が、自分で進める力につながります。

「やめる?」を脅し文句にしない

勉強しない姿を見ると、

「そんなにやらないなら受験をやめよう」
と言いたくなることもあります。

もちろん、受験を続けるかどうかを見直す必要がある場合もあります。

ただし、感情的な場面で「やめる?」と迫ると、子どもは本音を言いにくくなります。

受験を見直すなら、

  • 本人の気持ち
  • 現在の学習状況
  • 家庭の負担
  • 志望校との距離
  • 続けるために必要な条件

を落ち着いて話すことが大切です。

続けることも、やめることも、罰として決めるものではありません。

受験への気持ちは揺れてもよい

一度「受験する」と言ったからといって、迷ってはいけないわけではありません。

学校を見て気持ちが変わることもあります。
勉強の大変さを知って迷うこともあります。
最初は親の期待に応えようとしていただけかもしれません。

大切なのは、最初の言葉に縛ることではなく、今の気持ちを確認することです。

ただし、迷っている間にも時間は進みます。

そのため、

「今すぐ最終決定しなくてもいいけれど、〇月まではこの学習を続けて考えよう」

というように、考える期間を決める方法もあります。

こんな状態なら勉強方法を見直したい

次のような様子がある場合は、やる気だけでなく、学習の進め方を見直した方がよいかもしれません。

  • 机には向かうが、何をすればよいか分からない
  • 宿題に長い時間がかかる
  • 分からない問題を飛ばしている
  • 丸つけや解き直しをしていない
  • 苦手教科を避け続けている
  • 志望校と現在の学習がつながっていない
  • 保護者に言われないと何も始められない

この場合は、勉強量を増やすよりも、やる内容と順番を整理することが先です。

保護者自身が疲れているときは

受験を支える保護者も、疲れます。

子どもが動かないと、

「私の関わり方が悪いのでは」
「もっと厳しくした方がいいのでは」
「このままでは後悔するのでは」

と考えてしまうことがあります。

しかし、保護者だけで受験への意欲を作ることはできません。

できるのは、

  • 家庭の方向性を示す
  • 子どもの気持ちを確認する
  • 学び方を整える
  • 必要な支援につなげる
  • 最後は本人に行動を任せる

ことです。

保護者がすべて背負わないことも、長く受験を支えるためには大切です。

アイデア数理塾が大切にしていること

アイデア数理塾では、「受験するなら勉強しなさい」と一方的に管理するのではなく、

  • 本人は何を目指しているのか
  • 今どこで止まっているのか
  • 何をすればよいか分かっているか
  • 家庭と本人の方向性が合っているか

を確認することを大切にしています。

勉強のやり方を伝えたうえで、宿題や学習ペースを少しずつ本人に任せます。

任せることは放置ではありません。
困ったときに戻れる場所を作りながら、自分で進める範囲を広げていきます。

まとめ勉強しない背景に「方向性が決まるのを待っている」こともある

「受験する」と言ったのに勉強しないと、やる気がないように見えます。

ただ、その背景には、

  • 何から始めればよいか分からない
  • 受験までの見通しを持てない
  • 失敗するのが怖い
  • 受験したい理由がまだ弱い
  • 勉強のやり方が分からない
  • 保護者が家庭の方向性を決めるのを待っている

といった理由があります。

まず必要なのは、勉強時間を増やすことではありません。

家庭として受験をどう考えているかを示し、子どもが何を待っているのかを確認することです。

方向性を一緒に決めたら、今日やることを小さくし、少しずつ本人に任せていきましょう。

京の算数学 解答#1463

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