数学コラムの目次
京の算数学問題#995

アイデア数理塾はこちら
算数学コラム
みなさんこんにちは!京都市中京区で学習塾を運営しております、油谷拓哉(ゆたに たくや)です。
塾で生徒と接していると、「できるようになった!」という成長の瞬間に立ち会える一方で、子どもたちが挫折を経験する場面にも多く出会います。
同じような挫折を経験しても、すぐに立ち直る子と、なかなか立ち直れない子がいます。
では、この違いはどこから生まれるのでしょうか?
今日は、挫折に強い子と弱い子の違い、そして子どもたちが挫折に強くなるために必要なことをお伝えしていきます。
レジリエンスという考え方
「レジリエンス(resilience)」とは、弾性力(しなやかさ)を表す言葉で、特に心理学では「心の回復力」を意味します。
つまり、挫折や失敗を経験したときに、どれだけ早く立ち直れるかを示す力のことです。
レジリエンスが高い子どもの特徴
レジリエンスが高い子どもは、「自分自身でコントロールできている」という感覚を持っています。
- うまくいくかどうかは自分次第
- できなかったことがあっても、「次にどうするか」を考えられる
- 自分の成功も失敗も、自分の力である程度コントロールできると感じている
つまり、結果に対して「自分の力でなんとかなる」と思える子どもは、挫折からの立ち直りが早いのです。
挫折に強い子は「正しい反省」ができる
レジリエンスが高い子どもは、正しい反省ができています。
- 失敗したときに、すべてを自分のせいにしない
- 「ここは良かった」「ここは改善できる」と整理できる
- できなかった部分だけでなく、できた部分にも目を向けられる
例
「テストの計算問題を間違えたけど、文章題はよくできた」
「この問題はできなかったけど、次は公式をしっかり確認してから解こう」
このように、自分を責めるのではなく、原因を分析して次にどうすればよいかを考えられることが重要です。
初めての挫折は誰でも苦労する
どんなにレジリエンスが高い子でも、初めての挫折には苦しみます。
- 今まで経験してこなかったことへの対処法が分からない
- 立ち直るためにどうすればよいか分からない
- 自分を責めすぎてしまう
このときに、
「そんなことで落ち込むな!」
「もっと頑張りなさい!」
と声をかけるのは逆効果です。
初めての挫折から立ち直るには、子どものペースに合わせて見守ることが大切です。
「どこが難しかったのか」「どうしたら次はうまくいくのか」を一緒に考えてあげることで、子どもは少しずつ立ち直っていきます。
挑戦する回数が多い生徒は挫折に強い
挑戦する経験が多い子どもほど、挫折に強くなります。
挑戦を繰り返すことで、
- 失敗を乗り越える方法が身につく
- 「できた!」という体験を積み重ねる
- 自分の限界や可能性を理解できる
例えば…
- 苦手な単元を先生に聞きに行く
- 参考書のレベルを下げて基礎からやり直す
- できなかった問題を次のテストで克服しようとする
このように、挑戦 → 失敗 → 反省 → 改善を繰り返すことで、自然とレジリエンスが鍛えられます。
小さな自信が挫折を学びに変える
挫折を乗り越えるためには、「わずかな自信」が必要です。
- 毎日コツコツ続けられる
- 計算が早くできる
- 問題を最後まで解ききれる
こうした小さな「できた」という経験が、挫折を乗り越える力になります。
「他人と比べて」ではなく、「以前の自分と比べて」成長を感じることが大切です。
「挫折に弱い」というレッテルを貼っていませんか?
「うちの子は挫折に弱いんです」と子どもの前で言ってしまうと、
その言葉が子どもの中に刷り込まれてしまいます。
「自分は挫折に弱いんだ」と思い込んでしまうと、
挑戦や努力に対して消極的になってしまいます。
「よく頑張ったね!」
「できたところもあるから大丈夫!」
「失敗しても大丈夫。次があるよ!」
こうしたポジティブな言葉がけが、子どものレジリエンスを高めます。
挫折に強い子を育てるために大切なこと
- 失敗しても「できた部分」に目を向ける
- 子どもが自分自身で「できた!」を感じる経験を増やす
- 反省を一緒にして「次にどうすればよいか」を考える
- 「挑戦することが大切」と伝える
- 挫折に弱いというレッテルを貼らない
まとめ
挫折に強い子どもを育てるためには、
- 挑戦する経験を増やす
- 正しい反省を繰り返す
- 「できた!」という小さな成功体験を積み重ねる
- 挫折に対してポジティブな声かけをする
これらを意識することで、子どもは自然と挫折に強くなり、自信を持って物事に取り組めるようになります。
以上、京都市中京区のアイデア数理塾 油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けしました!
算数好きあつまれ~!
京の算数学 解答#995
