京の算数学問題#1543

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算数学コラム
息を吸うと、空気に含まれる酸素が肺へ入ります。
しかし、肺に空気が入っただけでは、酸素を全身の細胞へ運ぶことはできません。
肺の中で、酸素を空気から血液へ移す必要があります。
この気体の交換が行われる場所が肺胞です。
定期テストでは、
- 空気はどのような順番で肺胞へ届くか
- 肺胞はどのようなつくりか
- 肺胞が多数あると、なぜ効率がよくなるか
- 酸素と二酸化炭素はどちら向きに移動するか
- 赤血球やヘモグロビンにはどのような働きがあるか
がよく問われます。
この記事では、肺胞のつくりと働きを、気体の移動する向きに注目して整理します。
肺胞は、血液と気体を交換する小さな袋
肺胞は、気管支の先にある小さな袋状のつくりです。
肺には肺胞が多数あり、その周囲を毛細血管が網目状に取り巻いています。
肺胞と毛細血管の間では、次の向きに気体が移動します。
| 気体 | 移動する向き |
|---|---|
| 酸素 | 肺胞 → 血液 |
| 二酸化炭素 | 血液 → 肺胞 |
覚え方は、酸素は肺胞から血液へ/二酸化炭素は血液から肺胞へです。
肺胞が多数あることで肺の表面積が大きくなり、気体を効率よく交換できます。

呼吸運動とは?
呼吸運動とは、息を吸ったり、はいたりする運動です。
呼吸運動によって、細胞の呼吸で使う酸素を体内に取り入れ、細胞の呼吸でできた二酸化炭素を体外へ出します。
呼吸運動と細胞の呼吸の違い
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 呼吸運動 | 息を吸ったり、はいたりすること |
| 細胞の呼吸 | 細胞が酸素を使って養分からエネルギーを取り出すこと |
「呼吸」という言葉が、単に息をすることを表す場合と、細胞の中で起こる働きを表す場合があるので区別しましょう。
酸素を取り入れるまでの空気の通り道
吸い込んだ空気は、次の順番で肺胞まで進みます。
鼻・口 → 気管 → 気管支 → 肺胞
気管
鼻や口から取り入れた空気が通る管です。
気管支
気管が左右に分かれて肺へ入った後、さらに細かく枝分かれした管です。
肺胞
細かく枝分かれした気管支の先端にある、小さな袋状のつくりです。
肺は、枝分かれした気管支と、その先に集まる多数の肺胞からできています。
肺胞のつくり
肺胞は、ブドウの房のように小さな袋が多数集まったつくりです。
肺胞の周囲には、細い毛細血管が網目状に取り巻いています。
このつくりによって、肺胞の中の空気と毛細血管の中の血液が近い位置で接し、酸素と二酸化炭素を交換できます。
肺胞が多数ある理由
小さな肺胞が多数あると、肺の表面積が大きくなります。
表面積が大きいほど、空気と血液が接する面積が増えるため、気体を効率よく交換できます。
記述問題では、次のように答えます。
肺胞が多数あることで表面積が大きくなり、酸素と二酸化炭素を効率よく交換できる。
「たくさんの酸素をためるため」だけでは、表面積と気体交換の関係を十分に説明できません。
酸素は肺胞から血液へ移動する
息を吸うと、酸素を含む空気が肺胞へ届きます。
肺胞の中の酸素は、肺胞の壁を通り、周囲の毛細血管の血液へ移動します。
吸い込んだ空気 → 肺胞 → 毛細血管の血液
こうして血液に取り入れられた酸素は、心臓へ戻った後、全身へ送り出されます。
酸素の向きを覚えるコツ
体の外から入ってきた酸素は、肺胞を通って血液へ入ります。
酸素は「外から中へ」=肺胞から血液へ
と考えると、矢印の向きを判断しやすくなります。
二酸化炭素は血液から肺胞へ移動する
全身の細胞では、細胞の呼吸によって二酸化炭素ができます。
二酸化炭素は血液によって肺まで運ばれ、毛細血管から肺胞へ移動します。その後、息をはくことで体外へ出されます。
全身の細胞 → 血液 → 肺胞 → はく息 → 体外
二酸化炭素の向きを覚えるコツ
体外へ捨てたい二酸化炭素は、血液から肺胞へ出ます。
二酸化炭素は「中から外へ」=血液から肺胞へと覚えましょう。
肺胞での気体交換を表で整理
| 比較 | 酸素 | 二酸化炭素 |
|---|---|---|
| 肺胞での移動 | 肺胞から血液へ | 血液から肺胞へ |
| その後 | 血液で全身へ運ばれる | はく息に含まれて体外へ出る |
| おもな役割 | 細胞の呼吸に使われる | 細胞の呼吸でできた不要物として排出される |
図の矢印を答える問題では、肺胞側と血液側を最初に確認してから、気体の名前を書きましょう。
赤血球とヘモグロビンの働き
血液の成分の一つである赤血球は、酸素を運びます。
赤血球には、ヘモグロビンという赤い色素が含まれています。
ヘモグロビンには、酸素の多いところで酸素と結びつき、酸素の少ないところで酸素をはなす性質があります。
肺では
肺胞から血液へ酸素が入るため、ヘモグロビンは酸素と結びつきます。
全身の細胞の近くでは
酸素が少ないため、ヘモグロビンは酸素をはなし、細胞へ渡します。
つまり、肺で酸素と結びつく → 血液で運ぶ → 全身の細胞で酸素をはなすという流れです。
吸う息とはく息の違い
はく息は、吸う息と比べて酸素が少なく、二酸化炭素が多くなっています。
| 気体 | 吸う息とはく息の比較 |
|---|---|
| 酸素 | はく息の方が少ない |
| 二酸化炭素 | はく息の方が多い |
| 窒素 | 割合はほとんど変わらない |
はく息にも酸素が含まれています。吸い込んだ酸素のすべてが血液へ移動するわけではないからです。
「はく息には酸素がない」と考えないようにしましょう。
肺胞と柔毛の共通点
肺胞と小腸の柔毛には、共通したつくりがあります。
| つくり | 表面積が大きいことの利点 |
|---|---|
| 肺胞 | 酸素と二酸化炭素を効率よく交換できる |
| 小腸の柔毛 | 栄養分を効率よく吸収できる |
どちらも、小さなつくりを多数もつことで表面積を大きくしています。
ただし、肺胞は気体交換、柔毛は栄養分の吸収に関わるつくりです。
定期テストでよくある記述問題
問題1|肺胞が多数あることには、どのような利点がありますか
解答例:肺の表面積が大きくなり、酸素と二酸化炭素を効率よく交換できる。
「表面積」と「効率よく交換」の両方を入れましょう。
問題2|肺胞では、酸素と二酸化炭素がどのように移動しますか
解答例:酸素は肺胞から毛細血管の血液へ移動し、二酸化炭素は血液から肺胞へ移動する。
気体の名前と矢印の向きをセットで書きます。
問題3|赤血球はどのように酸素を運びますか
解答例:赤血球に含まれるヘモグロビンが肺で酸素と結びつき、全身へ運ぶ。
定期テストでよくある間違い
間違い1|酸素は血液から肺胞へ移動する
酸素は肺胞から血液へ移動します。血液から肺胞へ移動するのは二酸化炭素です。
間違い2|肺胞は気管のすぐ先にある
気管は左右の気管支に分かれ、気管支がさらに細かく枝分かれした先に肺胞があります。
間違い3|肺胞が多数あると肺の体積が大きくなる
テストで問われる利点は、肺の表面積が大きくなり、気体交換の効率がよくなることです。
間違い4|ヘモグロビンは白血球に含まれる
ヘモグロビンが含まれるのは赤血球です。白血球は、体内に入った細菌などを分解する働きがあります。
間違い5|はく息には酸素が含まれない
はく息にも酸素は含まれます。ただし、吸う息より割合が少なくなっています。
すぐできる確認問題
問題1
気管支の先にある小さな袋状のつくりを何といいますか。
答え:肺胞
問題2
吸い込んだ空気が肺胞へ届くまでの道すじを答えなさい。
答え:鼻・口 → 気管 → 気管支 → 肺胞
問題3
肺胞の周囲を取り巻く血管は何ですか。
答え:毛細血管
問題4
酸素と二酸化炭素が移動する向きを、それぞれ答えなさい。
答え:酸素は肺胞から血液へ、二酸化炭素は血液から肺胞へ
問題5
肺胞が多数あることの利点は何ですか。
答え:表面積が大きくなり、気体を効率よく交換できる
問題6
赤血球に含まれ、酸素と結びつく物質は何ですか。
答え:ヘモグロビン
まとめ|肺胞と気体の向きをセットで覚えよう
肺が酸素を取り入れるしくみは、次のように整理できます。
- 空気は鼻・口、気管、気管支を通って肺胞へ届く
- 肺胞は、気管支の先にある小さな袋状のつくり
- 肺胞の周囲には毛細血管が取り巻いている
- 肺胞が多数あることで表面積が大きくなり、気体を効率よく交換できる
- 酸素は肺胞から血液へ移動する
- 二酸化炭素は血液から肺胞へ移動する
- 赤血球のヘモグロビンが酸素と結びついて全身へ運ぶ
最後に、酸素は肺胞から血液へ/二酸化炭素は血液から肺胞へを確認しましょう。
記事と一緒に一問一答PDFを使うと、肺胞のつくり、気体の向き、赤血球の働きをまとめて復習できます。
定期テスト直前対策「中2理科 肺胞とは?」
京の算数学 解答#1543




