数学コラムの目次
京の算数学問題#1516

アイデア数理塾はこちら
算数学コラム
文章題で図を書かない子に、図を書かせるべきか。
結論から言うと、図は書けるようにした方がよいです。
ただし、すべての文章題で必ず図を書かせる必要はありません。
大切なのは、図を書くことそのものではなく、問題の中の数量関係を見えるようにすることです。
文章題で図が必要になるのは、主に次のような場面です。
- 数字だけを見て式を作ってしまう
- 何を求める問題か分からない
- どの数字を使えばよいか迷う
- 途中で条件を1つ使い忘れる
- 割合・速さ・比・差・残りなどの関係が見えない
- 文章を読んでも場面が頭に浮かばない
一方で、すぐに式が作れ、数字の意味も説明できる問題なら、毎回図を書かなくても大丈夫です。
図は、きれいに描くためのものではありません。
考えるために、頭の中を整理するツールです。
この記事は、次のようなお子さまの保護者の方に向けて書いています。
- 小学生で、算数の文章題になると手が止まる
- 文章題で数字だけを見て式を作ってしまう
- 「図を書きなさい」と言っても嫌がる
- 図を書いても、何を書けばよいか分かっていない
- 中学生で、方程式の文章題や関数の問題が苦手
- 図や表を使った考え方を身につけてほしい
- 京都市中京区・烏丸御池周辺で、算数・数学の学習塾を探している
文章題の図は、小学生の算数だけでなく、中学生の数学にもつながります。
図を書かない理由は一つではありません
図を書かない子を見ると大人は
「面倒くさがっている」
「ちゃんと考えていない」
「図を書けば分かるのに」
と思ってしまうことがあります。
でも、子どもが図を書かない理由は一つではありません。
| 見える様子 | 背景にあること |
|---|---|
| 図を書かずに式だけ作る | 数字だけを見ている |
| 図を書きなさいと言うと嫌がる | 何を書けばよいか分からない |
| 図がぐちゃぐちゃになる | 場面を整理できていない |
| 図は書くが式につながらない | 図と数字の関係が見えていない |
| 図をきれいに描こうとする | 図を作品のように考えている |
| 図を書かなくても解けると言う | 簡単な問題と難しい問題の区別ができていない |
つまり、図を書かない子に必要なのは、
「図を書きなさい」という指示だけではありません。
まずは、なぜ図を書けないのかを観察することが大切です。
図を書かせた方がよいケース
1.数字だけを見て式を作っている場合
文章題で一番多いのが、数字だけを見て式を作るパターンです。
1個120円のノートを3冊買い、500円を出しました。おつりはいくらですか。
この問題で、
500 − 120 = 380
としてしまう子がいます。
この子は、120円と500円は使えていますが、「3冊」を使えていません。
また、500-120-3のように書いてある数字を適当に足したり引いたりするケースも少なくありません。
この場合、図や簡単なメモが役立ちます。
ノート1冊 120円
ノート3冊 120円 × 3
出したお金 500円
おつり 500円 − 3冊分
このように書くと、先に3冊分の代金を出す必要が見えてきます。
図といっても、絵を描く必要はありません。
数字の意味を整理するメモでも十分です。
2.何を求める問題か分からない場合
文章題で手が止まる子は、式以前に、何を求める問題か分かっていないことがあります。
Aさんは180円、Bさんは240円持っています。BさんはAさんより何円多く持っていますか。
この問題で、180 + 240 = 420としてしまう子がいます。
この場合、2つの数字は読めています。
でも、「何円多く」という問いを読めていません。
こういうときは、線分図が役立ちます。
Aさん:180円 |ーーーーーー|
Bさん:240円 |ーーーーーーーーーーーーー|
差:?
線で長さを比べると、足す問題ではなく、差を求める問題だと見えやすくなります。
3.条件が複数ある場合
文章題の中に条件が複数あると、頭の中だけでは整理しにくくなります。
りんごをいくつか買いました。
最初に3個食べ、次の日に残りの半分を食べると、6個残りました。
最初にりんごは何個ありましたか。
このような問題は、いきなり式を作ろうとすると混乱します。
図や矢印で、
最初
↓ 3個食べる
残り
↓ 半分食べる
6個残る
のように流れを書くと、逆から考えやすくなります。
条件が多い問題では、図は「考える順番」を整理するために役立ちます。
4.割合・速さ・比の問題
割合、速さ、比は、数字の関係が見えにくい単元です。
特に割合では、
- もとにする量
- 比べる量
- 割合
の関係が分からなくなる子が多いです。
500円の20%はいくらですか。
これは比較的解きやすい問題です。
しかし、20%引きで400円になりました。もとの値段はいくらですか。
になると、急に手が止まる子がいます。
この場合、線分図で
もとの値段:100%
値引き後:80%
80%が400円
と整理すると、何を求めるべきかが見えやすくなります。

割合の問題では、図や線分図を使うことで、「どれがもとになっているか」を確認できます。
5.図形や位置関係が出てくる場合
文章題の中に、距離、道順、位置、面積、角度などが出てくる場合は、図が必要になることが多いです。
家から学校まで600mあります。家を出て200m歩いたところで忘れ物に気づき、家に戻ってからまた学校へ行きました。
全部で何m歩きましたか。
この問題を数字だけで見ると、
600 + 200だけにしてしまう子がいます。
でも、実際には、
家 → 200m進む
200m地点 → 家に戻る
家 → 学校600m
なので、200 + 200 + 600 = 1000mです。
道のりの問題では、簡単な線を書くだけで考えやすくなります。
図を書かなくてもよいケース
図は大切ですが、すべての問題で必ず書く必要はありません。
1.数字の意味がすぐ説明できる場合
たとえば、1個80円の鉛筆を4本買いました。代金はいくらですか。
この問題で、
80円は1本の値段
4本買う
だから 80 × 4
と説明できるなら、無理に図を書かなくても大丈夫です。
2.一段階の計算で解ける場合
問題が短く、数量関係もはっきりしている場合は、式だけで十分なことがあります。
ただし、間違えた場合は、図やメモで確認した方がよいです。
3.図を書くことが目的になっている場合
図を書いているのに、式につながっていないことがあります。
この場合、図を書いたから安心ではありません。
大切なのは、
- 何を求めるか
- どの数字が何を表すか
- 数字同士がどうつながるか
が見えていることです。
図を書いていても、それが考える助けになっていなければ、使い方を見直す必要があります。
図を書かせるべきかを見分ける質問
家庭では、次の質問で図が必要かどうかを見分けやすくなります。
質問1「この問題は何を求める問題?」
ここで答えられない場合は、図やメモでゴールを整理した方がよいです。
質問2「この数字は何を表している?」
数字の意味を説明できない場合は、図や表で整理する必要があります。
質問3「先に何を求める?」
2段階以上の問題でこの質問に答えられない場合は、図が役立ちます。
質問4「場面を簡単に絵や線で表せる?」
文章だけで混乱している場合、絵や線にすると見えやすくなることがあります。
質問5「図を書かなくても、なぜその式になるか説明できる?」
説明できるなら、図は必須ではありません。
説明できないなら、図やメモで考えを見えるようにした方がよいです。
図を書くときに大切なこと
1.きれいな図を求めすぎない
図は、作品ではありません。
大切なのは、きれいに描くことではなく、考えやすくすることです。
線が少し曲がっていても構いません。
丸や四角だけでも十分です。
数字と単位が書いてあれば、かなり考えやすくなります。
2.絵ではなく「関係」を書く
文章題の図で大切なのは、絵の上手さではありません。
たとえば、ノート3冊の問題で、ノートを丁寧に3冊描く必要はありません。
120円 × 3冊
500円から引く
という関係が見えればよいのです。
3.図と式をつなげる
図を書いて終わりではありません。
図を書いたら、
「この図のどこが式になっている?」
「どの数字を使う?」
「先に何を出す?」
と確認します。
図と式がつながることで、文章題の理解が深まります。
原因別の対策
何を書けばよいか分からない場合
- 数字と単位だけ書く
- 何を求めるかを先に書く
- 登場するものを丸で囲む
- 線や矢印で流れを書く
- きれいな絵を求めない
最初から立派な図を書かせる必要はありません。
「数字に意味をつける」ことから始めるとよいです。
図を書いても式につながらない場合
- 図の中の数字を指さす
- 先に求めるものを確認する
- 図のどこが式になるか聞く
- 図を書いたあと、式を1つだけ作る
- 答えの単位を確認する
図と式が別々になっている子には、つなげる練習が必要です。
図を書くのを面倒がる場合
- 全部の問題で図を書かせない
- 間違えた問題だけ図にする
- 数字が3つ以上出たらメモする
- 2段階の問題だけ図を書く
- 「図」ではなく「メモ」と言う
「図を書きなさい」と言うと負担に感じる子もいます。
その場合は、「簡単にメモしてみよう」の方が取り組みやすいことがあります。
数字だけで式を作る場合
- すぐに式を書かせない
- 数字に単位をつける
- 何を求める問題か確認する
- 使う数字と使わない数字を分ける
- 図や表で関係を見る
数字だけを見る子には、計算の前に「読む」時間が必要です。
図をきれいに描こうとしすぎる場合
- 簡単な線でよいと伝える
- 丸や四角だけで表す
- 絵の上手さを評価しない
- 早く描ける図を練習する
- 必要な数字だけ書く
図は、ノートをきれいに見せるためではありません。
問題を解くための道具です。
図を書けば必ず解けるわけではありません
図は大切ですが、図を書けば必ず文章題が解けるわけではありません。
注意したいのは、次のような場合です。
- 図だけ描いて、数字の意味を見ていない
- 図が式につながっていない
- 何を求める問題か分からないまま描いている
- きれいな図に時間を使いすぎている
- 図を書くことが目的になっている
また、文章題によっては、図より表や式の方が分かりやすい場合もあります。
たとえば、規則性、比例、関数の問題では、図より表の方が整理しやすいことがあります。
大切なのは、図にこだわりすぎないことです。
図・表・線分図・メモ・式。
その問題に合った方法で、考えを見えるようにすることが大切です。
塾の先生として見ていること
塾で文章題を見るとき、私は「図を書いているか」だけでは判断しません。
見るのは、
- 何を求める問題か分かっているか
- 数字の意味を見ているか
- 条件を使い忘れていないか
- 図が式につながっているか
- 図を書かなくても説明できるか
- 図が必要な問題で、頭の中だけで無理をしていないか
- 間違えたあとに、図やメモで整理できるか
です。
図を書かない子に対して、ただ「図を書きなさい」と言っても変わらないことがあります。
まずは、どの数字が何を表しているのか。
何を求めたいのか。
数字同士がどうつながっているのか。
そこを見えるようにすることが大切です。
アイデア数理塾が大切にしていること
アイデア数理塾では、文章題で図を書くことを「作業」としては見ていません。
大切にしているのは、
- 問題文を最後まで読むこと
- 数字の意味を確認すること
- 何を求める問題かを整理すること
- 必要に応じて図や表にすること
- 図と式をつなげること
- 答えだけでなく、考え方を見ること
です。
京都市中京区・烏丸御池周辺で、小学生の算数や中学生の数学の文章題に不安がある方は、
「図を書かないからダメ」
と決めつける前に、なぜ図を書かないのか、図が必要な問題なのかを見てみることが大切です。
図は、子どもに無理やり書かせるものではありません。
自分の考えを整理し、式につなげるための道具です。
まとめ 図は必要なときに使えるようにすることが大切
図を書かない子に図を書かせるべきか。
答えは、必要な場面では書けるようにした方がよいです。
ただし、すべての文章題で必ず図を書かせる必要はありません。
図が必要なのは、
- 数字だけを見て式を作ってしまう
- 何を求める問題か分からない
- 条件が複数ある
- 割合・速さ・比などの関係が見えにくい
- 道のりや位置関係を整理したい
- 間違えた理由を確認したい
ような場合です。
一方で、数字の意味を説明でき、すぐに式へつなげられる問題なら、図を書かなくても構いません。
大切なのは、図を書くかどうかではありません。
問題の場面を理解し、数量の関係を見えるようにできるか。
そのために、図、表、線分図、メモ、式を使い分ける力を育てていきましょう。
京の算数学 解答#1516





