数学コラムの目次
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京の算数学問題#1449

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算数学コラム
「数学A・B・Cがなくなるって本当?」
「高校数学の科目が一つにまとめられるの?」
「大学入試にはどのような影響がある?」
高校数学について、これまでの「数学A・数学B・数学C」という区分を見直し、一つの新しい選択科目に統合する案が検討されています。
文部科学省の算数・数学ワーキンググループが2026年5月に示した取りまとめでは、高校の選択科目である数学A・B・Cを一つの新科目にまとめ、生徒が進路希望などに応じて必要な内容を選んで学べるようにする方向が示されました。
ただし、これは2026年6月時点での検討案です。
実施時期も予定では2032年度からの実施が予定されていますが現時点ではあくまで”予定”です。
新しい科目名、履修方法、実施時期、大学入試での扱いなどが、すべて確定したわけではありません。
現在の高校数学はどうなっている?
現在の高校数学は、次の6科目で構成されています。
- 数学Ⅰ
- 数学Ⅱ
- 数学Ⅲ
- 数学A
- 数学B
- 数学C
このうち、数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲは、数式や関数、微分・積分などを段階的に学ぶ科目です。
一方、数学A・B・Cには、確率、統計、数列、ベクトルなど、異なる分野の内容が振り分けられています。
現在は、例えば次のように分かれています。
| 現在の科目 | 主な内容 |
|---|---|
| 数学A | 場合の数と確率、図形の性質、数学と人間の活動 |
| 数学B | 数列、統計的な推測、数学と社会生活 |
| 数学C | ベクトル、平面上の曲線と複素数平面、数学的な表現の工夫 |
学校や進路によって履修する内容が異なり、「数学Bを履修したから、数学Bの全内容を学んだ」とは限らない仕組みになっています。
新しい再編案では数学A・B・Cを統合
新しい案では、数学A・B・Cという三つの選択科目を、一つの新科目に統合する方向が示されています。
文部科学省の資料では、次のように整理されています。
高等学校の選択科目の数学A・B・Cについて、一つの新科目に統合し、生徒が自らの進路希望等に合わせ、必要な学習内容を選択履修できるようにする。
つまり、単純にA・B・Cの内容を全部一つの教科書に詰め込むというより、大きな一つの科目の中から、進路に必要な分野を選んで学ぶ仕組みを目指していると考えられます。
新科目にまとめられる6つの内容
2026年5月の検討資料では、新しい選択科目に含める内容として、次の6つが示されています。
| 分野 | 学習内容のイメージ |
|---|---|
| 場合の数と確率 | 組み合わせや確率 |
| 推測統計 | 標本から全体の傾向を推測する統計 |
| 行列 | 数を縦横に並べて計算・表現する方法 |
| 数列 | 数が一定の規則で並ぶ仕組み |
| 幾何ベクトル | 大きさと向きを使った図形の表現 |
| 平面上の曲線と複素数平面 | 曲線や複素数を図形として扱う内容 |
このうち、特に注目されているのが行列です。
余談ですが旧課程の数学Cでは行列がありました。
現在では行列は削除されていますが、新しい案では「数と式」の一分野として、よりはっきり位置づけられています。
なぜ数学A・B・Cを統合するの?
科目名だけでは学ぶ内容が分かりにくいから
現在の数学A・B・Cには、性質の異なる内容が一つの科目内に入っています。
例えば数学Bには、数列、統計的な推測、数学と社会生活があります。
しかし、学校によって履修する項目が異なるため、
「数学Bを学んだ」
「数学Cを履修した」
という科目名だけでは、実際に何を学んだのかが分かりにくい面があります。
一つの新科目にまとめ、学ぶ分野を明確に選ぶ形にすることで、履修内容を分かりやすくする狙いがあると考えられます。
進路に合わせて選びやすくするため
高校卒業後の進路によって、必要な数学は異なります。
例えば、
- 医療や社会科学では確率・統計
- 情報系では行列・統計
- 工学や物理では数列・ベクトル
- 数学や物理を深く学ぶ場合は複素数平面
といったように、進路によって重要になる分野が変わります。
新しい仕組みでは、「数学Aを履修する」「数学Cを履修する」という科目単位ではなく、進路に必要な分野を選択して学ぶことが想定されています。
AI・データサイエンス時代に対応するため
今回の再編案の背景には、AIやデータサイエンスの広がりがあります。
文部科学省の資料では、高校で重視する数学の基礎として、
- 行列
- 微分・積分
- 確率
- 統計
が挙げられています。
これらは、それぞれ線形代数学、解析学、確率論、統計学につながる内容です。AI技術や数理科学、データサイエンスの仕組みを理解し、適切に活用するための基礎として重視する方向が示されています。
数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲはどうなる?
今回、統合の対象として示されているのは、選択科目である数学A・B・Cです。
数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲをすべて一つに統合するという話ではありません。
現時点の案では、おおむね次のような構成が想定されています。
| 科目 | 再編の方向 |
|---|---|
| 数学Ⅰ | 必履修科目として内容を見直す |
| 数学Ⅱ | 主に関数や微分・積分などを扱う |
| 数学Ⅲ | 極限、微分法、積分法を扱う |
| 数学A・B・C | 一つの新しい選択科目に統合 |
数学Ⅱには、いろいろな式、図形と方程式、指数・対数関数、三角関数、微分・積分などが位置づけられる案が示されています。
数学Ⅲは、極限・微分法・積分法を中心にした科目として整理される方向です。
数学Ⅰには新しい内容も加わる予定
数学A・B・Cの統合だけでなく、必履修科目である数学Ⅰにも変更案があります。
検討資料では、数学Ⅰに、
- 数学ガイダンス
- 社会を読み解く数学
を新設する方向が示されています。
数学ガイダンスとは
数学ガイダンスは、数学の内容を個別に学ぶだけでなく、
- 数学にはどのような分野があるのか
- それぞれの内容がどうつながっているのか
- 数学が社会でどう使われているのか
- 進路に応じて何を学べばよいのか
といった、数学全体の見取り図を学ぶ内容になると考えられます。
社会を読み解く数学とは
社会を読み解く数学は、現実の問題を数値やデータで捉える学習です。
例えば、
- ニュースに出てくる統計
- 割合や指数の見方
- グラフの読み取り
- 調査結果の信頼性
- データを使った判断
などにつながる内容が想定されます。
単に計算問題を解くのではなく、数学を使って社会を考える力を育てる方向です。
共通テストを見ていてもいかに数学を社会と接続させるか?という意図が感じられます。
まさに時代の変化といえます。
文系でも行列や統計を学ぶことになる?
新科目に行列や統計が含まれるからといって、すべての高校生が6分野すべてを同じ深さで学ぶと決まったわけではありません。
今回の案では、生徒が進路希望などに合わせて必要な内容を選択履修する方向が示されています。
そのため、
- 全員が共通して学ぶ内容
- 大学進学者が学ぶ内容
- 理系進学者が深く学ぶ内容
- 情報・データ系に進む生徒が学ぶ内容
をどのように分けるかが、今後の重要な検討事項になります。
ただし、AIやデータ活用が多くの分野に広がっていることを考えると、確率・統計や行列の基礎を、文系・理系を問わず学びやすくする方向性は読み取れます。
「数学A・B・Cがなくなる」と言い切っていい?
現段階では、慎重な表現が必要です。
正確には、
数学A・B・Cを一つの新科目に統合する方向で検討されている
という状態です。
まだ確定していないのは、例えば次の点です。
- 新科目の正式名称
- 何単位の科目になるか
- 6分野のうち何を必ず履修するか
- 高校やコースごとの選択方法
- 教科書が何冊になるか
- 大学入学共通テストでの出題方法
- 個別大学入試での科目指定
- 新課程の実施年度
そのため、「数学A・B・Cの廃止が正式決定した」とするのは早い段階です。
大学入試はどう変わる?
2026年6月時点では、新科目に対応した大学入試の詳細は決まっていません。
ただし、科目が統合された場合、大学側は従来のように、
「数学Ⅰ・A」
「数学Ⅱ・B・C」
という指定を続けられなくなる可能性があります。
将来的には、
- 新科目の中の指定された分野を出題する
- 学部ごとに必要な分野を示す
- 共通テストで共通部分を出題する
- 個別試験で数列・ベクトル・統計などを指定する
といった形が考えられます。
これは現時点での推測であり、大学入試の具体的な変更は今後の発表を待つ必要があります。
高校や先生の負担はどうなる?
選択の自由度が高くなる一方で、学校側には難しい課題もあります。
例えば、同じ新科目の中で、
- 統計を学ぶ生徒
- ベクトルを学ぶ生徒
- 行列を学ぶ生徒
- 複数の分野を学ぶ生徒
が分かれた場合、時間割や授業クラスをどう組むかという問題があります。
また、小規模な高校では、進路別に細かく授業を分けるのが難しい可能性もあります。
「選べる科目」にしても、学校の事情によって実際の選択肢が限られてしまわないかは、今後注目したい点です。
中学生は今から何を準備すればいい?
高校数学の科目名が変わっても、必要になる基礎は大きく変わりません。
計算を意味から理解する
正負の数、文字式、方程式、平方根などは、高校の数式や行列、関数を学ぶ土台です。
答えだけでなく、途中式を書いて考えを整理する習慣が必要です。
関数とグラフに慣れる
比例・反比例、一次関数、二次関数は、高校のさまざまな関数や微分・積分につながります。
式・表・グラフを関連づけて考えることが大切です。
確率やデータを避けない
今後の数学では、確率や統計がさらに重視される可能性があります。
平均を求めるだけでなく、
「このデータから何が言えるのか」
「この調査結果は信用できるのか」
まで考える力が求められます。
自分の考えを説明する
新しい高校数学では、計算結果だけでなく、数学を使って判断し、根拠を説明する力がより重視される方向です。
中学生のうちから、「なぜその式にしたのか」を説明する習慣をつけておくことが、高校数学の準備になります。
京都・中京区で高校数学に備える方へ
高校数学の再編によって、科目名や履修方法が変わる可能性はあります。
しかし、行列・統計・ベクトル・数列などを理解するためにも、中学校で学ぶ、
- 文字式
- 方程式
- 関数
- 図形
- 確率
- データの活用
が土台になります。
アイデア数理塾では、新しい内容を急いで先取りすることよりも、まずは今学んでいる数学を意味から理解し、自分で考えられる状態に整えることを大切にしています。
制度が変わっても、基礎を使って新しい内容を理解する力は変わりません。
まとめ 数学A・B・Cは一つの選択科目へ統合する方向
新しい高校数学の再編案では、現在の数学A・B・Cを、一つの新しい選択科目に統合する方向が示されています。
新科目にまとめられる内容は、現在の案では次の6分野です。
- 場合の数と確率
- 推測統計
- 行列
- 数列
- 幾何ベクトル
- 平面上の曲線と複素数平面
生徒は、この中から進路に必要な内容を選択して学ぶことが想定されています。
背景には、AI・データサイエンス時代への対応や、科目と履修内容の関係を分かりやすくする狙いがあります。
ただし、2026年6月時点では検討段階です。新科目の名称や単位数、実施時期、大学入試の扱いなどは、今後の審議によって変わる可能性があります。
京の算数学 解答#1449





