京の算数学問題#1134

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算数学コラム
こんにちは!京都市中京区で算数・数学専門の「アイデア数理塾」を運営しております、油谷拓哉(ゆたに たくや)です。
学習塾で指導をしていると、多くの子どもが発する口ぐせがあります。
それは——
「わからない」。
テストや宿題に向き合うとき、すぐに「わからない」と言って手が止まってしまう子。
保護者の方からも「何を聞いても“わからない”しか返ってこなくて困っています」というご相談をよくいただきます。
今回は、そんな「わからない」が口ぐせになってしまった子どもへの対応法についてお伝えします。
1. 「わからない」が口ぐせになる理由
子どもが「わからない」と言うとき、必ずしも本当に理解できないわけではありません。背景にはいくつかのパターンがあります。
① 思考を止めるための逃げ言葉
難しい問題に直面したとき、「考えるのがめんどう」「失敗したくない」という気持ちから、とりあえず「わからない」と言ってしまう場合です。
② 自信のなさからくる反応
「どうせ自分にはできない」という自己否定の気持ちが先に出てしまい、挑戦する前から「わからない」と口にするケース。
③ 言葉で説明できない
実は頭の中で半分くらいは理解できているけれど、言葉にして整理する力が未発達なため「わからない」と表現してしまう場合。
④ 習慣化している
日常的に「わからない」を繰り返すうちに、考える前に口から出てしまう“癖”になっていることもあります。
2. NG対応:逆効果になりやすい声かけ
親としては「なんでわからないの?」「ちゃんと考えなさい!」と言いたくなるものです。
しかし、これは逆効果になりがちです。
- 「わからない」と言っただけで叱られる
→ 子どもは余計に考えることをやめ、黙り込む - 「考えればわかるでしょ」
→ 子どもにとってはプレッシャーとなり、さらに思考がストップ
大切なのは「わからない」を禁止しないことです。
むしろ、「わからない」と言ったあとにどう行動するかを一緒に決めてあげることがポイントです。
3. 「わからない」を前進につなげる対応法
では、どう対応すれば「わからない」が学びの第一歩に変わるのでしょうか?
① 「どこまでわかるか」を確認する
「全部わからない」ではなく、「ここまではわかる」「ここから先がわからない」と分けさせること。
「問題の意味はわかる?」「数字の計算はできた?」と具体的に切り分ける質問をすると、子どもも考えやすくなります。
② 言葉でなく絵や図を使わせる
「説明できない=理解していない」ではありません。
絵や図を書かせると、子ども自身の理解度が可視化されます。
「ここまでは絵にできるけど、ここからが描けない」という発見につながります。
③ 「わからない」の次の行動を決めておく
家庭学習でおすすめなのは「“わからない”と思ったら、すぐに3分考えてみる」というルールです。
そのあとで「教科書を見直す」「調べる」「人に聞く」など“行動の選択肢”をあらかじめ用意しておきましょう。
④ 小さな成功体験を積ませる
「わからない」と言っていた問題でも、少しのヒントで解けることがあります。
「ほら、自分でできたね!」と小さな成功を認めることで、「わからない=終わり」ではなく「わからない=できるチャンス」と考えられるようになります。
4. 保護者ができる具体的な声かけ例
最後に、ご家庭で使える声かけの例をいくつかご紹介します。
- 「全部わからないんじゃなくて、どこからわからないか一緒に探そう」
- 「わからない時はまず絵にしてみようか」
- 「3分だけ考えてみて、それでもダメなら教えてって言っていいよ」
- 「今はできなくても大丈夫。できた部分を一緒に確認しよう」
ポイントは 「できないところより、できているところに目を向ける」 ことです。
そうすることで、子どもは「自分は少しずつできている」と実感でき、自信を回復していきます。
まとめ
「わからない」が口ぐせになっている子どもには、
- 考える前に逃げている
- 自信のなさから出ている
- 言葉にできないだけ
など、さまざまな背景があります。
大切なのは「わからない」を否定せず、次の行動につなげるサポートをすること。
「どこまでわかるか」を切り分けたり、図を描かせたり、少しのヒントで成功体験を積ませたりすることで、学習は前に進みます。
「わからない」は成長の入口。
焦らずにサポートしてあげてくださいね。
以上!京都市中京区のアイデア数理塾、油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けしました。
算数好きあつまれ〜!
京の算数学 解答#1134
