心理学から考える子育ての視点 〜心が楽になる子育てへ〜 京の算数学#866

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算数学コラム

みなさんこんにちは!京都市中京区で塾を運営しております。油谷拓哉(ゆたに たくや)です!

「人は自分の作り出した世界で生きている」。

この言葉は、それぞれの脳が情報をどのように解釈するかによって、同じ現実でも異なる世界を作り出していることの例えです。

心理学では「バイアス」という用語で表現されるこの現象について、今日は子育てに役立つ視点からお話ししたいと思います。

もしも子育てが少しでも楽になるきっかけになれば嬉しいです!

バイアスとは?

「バイアス」は日本語で「偏り」と訳され、私たちが無意識に抱く思い込みや偏見を指します。

たとえば、「子育ては母親がするものだ」というような考えがバイアスの一例です。

脳は情報を効率よく処理するために、このような「思い込み」を自動的に作り上げてしまいます。

そのため、バイアスに気づかずにいると、物事を固定観念で判断しがちです。

まずは自分がどんなバイアスを持っているのかを知ることが、バイアスの影響を減らす第一歩です。

実は、このバイアスには166種類以上もあると言われており、現在も研究が進んでいます。ここでは、特に子育てにおいて注意したい3つのバイアスをご紹介します。

子育てで気をつけたいバイアス①:透明性の錯覚

1998年、コーネル大学のトーマス・ギロヴィッチ博士らによって、「透明性の錯覚」という現象が報告されました。

これは「自分の感情や考えが、実際よりも他者に伝わっている」と錯覚してしまう現象です。

言い換えれば、自分の言ったことがすべて相手に理解されていると思い込んでしまうバイアスです。

子育てにおいても、このバイアスが思わぬ摩擦を生むことがあります。

「これくらいのことは言わなくてもわかってくれているだろう」と思っても、実際は子どもが理解していない場合があるのです。

子どもに伝えたいことは、できるだけ丁寧に、具体的に説明することが大切です。

「どうしてそう思うのか」や「どんな行動を期待しているのか」をしっかり伝えることで、お互いの認識が一致しやすくなります。

子育てで気をつけたいバイアス②:対応バイアス

対応バイアスとは、物事の一部分だけを見て全体を判断してしまうバイアスです。

例えば、有名なラーメン屋に行列ができていて、それを外国人観光客が並んでいる場面に遭遇したとします。

実際は日本人も並んでいるにもかかわらず、「観光客ばかりが並んでいる店だ」と思い込んでしまうような状況です。

子育てでも、学校やクラスでの些細なトラブルなどが起きると、対応バイアスが影響を与えがちです。

たとえば、「学校でうまくやれていない」とか、「うちの子はこういうタイプだ」という先入観で、トラブルを事実と異なる形で捉えてしまうことがあります。

対応バイアスを防ぐには、「なぜそうなったのか?」と物事の背景を冷静に振り返ることが重要です。

これにより、子どもに対しても適切なサポートができるようになります。

子育てで気をつけたいバイアス③:アンコンシャスバイアス

アンコンシャスバイアス(無意識のバイアス)とは、無意識に形成された物事の捉え方のことです。

私たちは、知らず知らずのうちに「子育ては自己犠牲が前提だ」「母親は子どものために尽くすべき」などといった思い込みを抱いていることが多いのです。

このような無意識の偏りが、かえって自分を苦しめてしまうことがあります。

たとえば、「子どものために何でもしてあげなければならない」と思ってしまうことで、親自身が疲れてしまい、子育てに対する意欲が減ってしまうこともあります。

こうしたバイアスは、しんどいと感じる瞬間に気づきやすいので、「なんでこんなに辛いのだろう?」と思ったときに、今抱えている気持ちや考えを紙に書き出してみましょう。

そして、その紙は思い切って破って捨ててしまうことで、心が少し軽くなることもあります。

バイアスに気づくこと、それが子育てをもう少し楽にする鍵です。

バイアスを知って心が楽になる子育て

バイアスは、私たちの脳が効率よく働くために自動的に作り上げる思い込みです。

このバイアスに気づき、少しずつその影響を減らすことができれば、子育てにおけるストレスや不安も軽減されるでしょう。

バイアスは日常生活のあらゆる場面に潜んでいますが、その存在を知り、自分を見つめ直すことで、私たちはより客観的に物事を捉えられるようになります。

子育てにおいては、自分自身の思い込みや期待を少し和らげ、柔軟な心で向き合うことで、子どもにとっても親にとっても居心地の良い環境を作り出すことができます。

アイデア数理塾の油谷からのメッセージ

バイアスを知り、意識的にその影響を減らすことが、親自身を楽にし、子どもと前向きに向き合う一助になります。日々の子育てで「思い込み」によって負担を感じることがあれば、ぜひ今回のポイントを参考にしてみてください。
ちなみにですがバイアス=悪ではありません!あくまで自分を苦しめている考え方を捉え直すための気づきになるポイントです。

以上!京都市中京区のアイデア数理塾 油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けいたしました!

算数好きあつまれ〜!

京の算数学 解答#866

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