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京の算数学問題#815
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算数学コラム
みなさんこんにちは!京都市中京区で塾を運営しております。油谷拓哉(ゆたに たくや)です!
「褒めることが自己肯定感を高める」という考え方は、一般的に良しとされています。実際に「できたことを褒めましょう!」というフレーズはよく耳にしますし、私も指導の中で子どもたちに褒めることを大切にしています。
しかし、実は褒めすぎるとチャレンジ精神が失われる危険性があるのです。今回はその理由について、深く掘り下げてみたいと思います。
褒める目的は「自覚させること」
褒めるという行為の本来の目的は、「できたことを子ども自身に自覚させること」にあります。
自覚することで、自信がつき、自己肯定感が向上します。
これはとても大事なことです。
しかし、褒められることで自己アピールが目的化し、「褒められるためにできたことを見せる」という行動に変わってしまうことがあります。
これは本来の目的である「自信をつける」こととは異なる結果をもたらすことになります。
褒められたいがために「挑戦しなくなる」
褒められることを意識しすぎると、子どもたちは「失敗を避ける」傾向が強くなります。
成功することでしか褒めてもらえないという考えが根付き、失敗する可能性のある挑戦を避けてしまうのです。
例えば、テストの点数が良かったから褒められたという成功体験が続くと、次第に「できる範囲でしか努力しなくなる」ことがよく見受けられます。
新しいことに挑戦して失敗すると、褒めてもらえないからです。
その結果、挑戦を恐れ、自分の限界に挑もうとしなくなります。
これでは、自己肯定感が上がるどころか、「失敗する自分はダメだ」と思い込んでしまい、長期的には自己肯定感が低下してしまいます。
挑戦したことを褒める重要性
では、どうすれば良いのでしょうか?答えはシンプルです。
「挑戦したことを褒める」ことを意識することです。
子どもたちが新しいことに挑戦する姿勢を大切にし、そのプロセス自体を評価することが重要です。
結果だけを重視するのではなく、「挑戦する」という行為そのものを褒めることで、子どもたちは失敗を恐れずに前に進むことができます。
失敗したとしても、その挑戦が評価されるとわかれば、子どもはさらに新しいことに挑戦する意欲を持つでしょう。
そうすることで、自己肯定感が自然と高まります。
「フロー体験」とは何か?
心理学者チクセントミハイの著書『フロー体験 喜びの現象学』では、人が最も幸福を感じる状態として「フロー体験」が紹介されています。
このフロー体験に入るためには、自分にとって「少し高い目標」に挑戦することが必要です。
この少し高い目標とは、自分の努力次第で到達できるが、簡単ではないという目標です。
そうした挑戦に向かっている時、人は自然と集中し、一体感を感じることができ、結果として大きな喜びや達成感が得られます。
これこそが、褒められるための「結果」ではなく、挑戦そのものに価値を見出す体験です。
「プロセスを褒める」指導の実践
私が指導の中で大切にしているのは、結果だけでなくプロセスを褒めることです。
たとえば、難しい問題に挑戦して正解にたどり着かなかったとしても、「この問題に挑戦したこと自体が素晴らしい」と伝えるようにしています。
そうすると、子どもたちは「結果がどうであれ、挑戦したことが認められる」という安心感を得ます。
この指導法により、子どもたちは失敗を恐れずに、どんどん新しいことに挑戦するようになります。
そして、その過程で少しずつ自信をつけ、結果として自己肯定感が向上していくのです。
失敗を恐れない子どもを育てるために
現代の子どもたちは、テストの点数や競争による評価にさらされることが多いです。
しかし、成功ばかりを追い求めると、やがて失敗を恐れるようになり、挑戦する意欲が失われてしまいます。
だからこそ、親や教育者が心がけるべきなのは「挑戦することに価値を見出す」教育です。
その挑戦を積極的に褒め、失敗してもそれが学びの一部であることを伝えることで、子どもたちは自己肯定感を持ちながら、積極的に挑戦する姿勢を育てることができます。
まとめ
褒めること自体は非常に大切です。
しかし、結果だけを褒めるのではなく、挑戦そのものを評価することが、子どもたちの成長や自己肯定感の向上にとって重要です。
私たち教育者や親ができることは、子どもたちが「失敗しても大丈夫」と思える環境を作り出し、その挑戦を全力でサポートすることです。
挑戦する勇気を持ち、そのプロセスを楽しむことが、子どもたちの真の成長につながるのです。
以上!京都市中京区のアイデア数理塾 油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けいたしました!
算数好きあつまれ〜!