数学コラムの目次
京の算数学問題#1494

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算数学コラム
「宿題では丸がついている」
「答えは合っている」
「テストでも基本問題は取れている」
それなのに、少し問題の形が変わると解けない。
前にできたはずの問題を、数日後にもう一度出すと解けない。
説明を求めると、うまく言葉にできない。
このようなケースは、正解しているけれど、理解が十分ではないと言えます。
算数や数学では、答えが合っていることはもちろん大切です。
ただし、答えが合っているからといって、考え方まで理解できているとは限りません。
塾で子どもたちを見ていると、正解している問題の中にも、つまずきのサインが隠れていることがあります。
正解しているのに理解できていないとは?
「正解しているのに理解できていない」とは、まったく分かっていない状態ではありません。
むしろ、その場では解けています。
- 解き方を覚えているだけ
- 似た問題だからできているだけ
- 途中の意味を分からず手順で進めている
- たまたま答えが合っている
- 親や先生のヒントがあればできる
- 問題文の意味ではなく数字だけを見ている
ということがあります。
小テストでは点数が取れるが本番になると極端に点数が落ちるパターンです。
小テストでは答えを暗記しているため点数がとれるが定期テストは理解力が試されますので点数は取れません。
この状態をそのままにしておくと、100%中学数学に進んだときに苦しくなります。
見分け方① 「どう考えた?」に答えられるか
一番分かりやすい見分け方は、答えが合っている問題で、
「どう考えたの?」と聞いてみることです。
本当に理解している子は、完璧な説明でなくても、自分なりに考え方を話せます。
「まず、何を聞かれているか見た」
「この数字は人数だから、人数で割った」
「全体のうちの何個分かを考えた」
「同じ大きさにそろえるために通分した」
というように、考えた流れが出てきます。
一方で、理解があいまいな子は、
「なんとなく」
「前もこうだったから」
「先生がそう言っていたから」
「この数字を使えばいいと思った」
となることがあります。
この場合、答えは合っていても、考え方がまだ自分のものになっていないかもしれません。
見分け方② 途中式が残っているか
算数・数学では、途中式を見ると理解の深さが分かります。
答えだけが書かれている場合、どのように考えたのかが見えません。
- 分数
- 小数
- 割合
- 速さ
- 比
- 方程式
- 正負の数
- 文章題
では、途中式がなにより大切です。
途中式があると、
- 式の作り方は合っているか
- 計算で間違えたのか
- 単位を見落としていないか
- 手順を飛ばしていないか
- どこで考え方がずれたか
が分かります。
正解していても途中式がない場合は、たまたま合っただけなのか、本当に理解しているのか判断しにくくなります。
見分け方③ 数字を少し変えても解けるか
正解している問題の数字を少し変えてみると、理解できているかが見えやすくなります。
たとえば、割合の問題で、
「500円の20%はいくらですか」
が解けたとします。
そこで数字を変えて、
「800円の25%はいくらですか」にしてみる。
または、聞かれ方を変えて、
「20%引きで400円になりました。もとの値段はいくらですか」にしてみる。
本当に考え方が分かっている子は、少し形が変わっても考えようとします。
一方で、例題と同じ形でしか解けない場合は、手順を覚えているだけの可能性があります。
見分け方④ 問題文の数字の意味を言えるか
文章題では、答えが合っていても、数字の意味を分かっていないことがあります。
たとえば、問題文に出てくる数字を指して、
「この数字は何を表している?」
「これは人数?個数?時間?長さ?」
「何を求める問題?」
「答えの単位は何になりそう?」
と聞いてみます。
算数が苦手な子ほど、文章題で数字だけを見て計算することがあります。
出てきた数字をたし算する。
大きい数から小さい数を引く。
かけ算っぽいからかける。
このように、数字の意味を見ずに式を作っている場合、たまたま正解することはあっても、理解は安定しません。
文章題で大切なのは、数字を見つけることではなく、数字の関係を見ることです。
見分け方⑤ 解き方を変えても説明できるか
算数や数学には、同じ答えにたどり着く方法が複数あることがあります。
たとえば、面積の問題なら、
- 図形を分けて考える
- 大きな四角形から引く
- 公式を使う
- 補助線を引く
などがあります。
本当に理解している子は、別の考え方を見せられたときに、
「なるほど、同じことをしているんだ」
とつなげやすいです。
一方で、理解があいまいな子は、自分が覚えた方法以外になると急に分からなくなります。
もちろん、小学生にいくつもの解法を求める必要はありません。
ただ、別の方法を見たときに、まったく意味が分からなくなる場合は、考え方ではなく手順だけで解いている可能性があります。
見分け方⑥ 逆の問題になると解けるか
正解している問題でも、逆から聞かれるとわからなくなる子がいます。
たとえば、
「500円の20%はいくらですか」は解けるが、
「ある金額の20%が100円です。もとの金額はいくらですか」
になるとわからなくなるといった場合です。
これは、計算手順だけで覚えていて、割合の関係が分かっていない可能性があります。
分数や割合、速さ、方程式では、逆算問題がとても大切です。
本当に理解しているかを見るには、同じ考え方を逆向きにも使えるかを確認すると分かりやすいです。
見分け方⑦ 数日後にもう一度解けるか
その場で正解していても、数日後にもう一度解くとできないことがあります。
これは、「その場の理解」で終わっていて、まだ定着していない状態です。
解説を聞いた直後。
先生と一緒に解いた直後。
同じ形式を何問も続けた直後。
このタイミングでは、できるように見えやすいです。
大切なのは、時間がたっても自分で思い出せるかです。
翌日や数日後にもう一度解いてみて、
「最初の一歩が出るか」を見ると、理解の定着度が分かります。
見分け方⑧ 間違えた理由を自分で見られるか
本当に理解している子は、間違えたときに原因を見ようとします。
「計算ミスだった」
「問題文の最後を読み間違えた」
「単位をそろえていなかった」
「分母をそろえるのを忘れた」
「式の作り方が違った」
このように、間違いの種類を分けられます。
一方で、理解があいまいな子は、
「分からない」
「ミスしただけ」
「なんとなく間違えた」
「次は気をつける」
で終わりやすいです。
「次は気をつける」は悪い言葉ではありません。
ただ、何に気をつけるのかが決まっていないと、同じミスを繰り返します。
正解していても注意したいサイン
次のような様子がある場合は、答えが合っていても理解を確認した方がよいかもしれません。
- 途中式がない
- 説明を求めると止まる
- 数字を変えると解けない
- 問題文の意味を説明できない
- 解き方を丸暗記している
- 同じ形式しか解けない
- 答えは合うが単位が分かっていない
- 解説を見ると分かるが、自分では始められない
- 数日後に同じ問題で止まる
- 「なんとなく」で進めている
これは、子どもが怠けているということではありません。
理解がまだ途中の段階にあるだけです。
保護者が家庭でできる確認方法
①正解した問題を1問だけ説明してもらう
全部の問題で説明を求める必要はありません。
それをすると、子どもは疲れてしまいます。
おすすめは、正解した問題の中から1問だけ選んで、
「この問題、どう考えたの?」
「なぜこの式にしたの?」
「この数字は何を表しているの?」
と聞くことです。
正解している問題で聞くと、子どもも話しやすくなります。
②答えを閉じてもう一度解く
解説を見て分かった問題は、答えを閉じてもう一度解きます。
ここで自分で解ければ、理解が少し定着しています。
もし止まった場合は、責める必要はありません。
「どこから分からなくなった?」と確認すれば、つまずきの場所が見えます。
③「別の数字ならどうなる?」と聞く
数字を少し変えるだけで、考え方が使えているか分かります。
たとえば、計算問題なら数字を変える。
文章題なら聞かれ方を少し変える。
割合なら「もとにする量」を変える。
同じ形を暗記しているだけか、考え方を理解しているかを見分けやすくなります。
④ノートの途中を見る
答えだけを見るのではなく、途中式や図、メモを見ます。
- どこで式を作ったか
- 図に情報を書き込んでいるか
- 単位をそろえているか
- 分からなかった跡があるか
- 解き直しが残っているか
ノートには、子どもの考え方が出ます。
きれいなノートかどうかより、考えた跡があるかを見ることが大切です。
⑤「次に同じ問題が出たら何を見る?」と聞く
理解している子は、次に気をつけることを少し言葉にできます。
「単位を見る」
「問題文の最後を見る」
「分母をそろえる」
「符号を確認する」
「何を求めるか先に見る」
このように、次の行動が具体的になっていれば、学習につながっています。
「気をつける」だけで終わる場合は、もう少し具体化してあげるとよいでしょう。
塾の先生として見ているポイント
塾で子どもの理解を見るとき、私は答えだけでは判断しません。
正解している問題でも、
- 途中式があるか
- 式の意味を分かっているか
- 数字の意味を説明できるか
- 少し形が変わっても考えられるか
- 間違えたときに原因を見られるか
- 数日後にも解けるか
- 自分で質問できるか
を見ます。
なぜなら、算数・数学は積み上げの教科だからです。
その場で正解できても、考え方が分かっていなければ、次の単元で止まりやすくなります。
小学生の算数では、分数・割合・速さ・文章題。
中学生の数学では、正負の数・文字式・方程式・関数。
どの単元でも、答えだけでなく考え方を見ることが大切です。
アイデア数理塾が大切にしていること
アイデア数理塾では、子どもが正解しているかどうかだけで学習状況を判断しません。
大切にしているのは、
- なぜその答えになるのか
- どこまで自分で考えたのか
- どこで手が止まったのか
- 答えを見ずにもう一度解けるのか
- 似た問題や少し変わった問題にも対応できるのか
という部分です。
正解は大切です。
でも、正解の裏にある考え方を見ることで、本当のつまずきが見えてきます。
京都市中京区・烏丸御池周辺で、小学生の算数や中学生の数学に不安がある方は、「丸がついているから大丈夫」と判断する前に、考え方まで確認してみることが大切です。
まとめ 正解している問題の中にも、理解不足は隠れている
正解しているのに理解できていない子は、決して珍しくありません。
その場では解ける。
同じ形ならできる。
答えは合っている。
でも、説明できない。
数字が変わると止まる。
数日後に解けない。
このような場合、理解がまだ浅い可能性があります。
見分けるポイントは、
- 「どう考えた?」に答えられるか
- 途中式が残っているか
- 数字を変えても解けるか
- 問題文の数字の意味を言えるか
- 逆の問題に対応できるか
- 数日後にもう一度解けるか
- 間違えた理由を見られるか
算数・数学では、答えが合っていることだけでなく、
なぜそうなるのかを自分で考えられることが大切です。
正解をゴールにするのではなく、理解の入口として見る。
その視点が、学年が上がってからのつまずきを防ぐ力になります。
京の算数学 解答#1494





