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京の算数学問題#1356

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算数学コラム
「文章題を読んでも式が書けない」
「足すの?引くの?が分からなくて止まる」
「答えを聞くと分かるのに、自分で式が立てられない」
こういう子は珍しくありません。
結論から言うと、式が立てられないのは才能や国語力だけの問題ではなく、“式を作る前の整理の手順”が身についていないことが大半です。
式はひらめきで作るものではなく、状況を短くまとめる「メモ」みたいなもの。
だから、順番さえ整えばできるようになります。
そもそも「式」って何?
式は「計算のための記号」だけではなく、状況を短く表したものです。
たとえば「りんごが8こあって、3こもらった」は、頭の中では「増えた」と理解できています。
この“増えた”を短く表すのが「8+3」。
つまり式が立てられない子は、「増えた/減った/比べた」といった状況整理ができていない、または整理する順番を知らないことが多いんです。
式が立てられない主な理由7つ
1)「何を求めるか(ゴール)」が決まっていない
最後の文(問い)を読まずに数字だけ拾うと、式は立ちません。
式はゴールに向けて作るので、“何を出す問題か”が分からないと迷子になります。
2)数字は拾えるけど「何の数」か分からない
8と3は見つけたけれど、
「8は何の数?」「3は何の数?」に答えられない。
数字に“意味のラベル”が貼れていない状態です。これが文章題で固まる最大原因の一つ。
3)「増える/減る/比べる」の分類ができていない
小学生の文章題の多くはこの3種類に分かれます。
- 増える(もらう、ふえる、集まる)→ 足し算
- 減る(たべた、なくなる、つかった)→ 引き算
- 比べる(何こ多い、ちがい)→ 引き算
この分類があいまいだと、毎回「足す?引く?」で止まります。
4)図・数直線にできない(イメージが作れない)
式は“状況の省略形”なので、状況が見えないと式も出ません。
図や数直線が苦手な子は、文章を読んで頭の中の映像を作るのが難しいことがあります。
ここは練習で伸びます。
5)キーワード反射で決めてしまう(ひっかけに弱い)
「ぜんぶで=足す」と丸暗記すると、
「ぜんぶで10こになるにはあと何こ?」のような問題でつまづきます。
大事なのはキーワードではなく状況です。
6)計算の土台が弱くて、式以前に不安が強い
繰り上がり・繰り下がり、位、単位、分数などが不安だと、
「間違えたくない」が先に立って、式を考える前に固まりやすいです。
7)「分からない」と言えない(質問できない)
式が立たない子の中には、止まっているのに助けを求められず黙ってしまうタイプもいます。
これは学力以前に、質問の練習が必要なケースがあります。
今日からできる改善:「式の前」にやる3ステップ
式が立たない子には、まずこれだけでOKです。式は最後。
ステップ1:最後の文に線(何を求める?)
「何を聞かれてる?」を一言で言う。
ステップ2:数字に○、大事な言葉に□(材料と関係)
数字は○、増える/減る/比べるを示す言葉に□。
ステップ3:矢印で増える/減るを書く(数直線でもOK)
8 →(+3)→ ? のように、矢印が書ければ式はほぼ出ます。
例題でやってみる(小2)
「りんごが8こあります。3こもらいました。ぜんぶで何こですか。」
- 線:ぜんぶで何こ
- ○:8、3
- □:もらいました(増える)
- 矢印:8 →(+3)→ ?
→ 式:8+3
「クッキーが12こ。5こたべました。のこりは?」
- 線:のこり
- ○:12、5
- □:たべました(減る)
- 矢印:12 →(−5)→ ?
→ 式:12−5
「Aが9こ、Bが6こ。AはBより何こ多い?」
- 線:何こ多い
- ○:9、6
- □:多い(比べる)
- 矢印:9 →(−6)→ ?
→ 式:9−6
親の声かけ
- 「最後の文、何を聞いてる?」
- 「増える?減る?比べる?」
- 「8は何の数?3は何の数?」
- 「矢印は右(+)?左(−)?」
親は答え係ではなく、手順に戻す係になると家庭が回ります。
まとめ
算数の式が立てられない理由は、多くの場合「国語力不足」ではなく、
ゴール→材料→関係の整理ができていない(または順番を知らない)ことです。
「線・○・矢印」の3ステップを習慣化すれば、式は自然に出るようになります。
京の算数学 解答#1356




