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京の算数学問題#1136

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算数学コラム
こんにちは!京都市中京区で算数・数学専門の「アイデア数理塾」を運営しております、油谷拓哉(ゆたに たくや)です。
春や夏に花を観察していると、「この花、花びらが○枚ある!」と気づくことがあります。
実は、多くの花は花びらの数があらかじめ決まっているのをご存じでしょうか?
今回は「なぜ花びらの数は花ごとに決まっているのか?」について、理科と数学の視点から解説していきます。
1. 花びらの数は種類ごとにほぼ決まっている
花びらの数は、花の種類(植物の仲間)ごとにおおよそ決まっています。
例えば…
- アブラナ(菜の花):4枚
- サクラ:5枚
- ユリ:6枚
- タンポポ:花びらのように見える1つ1つが小さな花(舌状花)で、たくさん集まっている
これは偶然ではなく、植物の遺伝情報(DNA)によって、花の形や花びらの数があらかじめプログラムされているからです。
人間の目や髪の色が遺伝で決まるのと同じように、花びらの数も基本的にはその植物ごとに決まっているんですね。
2. 花びらの数と植物の分類
花びらの数は、植物を分類する手がかりにもなります。
小学校理科や中学理科では「被子植物(ひししょくぶつ)」をさらに双子葉類と単子葉類に分けますが、花びらの数はこの区別に役立ちます。
- 双子葉類:花びらの数が4枚か5枚、またはその倍数(例:アブラナは4枚、サクラは5枚)
- 単子葉類:花びらの数が3枚、またはその倍数(例:ユリは6枚)
もちろん例外もありますが、観察するとかなりの確率で当てはまります。
3. 数学との不思議な関係
実は、花びらの数はフィボナッチ数列(1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21…)と深い関係があります。
自然界の多くの花びらの数は、この数列に出てくる数字になっていることが多いのです。
- ツユクサ:3枚(フィボナッチ数)
- サクラ:5枚(フィボナッチ数)
- キク:21枚や34枚(フィボナッチ数)
なぜそうなるのかは諸説ありますが、花が太陽の光を効率よく受けたり、種をまきやすくするための形が自然にフィボナッチ数列に近づくのではないかと考えられています。
4. 花びらの数が違うこともある?
「サクラは5枚のはずなのに、6枚の花を見つけた!」ということもあります。
これは遺伝子の突然変異や、発育の途中で何らかの影響があったためです。
また、観賞用に品種改良された花(八重咲きのサクラやバラなど)は、花びらが何枚も重なって咲くことがあります。
これは人間が美しさを楽しむために、花びらの数が増えるように育てた結果です。
5. 自由研究におすすめ!花びらカウント観察
花びらの数は自由研究にもおすすめです。
やり方の例
- 公園や庭、道ばたの花を観察して名前をメモする
- それぞれの花びらの数を数える
- 同じ種類の花でも数が違うかどうかを比較する
- 双子葉類・単子葉類の分類やフィボナッチ数列と照らし合わせてみる
こうすると、理科と数学の両方を楽しく学べます。
まとめ
花びらの数は、植物の遺伝情報によってほぼ決まっています。
また、植物の分類や数学のフィボナッチ数列とも関係があり、自然界の不思議を知るきっかけにもなります。
この春や夏はぜひ身近な花を観察して、花びらの数を数えてみてください。
きっと「数」と「自然」の意外なつながりを発見できるはずです。
以上!京都市中京区のアイデア数理塾、油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けしました。
算数好きあつまれ〜!
京の算数学 解答#1136
