【ピタゴラスの定理は本当に彼の発見?】天才数学者ピタゴラスの驚きの生涯と教団の真実 京の算数学#1087

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算数学コラム

こんにちは!京都市中京区で「アイデア数理塾」を運営している、油谷拓哉(ゆたに たくや)です!

突然ですが、みなさんは「ピタゴラスの定理」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?

そう、直角三角形に関するあの有名な数式――
A² + B² = C²(斜辺²=他の二辺²の和)ですね。

これは、古代ギリシャの数学者ピタゴラス(紀元前582年〜紀元前496年)の名前に由来しています。
しかし実はこの定理、ピタゴラス以前にも使われていたという説があるんです。

では、なぜ彼の名前が残っているのでしょうか?
今回は、そんな「ピタゴラスの定理」に名を残した数学者ピタゴラスの、知られざる生涯や驚きのエピソードをご紹介します。


ピタゴラスってどんな人?

ピタゴラスは、数学者でありながら宗教的な思想家でもありました

彼は若い頃から学問への探求心が強く、エジプトやバビロニアなどを20年以上も旅して回り、さまざまな知識を吸収したと言われています。

その後、イタリア半島の「クロトン」という場所に戻り、独自の思想を持つ教団=ピタゴラス教団を設立します。

ピタゴラス教団とは?宗教と数学の融合

ピタゴラス教団は、ただの勉強会ではありませんでした。
宗教的な厳しさを持つ、秘密主義の組織だったのです。

入団の条件はかなり厳しく、

  • 全財産を教団に寄付すること
  • 占いでの入団審査
  • 数年間の沈黙修行

が必要でした。

沈黙修行では、弟子たちは自ら発言することを禁じられ、先輩の教えをひたすら聞いて学ぶという方法をとっていたそうです。

この教団の核心にあったのが、「数の神秘性」への信仰でした。
ピタゴラスは「宇宙のすべては数で成り立っている」と信じており、数こそが真理であり神そのものだと考えていたのです。

「無理数」を口にしてしまった弟子は殺された?

ピタゴラスが特にこだわっていたのは、「すべての数は分数で表せる」という信念でした。
しかし、現実にはそうでない数もあります。

例えば:

  • √2(ルート2)
    これは「無理数」と呼ばれ、どんな分数でも正確には表せません。

当時、ある弟子がこの無理数の存在に気づき、その事実を口にしたことで、ピタゴラスの怒りを買い、殺されたという逸話が残っています。

実際の真偽は不明ですが、
「信念に反する真実を認めたくなかった」というピタゴラスの強烈な思想を象徴するエピソードです。

ピタゴラスの死とその後

ピタゴラスの晩年は、教団の拡大とともに多くの反感も買いました。
当時の民主派からは、「教団が力を持ちすぎて危険だ」と見られるようになり、ついには襲撃を受けて命を落としたと言われています。

享年は85歳。
多くの弟子も一緒に命を落とし、教団は壊滅的な打撃を受けました。

それでも、ピタゴラスが信じた「数の力」は現代にまで影響を残しています。
彼は「完全数」や「友愛数」などにも神聖な意味を見出し、数学を超えた哲学的・精神的な価値を追い求めていたのです。

他の天才数学者にも“奇妙な一面”があった!

ピタゴラスに限らず、天才数学者たちには独特なこだわりや不思議な行動がつきものです。

例えば:

  • ニュートン:物理学の父だが、実は錬金術や聖書の暗号解読にのめり込んでいた。
  • ニコラ・テスラ:発明家だが、3や9などの数字に異常な執着を持っていた。
  • ラマヌジャン:数式に神の啓示を受けたと語っていた。

彼らに共通しているのは、「数には人智を超えた神秘がある」と本気で信じていたという点です。


まとめ:数に込められた人間の情熱を感じよう

私たちが日常で使っている「ピタゴラスの定理」は、
ただの数式ではなく、ピタゴラスという人物の信念・思想・人生そのものが込められた知の結晶です。

数学は単なる計算ではなく、
人類の歴史と情熱がつくり上げてきた壮大な物語でもあります。

数の背景にあるストーリーを知ることで、
きっと数学の見え方が変わるはずです。

以上、京都市中京区のアイデア数理塾
油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けしました!

算数好きあつまれ〜!

京の算数学 解答#1087

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