算数が苦手な子ほど「数字だけ」を見ています 京の算数学#1468

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京の算数学問題#1468

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算数学コラム

「計算問題はできるのに、文章題になると解けない」
「出てきた数字を、とりあえず足したりかけたりしている」
「答えが違うと、別の計算を試し始める」

こうした様子があると、保護者の方は、

「問題文をきちんと読んでいないのでは?」
「国語力が足りないのかな?」
「もっと文章題を解かせた方がいい?」

と感じるかもしれません。

算数が苦手な子の中には、問題の場面や数量の関係ではなく、書かれている数字だけを見ている子がいます。

数字を見つけたら、すぐに計算を始める。
けれども、何を求めるのか、数字が何を表しているのかまでは整理できていない。

これが、文章題で手が止まったり、式を間違えたりする原因の一つです。


「数字だけを見る」とはどういうこと?

たとえば、次の問題を考えてみます。

「1箱に6個ずつ入ったお菓子が4箱あります。お菓子は全部で何個ありますか」

この問題では、

  • 1箱に6個
  • 4箱ある
  • 全部の数を求める

という関係を考えます。

そのため、

6×4=24

となります。

ところが、数字だけを見ている子は、

「6と4があるから、足すのかな」
「かけ算の単元だから、かけるのかな」

というように、場面ではなく数字や授業中の単元名から式を決めることがあります。

答えが合う場合もありますが、少し問題の形が変わると対応できません。


算数が苦手な子ほど数字を探してしまう理由

①早く式を作らなければならないと思っている

文章題を見ると、すぐに式を書かなければならないと思っている子がいます。

問題文を読んだあとに考える時間を取らず、

  • 数字を探す
  • 計算記号を決める
  • とりあえず解く

という順番になっています。

算数の問題は、早く計算を始めた方がよいように見えます。

しかし文章題では、計算の前に、問題の場面を整理する時間が必要です。

②計算はできるので、数字に頼りやすい

計算練習をたくさんしてきた子ほど、数字を見るとすぐに計算したくなることがあります。

たし算、ひき算、かけ算、わり算の方法は分かっている。

そのため、

「何を求めるか」よりも、「どの計算を使うか」に意識が向きます。

計算力があること自体はよいことです。

ただし、文章題では計算の前に、数量の関係をつかむ必要があります。

③言葉の意味を十分にイメージできていない

文章題には、

  • 合わせる
  • 残る
  • 何倍
  • 同じ数ずつ分ける
  • 1つ分
  • 全体
  • もとにする量

など、算数特有の言葉が出てきます。

言葉の意味があいまいだと、問題の場面を想像できません。

その結果、理解しやすい数字だけに注目してしまいます。

④「合わせて」「残り」などの言葉だけで式を決めている

文章題の教え方として、

「合わせてなら、たし算」
「残りなら、ひき算」
「ずつなら、かけ算」

と覚えることがあります。

最初の学習では役立つこともありますが、言葉だけで式を決める習慣がつくと、少し複雑な問題で間違えやすくなります。

たとえば「合わせて」と書いてあっても、求めるものによっては、ひき算を使う問題もあります。

大切なのは言葉を探すことではなく、数量がどのような関係になっているかを見ることです。

⑤問題文を最後まで読まずに解き始める

文章の途中に数字が出てくると、そこで計算を始める子もいます。

しかし、問題の最後まで読まなければ、何を求めるのか分かりません。

数字は同じでも、質問が変わると式も変わります。

たとえば、

「りんごが12個あります。3人に同じ数ずつ分けると、一人分は何個ですか」なら、12÷3=4です。

一方、「りんごが12個あります。一人に3個ずつ分けると、何人に分けられますか」も、
12÷3=4ですが、「一人分」と「人数」では答えの意味が違います。

問題文の最後まで読むことは、答えの単位を考えるためにも必要です。


数字だけを見ている子に多いサイン

次のような様子があれば、問題の場面より数字を見ている可能性があります。

  • 問題文を読んですぐ式を書く
  • 出てきた数字を全部使おうとする
  • 足すか、かけるかを当てようとする
  • 答えの単位を書かない
  • 「なぜその式にしたの?」と聞くと説明できない
  • 答えが違うと、計算記号だけを変える
  • 図にすることを嫌がる
  • 少し長い文章題を読む前にあきらめる
  • 問題文を声に出せるが、内容は説明できない

これらは、やる気の問題とは限りません。

数字の扱い方は知っていても、問題を整理する方法をまだ身につけていない可能性があります。

文章題で本当に見てほしいもの

文章題で見るべきなのは、数字だけではありません。

まず確認したいのは、次の3つです。

①何が分かっているか

問題文から、すでに分かっている量を確認します。

「6個ずつ」
「4箱」
「全部で24個」

など、数字にはそれぞれ意味があります。

数字だけを抜き出すのではなく、単位や言葉と一緒に見ます。

②何を求めるのか

問題の最後に書かれている質問を確認します。

  • 全部の数
  • 残りの数
  • 一人分
  • 何人分
  • 長さ
  • 時間
  • 値段

何を求めるかによって、使う式が変わります。

数字を見る前に、求めるものを丸で囲むのもよい方法です。

③数量がどのようにつながっているか

分かっている量と、求める量の関係を考えます。

  • 同じ数ずつ増える
  • 全体から一部を引く
  • 同じ数ずつ分ける
  • 何倍かを求める
  • 二つの量を比べる

この関係が見えると、式を選びやすくなります。


家庭でできる関わり方

①すぐに「何算?」と聞かない

文章題で止まっていると、

「これは何算?」
「足し算?ひき算?」

と聞きたくなります。

しかし、計算方法を当てることが目的になると、数字だけを見る習慣が強くなることがあります。

代わりに、

「どんな場面の話?」
「何が分かっている?」
「何を聞かれている?」

と聞く方が、問題を整理しやすくなります。

②数字に単位をつけて読む

「6」「4」と数字だけで見るのではなく、

  • 1箱に6個
  • 4箱
  • 全部のお菓子の個数

と、意味をつけて読みます。

紙に書く場合も、

6個
4箱

のように、単位まで書くと混乱しにくくなります。

③図や絵にしてみる

文章だけで分かりにくい場合は、簡単な図にします。

お菓子が6個ずつ4箱なら、

○○○○○○
○○○○○○
○○○○○○
○○○○○○

と描いても構いません。

高学年になれば、丸をすべて描かず、箱や線で表せます。

図にする目的は、きれいに描くことではありません。

数量の関係を見えるようにすることです。

④式を作る前に、言葉で答えてみる

すぐに式を書かず、

「6個のまとまりが4つある」
「12個を3人で分ける」
「全体から使った分を引く」

と、場面を言葉で説明してもらいます。

言葉で説明できれば、式にもつなげやすくなります。

⑤数字を隠して考える

文章題を読んでもすぐ計算してしまう場合は、数字をいったん隠して考える方法もあります。

たとえば、

「1箱に□個ずつ入ったお菓子が△箱あります。全部で何個ですか」

とすると、

「一つ分がいくつかあって、それが何箱分もある」

という関係が見えやすくなります。

数字を外すことで、計算ではなく構造に注目できます。

⑥答えの単位を先に考える

式を作る前に、「答えは個かな、箱かな、人かな?」と確認します。

答えの単位が分かると、何を求めているかがはっきりします。

たとえば、12個÷3個ずつなら、答えは「人」や「組」です。

単位は最後に添える飾りではなく、問題の意味を考える手がかりです。


文章題で避けたい教え方

キーワードだけを覚えさせる

「合わせては足し算」といった覚え方だけでは、複雑な問題に対応しにくくなります。

すぐに式を教える

その問題は解けても、次の問題でまた止まります。

問題文を何度も読ませるだけ

読む回数を増やしても、どこを見ればよいか分からなければ理解しにくいままです。

「分かっていること」「求めること」に分ける方法を教える必要があります。

間違いを「読んでいないから」と決めつける

子どもは読んでいても、数量の関係を捉えられていない場合があります。

読んだかどうかより、どう理解したかを確認することが大切です。


計算はできるのに文章題が苦手な子へ

計算問題ができる子ほど、

「計算はできるのだから、文章題も解けるはず」と思われやすいです。

しかし、文章題には計算とは別に、

  • 情報を整理する
  • 必要な量を選ぶ
  • 関係を図や式で表す
  • 答えの意味を確認する

力が必要です。

文章題ができないからといって、計算練習を増やすだけでは解決しないことがあります。

必要なのは、計算する前の考え方を練習することです。


保護者が使いやすい声かけ

「数字を使う前に、どんなお話か教えて」
「何を求める問題?」
「この6は、何の6?」
「答えの単位は何になりそう?」
「絵にすると、どんな並びになる?」
「式を作る前に、言葉で説明してみよう」
「使わなくてもよい数字はあるかな?」

答えを急がず、数字の意味を見る声かけが役立ちます。


数字を正しく見る力は、中学数学にもつながる

数字だけを見る習慣は、小学生の文章題だけの問題ではありません。

中学生になると、

  • 方程式の文章題
  • 比例・反比例
  • 一次関数
  • 速さ
  • 確率
  • 図形の証明

などで、数量や条件の関係を読み取る必要があります。

式の計算ができても、問題文から関係を取り出せなければ解けません。

小学生のうちに、

「数字がいくつあるか」ではなく、
「その数字が何を表しているか」

を見る習慣をつけることが大切です。


京都・中京区で文章題に悩んでいる方へ

アイデア数理塾では、文章題で間違えたときに、すぐ正しい式を教えるのではなく、

  • 問題をどのように読んだか
  • 数字を何の量として見ているか
  • 何を求めようとしているか
  • 図や言葉に置き換えられるか

を確認します。

数字だけを見ている子には、計算練習を増やすよりも、数量の関係を整理する練習が必要なことがあります。

答えを出す前の考え方を整えることで、少し形が変わった問題にも対応しやすくなります。


まとめ 算数が苦手な子ほど、数字の「意味」を見落としていることがある

算数が苦手な子の中には、問題の場面や数量の関係ではなく、数字だけを見ている子がいます。

そのため、

  • 出てきた数字を全部使う
  • 計算記号を当てようとする
  • 問題の最後まで読まない
  • 答えの単位を見ない
  • なぜその式になるか説明できない

ということが起こります。

文章題で大切なのは、数字を見つけることではありません。

その数字が何を表し、どのようにつながっているかを見ることです。

計算を始める前に、

「何が分かっている?」
「何を求める?」
「どんな関係になっている?」

と整理する習慣が、文章題を解く力につながります。

京の算数学 解答#1468

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