証明が書けるようになる最初の一歩|白紙の前で止まらないための考え方 京の算数学#1269

京の算数学問題#1269

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算数学コラム

証明が苦手な子を見ていると、多くが同じところで止まっています。

白紙を前にして、
「……何から書けばいいか分からない」

これは、能力の問題ではありません。
“最初の動き方”を知らないだけなんです。

今日は、証明が書けない子が
「とりあえず動き出せるようになる」
たった一つの最初の一歩をお伝えします。


証明の最初の一歩は「図を言葉にすること」

いきなり
「〜より」「よって〜」
なんて書かなくていい。

まずやるべきことは、これだけです!

図を見て、気づいたことを“箇条書き”にする

きれいな文章じゃなくていいですし、ノートの端でもいいです。

まずは“日本語になっていない言葉”でOK

たとえば、図を見てこんなことを思うはずです。

  • この角とこの角、同じっぽい
  • ここ、平行やな
  • 三角形が2つある
  • 辺の長さが同じって書いてある
  • さっき習ったやつ使えそう

全て立派な証明の材料です。

ですが、証明が苦手な子はこれを
頭の中だけで終わらせてしまいます。

最初の一歩は、これを全部書き出すことです。

②「ゴールの一文」だけ先に決める

次にやるのは、最後に何を書けばいいかを見ること

問題文の最後を見てください。

「〜であることを証明しなさい」

ここが、証明のゴールです。

  • △ABC ≡ △DEF
  • ∠A=∠B
  • AB=CD

これをそのまま最後に書く。

「よって、〜である。」

これでOKです。

途中はまだ白紙でいいです。

③ゴールから“逆に”考える

ゴールが決まったら、次はこう考えます。

「これを言うためには、何が言えたらいい?」

ゴール

△ABC ≡ △DEF

じゃあ、そのために必要なのは?

  • 辺が3つ同じ?
  • 辺2つとその間の角?
  • 角2つとその間の辺?

つまり合同条件を思い出すだけです。

ここでもまだ文章はいりません。

どの条件が使えそうか?メモで十分です。

④さっき書いた“気づき”とつなげる

ここで、最初に書いた
「図を見て気づいたこと」を使います。

  • ここが同じ
  • この角が等しい
  • ここ平行

「あ、これ使えるやん」

この瞬間が、証明が動き出す瞬間です。

⑤ 最後に“きれいな文章”にする

ここまで来て、はじめて文章にします。

順番はこれだけ

  1. 仮定条件
  2. 図から言えること
  3. 使った性質
  4. 結論

全部を一気に書かなくていい。

1文ずつ、短くでOKです。


よくある勘違い

証明が苦手な子ほど、こんな誤解をしています。

最初から正しい文章を書かないといけない

最初はメモでいいです。

型を暗記しないと書けない

もちろんテンプレートはありますが、それは数学の証明を書くにあたっての大枠のようなものです。
全文を覚える必要はなく、理由が集まれば証明自体は自然に書けるようになります。


証明が書ける子は、最初に“文章を書いていない”

証明が得意な子ほど、

  • 図を見て
  • つぶやいて
  • メモして
  • ゴールを確認して
  • あとから文章にしている

つまり、

証明は「作文」ではなく
「整理して説明する作業」

なんです。

最初の一歩は、きれいに書くことじゃない。

「書き始めること」

ここを越えられるだけで、証明は一気に楽になります。


京都市中京区・アイデア数理塾では

証明が書けない子に対して、

  • 白紙の使い方
  • 図の見方
  • メモの出し方
  • ゴールから考える練習
  • 文章にする前の整理

をとても大切にしています。

「証明が1行も書けない…」という状態からでも、
必ず“書き出せる子”になります。

京の算数学 解答#1269

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