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京の算数学問題#1142

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算数学コラム
こんにちは!京都市中京区で数学と理科を専門に指導している「アイデア数理塾」の油谷拓哉(ゆたに たくや)です。
今回は、「5分・10分でも学習効果が出る方法」というテーマでお話しします。
「毎日忙しくて勉強の時間がとれないんです……」
中学生や保護者の方からよくいただくご相談です。
たしかに、部活動、クラブチーム、習い事、友達との時間……。
中学生は毎日がフルスケジュールです。
でも、だからといって「勉強できない」は本当でしょうか?
結論から言うと、5分や10分のスキマ時間でも、やり方次第で十分な学習効果を出すことができます。
ポイントは「時間」ではなく「やり方」です。
なぜ短時間でも効果が出るのか?
「短時間で勉強するなんて意味ない」と思われるかもしれませんが、それは誤解です。
実際に、脳科学や認知心理学でも「短時間×高頻度の学習」は非常に効果的だとされています。
たとえば…
- エビングハウスの忘却曲線によると、人は時間が経つほど覚えたことを忘れていきます。短時間でも毎日復習すれば、記憶は定着しやすくなります。
- 長時間ダラダラよりも、短時間の集中学習のほうが効果的というデータもあります。
つまり、「集中」と「反復」こそが、学習効果を最大化する鍵なのです。
スキマ時間を活用する3つのコツ
では、具体的にどのように「5分・10分」を活かせばよいのでしょうか?
① やることを決めておく(ルーティン化)
「何をしようかな?」と考える時間が一番のロスが大きいのです。
スキマ時間には、あらかじめ「やることリスト」を決めておくのがコツ。
たとえば:
- 登校前の5分 → 英単語チェック10個
- 移動中のバス → 歴史の重要語句を音読
- 授業前の5分→今日やる単元を教科書を読み予習する
- 夜の10分 → 数学の計算問題1ページ
毎日同じ流れで取り組めば、脳も「その時間は勉強モード」に入りやすくなります。
② 紙よりスマホより「自分の声」を使う
暗記ものはとくに、自分の声に出して「話す」ことで記憶に残りやすくなります。
- 英単語や歴史の用語は「見る・書く」より「話す」
- 数学の公式も「これはこうだから、こうなる」と言葉にして説明してみる
意外にも暗記系はアウトプットが大切!
インプット=覚えるだけでは記憶には定着しません。
音読+説明=アウトプット型学習は、短時間でも驚くほど定着率が上がります。
③ 間違えた問題だけ「復習メモ」に残す
5分・10分の時間で新しいことをどんどん進める必要はありません。
むしろ、間違えた問題だけをピックアップして復習することが、もっとも効率的です。
おすすめは、「ミスノート」や「間違いノート」を作ること。
その日の勉強で間違えたポイントだけを1行でメモしておき、次のスキマ時間に見返します。
学習効果をさらに高める工夫
短時間学習を最大限に活かすためには、ちょっとした工夫も大切です。
● タイマーで「5分だけ」と決めて集中!
時間を決めるだけで集中力はぐっと上がります。
「5分だけがんばる!」という気持ちでタイマーをセットすると、意外と集中できます。
逆に「いつ終わるかわからない」勉強はダラダラしがちです。
● 勉強前に「今から〇〇をやる」と宣言
たとえば、ノートに「英単語10個覚える」と書いてから始める。
これは**メタ認知(自分の学習を客観視する力)**を高める効果があります。
また、「やるべきこと」が明確になると、無意識に集中力が高まります。
当塾でもこの心理効果を利用し必ず授業始めに今日やることを宣言してからスタートするようにしています。
スキマ学習は「内申点対策」にもなる!
このブログを読んでいる方の中には、「成績が心配」「内申点を上げたい」と考えている保護者の方も多いと思います。
実は、スキマ学習は内申点アップにも効果的です。
なぜなら、
- 小テスト対策ができる(定期的な復習)
- 提出物の質が上がる(わかってから書ける)
- 授業中に発言しやすくなる(予習効果)
など、「授業態度」や「提出物」にも自然と良い影響が出るからです。
最後に:時間がないなら「やり方を変える」
「やる気がない」のではなく、「やり方がわからない」だけ。
そんな中学生が多いと感じています。
忙しい毎日の中でも、5分・10分の積み重ねが、未来を変える力になります。
「勉強する時間がない」と悩むより、
「どうやってスキマを使うか」を親子で考えてみてはいかがでしょうか?
まとめ
- スキマ時間でも学習効果は十分に出る
- ポイントは「集中」「反復」「アウトプット」
- 毎日のルーティン化で習慣になる
- 内申点アップにもつながる
中学生の毎日を、より豊かにする学習法。
ぜひご家庭で取り入れてみてください!
京の算数学 解答#1142
