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京の算数学問題#1126

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算数学コラム
こんにちは。京都市中京区で算数・数学専門の「アイデア数理塾」を運営しております、油谷拓哉です。
お子さんの算数の勉強で「とにかくドリルをやらせれば大丈夫」と思っていませんか?
もちろん、ドリルは計算力を身につける上で欠かせない教材です。しかし、「計算ドリルだけ」では、算数全体の力は思ったように伸びていきません。
今回は、なぜ計算ドリルだけでは不十分なのか?その理由を3つに分けて解説します。
理由①:文章題や図形問題に対応できない
計算ドリルの多くは、数字の計算に特化した反復練習です。
確かに手が早くなる・正確になるという意味では効果があります。
しかし、実際のテストや入試、日常生活で必要とされるのは「考える力」や「応用する力」です。
特に文章題や図形問題では、条件を読み取ったり、式を立てたり、関係を整理したりといった「思考力・読解力・構造化力」が求められます。
たとえば、
「みかんが3つあります。1つの重さが150gです。全部で何gでしょう?」
という問題を見たとき、”3×150=450″ の計算だけでなく、どこに何の情報があるかを読み解く力が必要です。
このような「情報処理力」は、ドリルでは育ちにくいのです。
理由②:「なんでそうなるの?」を考える機会がない
計算ドリルはスピードと正確さを重視します。そのため、途中で間違えても「正しい答えを出す」ことに集中してしまいがち。
でも本当に大切なのは、「なぜそうなるのか?」という理解のプロセスです。
たとえば、
「分数の足し算で通分するのはなぜ?」
「わり算の筆算はなぜこの順番で計算するの?」
こういった「根本のしくみ」を理解せずに問題を解いていると、少し形式が変わるだけで途端に解けなくなってしまいます。
「考える算数」への移行がスムーズにいかない理由は、こうした「しくみの理解」が抜け落ちているからです。
理由③:学年や単元ごとの関連性を見失う
小学校の算数は、実は「つながりの教科」です。
・1年生のたし算 → 2年生のかけ算
・3年生の分数 → 5年生の割合
・4年生の面積 → 6年生の体積
このように、前の学年の内容を土台にしながら進んでいきます。
でも、ドリルは学年単位や単元単位で区切られていることが多く、「つながりを意識する設計」になっていません。
すると、子どもたちは「点」として覚えるだけで、応用力が身につきません。
ドリルだけでは「知識のつながり」が断片化してしまうのです。
まとめ:大切なのは「考える経験」と「対話」
ドリルで基礎を固めるのはもちろん大切です。
しかし、その上で
・言葉で説明する練習
・図を描く、書き出す
・友達や大人と考えを共有する時間
などの「対話的な学び」があると、子どもたちの算数力は一気に伸びていきます。
アイデア数理塾では、「考える習慣」を育てる授業を大切にしています。
もし、「うちの子、ドリルはできるのに文章題が苦手で…」とお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
京の算数学 解答#1126
