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京の算数学問題#961

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算数学コラム
こんにちは!京都市中京区で学習塾を運営しております、油谷拓哉(ゆたに たくや)です。
小学校の授業で2015年に学習指導要領が改定され、「道徳」が特別の教科として位置付けられました。これにより、小学校における道徳教育が大きく変化しましたが、一体どのような内容が学ばれているのでしょうか?
今回は、小学校の道徳の授業内容やその意義について詳しく解説していきます。
小学校の「道徳」とは?
道徳とは、社会のルールや道理を学び、他者を思いやる心を育むための教科です。
小学校の道徳の授業では、具体的な事例を通して「善悪の判断」「責任感」「感謝の心」などを学びます。
元々、道徳教育は1958年から実施されていましたが、正式な教科ではなく、各学校や教員の裁量で行われるものでした。
しかし、近年のいじめ問題やモラルの低下が社会問題となったことを背景に、2015年の学習指導要領改訂で道徳が正式な教科となりました。
なぜ道徳が小学校で必修化されたのか?
文部科学省によると、道徳が教科化された大きな理由のひとつが、いじめ問題の深刻化です。
2018年度には、小中高校および特別支援学校におけるいじめの認知件数が54万件を超えるというデータもあります。
以前は「心のノート」という副読本を活用する形で道徳の授業が行われていましたが、それだけでは十分な成果が得られず、より体系的に道徳教育を行うために正式な教科として導入されたのです。
小学校の道徳の授業内容
小学校の道徳の授業は、学年ごとに異なるテーマを学びます。
1〜2年生
- 正直であることの大切さ
- 礼儀や感謝の気持ち
- 友達との関わり方
- 自分でできることをやる習慣
3〜4年生
- 思いやりや協力の重要性
- 日本の伝統文化や海外文化への関心
- ルールを守ることの大切さ
5〜6年生
- 目標を立てて努力すること
- 公徳心や社会のルールの理解
- 自立と責任
- 人権や多様性の尊重
これらの内容を、実際のエピソードや事例を交えながら学習し、子どもたちが自分で考える力を身につけていきます。
小学校の道徳教育の課題とは?
道徳が教科化されてから数年が経ちましたが、実際の教育現場ではさまざまな課題も指摘されています。
- 評価の難しさ 道徳の成績は数値で評価するのではなく、「関心・意欲・態度」などを観察して評価します。しかし、道徳は個人の価値観による部分も多く、評価基準を明確にするのが難しいとされています。
- 教科書に頼りすぎる授業 道徳の授業では、教科書を使った読み物中心の学習が多くなりがちです。しかし、実生活での道徳的な行動につなげるには、ディスカッションや体験学習などを増やす必要があります。
- 家庭との連携の必要性 道徳は学校だけで完結するものではなく、家庭での教育も重要です。学校と家庭が連携しながら、日常生活の中で道徳的な行動を促すことが求められます。
道徳は「心の種」を育てるもの
道徳の授業では、すぐに目に見える成果が出るわけではありません。
しかし、日々の積み重ねの中で、子どもたちは少しずつ「思いやり」や「善悪の判断力」を育んでいきます。
道徳の授業は「失敗しないための授業」ではなく、「人として成長するための授業」です。
実際にたくさんの経験をし、失敗や成功を積み重ねることで、道徳の学びが活きてきます。
学校だけでなく、家庭や地域社会全体で子どもたちの道徳心を育てていくことが大切です。
今回は小学校の道徳の授業について詳しくお話ししました。
今後も、教育に関する情報を発信していきますので、ぜひチェックしてください!
以上、京都市中京区のアイデア数理塾、油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けしました!
算数好きあつまれ〜!
京の算数学 解答#961
