京の算数学問題#924
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算数学コラム
みなさんこんにちは!京都市中京区で学習塾を運営しております、油谷拓哉(ゆたに たくや)です。
今回は保護者の方からよく寄せられる質問の中でも特に話題になる「掛け算の順番」についてお話しします。
お子さまの宿題を丸付けするとき、「解き方が解答と違うけれど、答えは合っている」というケースに迷った経験はありませんか?
その疑問を解消するため、今回は具体例を挙げながら解説していきます!
掛け算の順番問題が話題に!実際のケースをご紹介
【問題】
みかんを3人の子どもに配りました。どの子どもも6個ずつもらいました。全部で何個配りましたか?
【お子さまの解答】
3×6=18 答え:18個
【学校の正解】
6×3=18 答え:18個
このような問題を見たことがある方も多いのではないでしょうか?
実は、このケースはX(旧Twitter)上でも大きな話題となった「掛け算の順番問題」の一例です。
小学校の算数では、掛け算の指導で「1つ分の数×いくつ分」という順番を徹底しています。
このため、今回の問題では「みかん1人分が6個×3人いる」ということで 6×3 が正しい式とされます。
一方で、お子さまが「3人それぞれが6個もらった」と考えて 3×6 と解いた場合、答えは合っているのに「式が違うから間違い」とされることがあります。
なぜ「順番」が重要?学校教育の背景を解説
小学校の算数では、問題を解く際のプロセスや考え方を重視します。
このため、正しい答えを導き出すことに加え、「正しい考え方で解いたかどうか」が評価基準に含まれるのです。
特に掛け算では、「1つ分の数×いくつ分」という基本的な考え方を身につけることが重要とされています。
このルールを守らないと、将来的に割合や単位量あたりの問題で混乱してしまう可能性があるため、厳しく指導されるのです。
しかし、保護者の立場から見ると「答えは合っているのに間違い扱いされるのは不公平だ」と感じることも多いでしょう。
それでは、こういったケースにどう対応すればよいのでしょうか?
本当に大切なのは「式」よりも「理解」
掛け算の順番問題では、「式が正しいか」よりも「お子さまが本当に問題を理解しているか」が大切です。
たとえば、今回の問題で 3×6 と答えた場合でも、以下のように説明できれば問題ありません。
- 「3人がそれぞれ6個ずつ持っているから、3×6で18個になる」
このように、「みかんを3人に6個ずつ配る」という状況を正しくイメージできていれば、式の順番はそれほど気にする必要はありません。
一方で、「かけ算だからとりあえず掛けた」という場合は注意が必要です。
式の意味を理解せずに答えを出していると、算数を学ぶ本来の目的である「論理的思考力」を育む機会を失ってしまいます。
お子さまの理解度を確認する方法
お子さまが問題を本当に理解しているかを確認するには、次のような問いかけが効果的です。
- 「どうしてその式になったの?」と聞いてみる
お子さまが自分の考えを説明できれば、問題の内容を正しく理解している証拠です。 - 絵や図を使って考えさせる
状況を絵や図で表現することで、問題のイメージが具体化し、理解度がさらに深まります。 - 別の似た問題を出してみる
同じ考え方で解ける別の問題を解かせることで、理解が定着しているかを確認できます。
掛け算の式が違う場合、家庭でどう対応すべき?
「学校で習った順番と違う式を書いてしまった」とき、保護者としてはどのように対応すれば良いのでしょうか?
1. まずは正しいルールを教える
学校の指導方針に従い、掛け算の順番のルールを教えましょう。「1つ分の数×いくつ分」という考え方が大切であることを伝えます。
2. お子さまの考えを否定しない
お子さまが導き出した式や考え方も大切です。「その考え方もいいね。ただ、学校ではこう習うから、これも覚えておこう」と、肯定的なアプローチで伝えるのがおすすめです。
3. 理解が深まる工夫をする
絵や図、具体物(お菓子やおもちゃなど)を使って、問題の状況を一緒に考えてみましょう。楽しみながら取り組むことで、記憶に残りやすくなります。
まとめ:掛け算の順番問題を家庭でどう活かす?
掛け算の順番問題は、「答えが合っていれば良い」というだけでなく、「どう考えたか」を問う良い機会です。
お子さまの答えと学校の正解が違う場合でも、まずは理解度を確認し、必要に応じて学校のルールを補足する形で教えてあげましょう。
最も大切なのは、「算数のルールを押し付ける」のではなく、「考える楽しさ」を伝えることです。
お子さまが主体的に問題に取り組む姿勢を育むために、ぜひ今回のブログ内容を参考にしてみてください!
以上!京都市中京区のアイデア数理塾、油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けいたしました!
算数好きあつまれ〜!