京の算数学問題#145
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算数学コラム
57は素数でしょうか?
結論を言いますと、57は3を因数に持ちますので、素数ではありません。
ですが、57には別名グロタンディーク素数と言われています。
これは、皮肉にも20世紀を代表する数学者であるアレクサンドル・グロタンディークが、57を素数と言ってしまいましたが、当時その場にいた人達は偉大な数学者のミスに誰も指摘ができなかったそうです。それゆえこの皮肉が生まれてしまいました。
では偉大な功績を残したグロタンディークは何をした人なのでしょうか?
彼は、1928年ドイツに誕生しました。
当時のドイツでは、ナチスによる進行があり、グロタンディークは移住先のフランスで数学に出会ったそうです。研究初期は関数解析学に従事し、代数幾何学に対象が移りました。
彼の主な著書は「代数幾何原論」「代数幾何セミナー」があり、2冊で9000ページ以上にも及ぶ壮大な著作となりました。
それ以来、代数幾何学ぶんやにおいて、独力で再編したとも言えるほど大きく進歩させました。1966年にはフィールズ賞を受賞。この賞は数学者にとってのノーベル賞と言われるほどの賞です。
それほどの人でも、ミスはするものなのです。
弘法にも筆の誤りですね。
ある意味グロタンディーク素数は諺、比喩表現の様なものでしょうか。
ちなみにですが、2020年4月22日時点でわかっている最大の素数は2の82589933乗―1であるとされています。
ユークリッドにより素数が無数に存在する事が証明されて以来、多くの数学者達により大きな素数の探究が進められてきました。
発見済みの巨大素数の多くはメルセンヌ数(2の冪乗−1の数)であり、2018年12月時点では上位8位までがメルセンヌ素数である。
こう言う一見意味のないと思う様な所で意外なひらめきがあるのが数学の面白さ。
この素数が1番利用されているのが暗号です。
例えばクレジットカードなど巨大な2つの素数の分解にはコンピュータでも膨大な時間がかかります。RSA暗号といい私たちの個人情報は素数によって守られているのです。
以上!京都市中京区のアイデア数理塾 油谷がお届けいたしました!
算数好きあつまれ〜!