京の算数学問題#533
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算数学コラム
みなさんこんにちは!京都市中京区で学習塾を運営しております。油谷拓哉(ゆたに たくや)です!
小学算数で濃度の問題といえば誰もがつまづく単元です。
ところで生徒からこんな質問が出ました
「アルコール70%ってひっく〜!100%にすればいいじゃん!」
でも意外や意外アルコールって70%にする理由があるんですよね。
今日はそんなお話しです。
消毒用アルコールが100%ではない理由
答えは水が必要だからです。
アルコールは水ではありません。別の化学物質です。
消毒に向いているアルコールはおよそ70%前後であることが多いです。
というのもアルコール単体では確かに殺菌性は高いのですが、蒸発しやすく水を含ませることによりその場にとどまり持続的に殺菌効果が得られます。
アルコールでなぜ消毒ができるの?
細菌も生き物ですので、タンパク質の膜をまとっています。
アルコールの一種であり消毒に用いられるエタノールは細菌のタンパク質の膜を変性させ、細胞膜に穴をあけることで細胞自体を死滅させることができます。
100%のエタノールでは確かに変性させる能力は高いのですが、瞬時に変性させてしまうと新たに細胞がタンパク質の膜をつくってしまいエタノールが浸透しづらくなるという理由もあるそうです。
100%アルコールはどんな時に使われるのか?
無水エタノールと呼ばれるほとんど水を含まない濃度の高いエタノールは洗浄力が高く、一瞬で蒸発してしまいます。
これにより水拭きができない機械や電気製品などの掃除に活用されています。
ちなみに皮膚につくと水分を奪う性質から、手が荒れたりする可能性もあります。
アルコール濃度は70%〜80%
現在では、60%〜95%の濃度範囲であれば殺菌力にはほとんど差がないという風に言われています。
市販で売られている消毒用アルコールは実は殺菌性が最も高くなるように考えられていたがゆえの70%アルコールだったのです。
ちなみに、余談ですが、エンベロープというウイルスの中でも主に脂肪で構成されているタイプのウイルスは100%近いアルコールが最も消毒効果が高いとされているようです。
基本的には70%で問題ないけれどもこういう特異なタイプもいるんですね^^;
以上!京都市中京区のアイデア数理塾 油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けいたしました!
算数好きあつまれ〜!