京の算数学問題#350
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算数学コラム
突然ですが問題です!
57は素数でしょうか?
中学に入ると初めて学ぶ「素数」ですが、実は数学者たちの中でも長年研究が続けられています。現状でわかっている最大の素数は289589933-1です。
この57は素数なのか?という話は有名で、「グロタンディーク素数」と言われています。
今日はグロタンディークに焦点を当てお話を進めていきます。
グロタンディークは何した人?
グロタンディークは1928年〜2014年まで主にフランスで活躍したドイツ出身の数学者です。
エタール・コホモロジー理論(フェルマーの最終定理の証明に用いられた)などを提唱し数学のノーベル賞と言われるフィールズ賞を1966年に受賞しました。
素数の定義とは?
そもそも素数とは「2以上の自然数で正の約数が1と自分自身のみである」数のことです。
例えば34の約数は1,2,17,34ですので素数ではありませんが13は1,13しか約数を持たないので素数となります。
57は素数なのか?
では57はどうでしょうか?
57の約数は1,3,19,57ですので素数ではありません。
ではなぜ57が素数だと言われれるようになったんでしょうか。
57は素数?!グロタンディーク素数誕生
グロタンディークがある数学の講義を行っていた時、生徒から「先生、何か具体例をあげて頂けませんか?」という質問が出ました。
それに対しグロタンディークは「仕方ないですね、ここで書いてあるpは素数ですが、仮にp=57としましょう」と講義を行ったのです。
生徒は思いました。
「グロタンディーク先生が素数とおっしゃるからには素数なのだろう!」
若干皮肉めいてる気もしますが笑
とにかくこのような経緯から57はグロタンディーク素数と言われるようになったのです。
ちなみに晩年のグロタンディークは数学の世界から離れピレネー山脈に隠居する事になり、下界に降りてくることはありませんでした。
2014年11月13日86歳でグロタンディークはこの世を去りました。
弘法も筆のあやまり
ミスをしない人間はいないのです。
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