数学コラムの目次
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京の算数学問題#1509

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算数学コラム
途中式を書かない子に、途中式を書かせるべきか。
結論から言うと、途中式は書けるようにした方がよいです。
ただし、すべての計算で無理に細かく書かせる必要はありません。
大切なのは、途中式を書かせることそのものではなく、考えた順番を残せるようにすることです。
途中式を書かない子には、いくつかのタイプがあります。
- 暗算でできるから書かない子
- 面倒だから書かない子
- 書き方が分からない子
- 頭の中では考えているけれど、式に残せない子
- 間違えたときに、どこで間違えたか見つけられない子
- 中学生になって、符号や方程式で急にミスが増える子
この中で特に注意したいのは、答えは合うこともあるけれど、間違えたときに原因を見つけられない子です。
途中式は、先生に見せるためだけのものではありません。
自分がどこをどう考えたのかを、あとから見直すためのものです。
この記事は、次のようなお子さまの保護者の方に向けて書いています。
- 小学生で途中式を書かずに答えだけ書く
- 算数の計算ミスが多い
- 文章題で式を書かず、いきなり答えを書く
- 中学生になって数学の符号ミスや移項ミスが増えた
- 「頭の中では分かってる」と言うが、テストで点を落とす
- 途中式を書きなさいと言うと嫌がる
- 京都市中京区・烏丸御池周辺で算数・数学の学習塾を探している
途中式は、小学生の算数だけでなく、中学生の数学にもつながる大切な習慣です。
まず知っておきたい 途中式を書かないこと自体が悪いわけではない
途中式を書かない子を見ると、保護者の方は心配になると思います。
「ちゃんと考えているのかな」
「これで中学に行って大丈夫かな」
「途中式を書かないからミスが多いのでは」
そう感じるのは自然です。
ただ、途中式を書かないこと自体が、すぐに悪いわけではありません。
たとえば、
8+7
12×3
100−45
のような計算を、すべて細かく途中式にする必要はありません。
暗算で正確にできる計算まで、毎回無理に書かせると、子どもによっては「算数は面倒なもの」と感じてしまうこともあります。
問題は、途中式を書かないことではなく、必要な場面でも書かないことです。
途中式を書いた方がよい場面
途中式は、特に次のような場面で大切になります。
| 場面 | 途中式が必要な理由 |
|---|---|
| 計算が2段階以上ある | どこから計算したか分かる |
| かっこや計算の順序がある | 順番のミスを防ぎやすい |
| 分数・小数が混ざる | 約分や通分のミスを見つけやすい |
| 文章題 | 数量の関係を整理しやすい |
| 方程式 | 式変形の手順が見える |
| 符号が出てくる | マイナスのつけ忘れを見つけやすい |
| テスト直し | どこで間違えたか確認できる |
途中式は、簡単な計算をわざわざ長くするためのものではありません。
ミスしやすいところを見えるようにするためのものです。
塾の現場で見られるパターン
塾で子どもたちを見ていると、途中式を書かない理由はいくつかに分かれます。
パターン1 暗算でできると思っている
計算が得意な子に多いタイプです。
たしかに、小学生のうちは暗算で答えが合うこともあります。
しかし、学年が上がると、式が長くなります。
18 − 3 × 4
2x + 3 = 11
−5 + 8 − 12
1/2 + 1/3
のように、計算の順序、符号、分数、文字が入ってくると、頭の中だけで処理するのが難しくなります。
最初はできていても、中学生になってから急にミスが増える子もいます。
この場合、途中式は「できない子が書くもの」ではありません。
難しくなったときに自分を助ける道具です。
パターン2 面倒だから書かない
途中式を書かない理由として、一番多いのがこれです。
「書かなくても答え出るし」
「めんどくさい」
「時間がかかる」
「答えが合っていればいい」
子どもからすると、途中式は遠回りに見えます。
でも、ミスをしたときに途中式がないと、どこで間違えたのか分かりません。
その結果、
「気をつける」
「次はちゃんとやる」
で終わってしまいます。
しかし、「気をつける」だけではミスは減りにくいです。
途中式があると、
- 計算順序を間違えたのか
- 符号を落としたのか
- 約分を忘れたのか
- 式の立て方が違ったのか
- 最後の計算だけ間違えたのか
が見えます。
パターン3 途中式の書き方が分からない
途中式を書かない子の中には、実は「書かない」のではなく、どう書けばよいか分からない子もいます。
たとえば、文章題で、「式を書きなさい」と言われても、何をどう並べればよいか分からない。
方程式で、2x + 3 = 11を解くときに、どの行に何を書けばよいか分からない。
分数計算で、通分したあとをどう残せばよいか分からない。
この場合、ただ「途中式を書きなさい」と言っても、子どもは困ってしまいます。
必要なのは、途中式を書くように注意することではなく、途中式の正しい書き方を教えることです。
パターン4 ノートをきれいに書くことだと思っている
途中式というと、きれいなノートを想像する子もいます。
でも、途中式は作品ではありません。
多少字が整っていなくても、考えた順番が分かれば意味があります。
大切なのは、
- どこを計算したか
- どの数字を使ったか
- どの順番で進めたか
- どこで間違えたか
がわかるということです。
ノートがきれいかどうかより、考えた跡が残っているかを見たいところです。
パターン5 間違えた跡を残したくない
意外と多いのが、間違いを残したくない子です。
途中式を書くと、間違えたところが見えてしまいます。
それが嫌で、答えだけを書こうとする子もいます。
この場合は、途中式を書くこと以前に、「間違えてもいい」「直すために残す」という安心感が必要です。
途中式は、間違いを責めるためのものではありません。
間違えたときに、戻れる場所を作るためのものです。
途中式がないと、何が困るのか
計算の順序のミスが見つからない
問題:
6 + 4 × 2
誤答:
20
途中式がない場合、なぜ20になったのか分かりません。
でも、途中式があると、
6 + 4 = 10
10 × 2 = 20
と書いていたことが分かります。
この場合、計算そのものではなく、
かけ算を先にするルールでつまづいています。
正しくは、
4 × 2 = 8
6 + 8 = 14
です。
途中式があるから、原因が見えます。
分数のミスが見つからない
問題:
1/2 + 1/3
誤答:
2/5
答えだけ見ると、ただの間違いです。
でも、途中式を見ると、
1 + 1 = 2
2 + 3 = 5
だから 2/5
と考えているかもしれません。
この場合、通分を忘れたというより、分母の意味が分かっていない可能性があります。
正しくは、
1/2 = 3/6
1/3 = 2/6
3/6 + 2/6 = 5/6
です。
途中式を見ることで、ただの計算ミスなのか、分数の意味の理解不足なのかを見分けやすくなります。
方程式の変形ミスが見つからない
問題:
2x + 3 = 11
誤答:
x = 7
途中式がないと、どこでx = 7になったのか分かりません。
途中式があると、
2x + 3 = 11
2x = 11 + 3
2x = 14
x = 7
と解いているかもしれません。
この場合、移項するときの符号で間違えています。
正しくは、
2x + 3 = 11
2x = 11 − 3
2x = 8
x = 4
です。
中学生の数学では、途中式がないと、ミスの原因がかなり見えにくくなります。
文章題で式の立て方が見えない
問題:
1個120円のノートを3冊買い、500円を出しました。おつりはいくらですか。
誤答:
380円
途中式がないと、何をしたのか分かりません。
途中式があれば、
500 − 120 = 380
と書いていたことが分かります。
この場合、子どもは「3冊」を使えていません。
正しくは、
120 × 3 = 360
500 − 360 = 140
答えは140円です。
ここで必要なのは、計算練習ではなく、数量の関係を式に残す練習です。
途中式を絶対書かせた方がいい子どものサイン
次のような様子がある場合は、途中式を書く練習をした方がよいです。
- 計算ミスが多い
- どこで間違えたか自分で分からない
- 答えだけ書いて、バツになるとすぐ消す
- 文章題で式を書かずに答えだけ出す
- 分数や小数でミスが増える
- 計算の順序で間違える
- 中学生で符号ミスが多い
- 方程式の途中で式が飛ぶ
- テスト直しをしても、なぜ間違えたか分からない
- 「分かってたのに」と言うことが多い
この場合、途中式は負担を増やすものではなく、ミスを減らすための支えになります。
途中式を全部書かせなくてもよい場合
一方で、次のような場合は、すべての途中式を細かく書かせる必要はありません。
- 暗算で安定して正確にできている
- 短い計算でミスが少ない
- 難しい問題では必要な式を書ける
- 間違えたときに、自分で原因を説明できる
- 文章題では式を残せている
- 方程式や分数では途中を書いている
途中式は、量ではなく使い方が大切です。
「全部書きなさい」と言いすぎると、子どもによっては途中式をただの作業として書くようになります。
それよりも、ミスしやすい問題では書く、考え方が必要な問題では書く、見直したい問題では書くという自分で取捨選択をする感覚を育てたいところです。
原因別の対策
面倒だから書かない場合
このタイプの子には、途中式の量を増やしすぎないことが大切です。
- 全部ではなく、ミスした問題だけ書く
- 1行だけ途中式を増やす
- 計算が長い問題だけ書く
- テスト直しのときに途中式を見る
- 「書くとどこで間違えたか分かる」と伝える
「全部書きなさい」より、
「ここだけ書くとミスが見つかる」の方が伝わりやすい子もいます。
書き方が分からない場合
途中式の書き方が分からない子には、型を見せます。
- 先生や保護者が1問だけ見本を書く
- 1行に1つの処理だけ書く
- 式を縦にそろえる
- 計算した場所を次の行で変える
- 答えだけ飛ばして書かない
たとえば、方程式なら、
2x + 3 = 11
2x = 11 − 3
2x = 8
x = 4
のように、1行ずつ変化を見せます。
途中式は、自分で発明するものではありません。
まずは型をまねするところからで十分です。
暗算で進めすぎる場合
暗算が得意な子ほど、途中式を書くのを嫌がることがあります。
この場合は、すべてを書かせるのではなく、暗算してよい場所と書く場所を分けます。
- 簡単な計算は暗算でよいと認める
- 分数・小数・符号が出たら書く
- 2段階以上の計算は書く
- 文章題は式を残す
- テストでミスした問題だけ書き直す
「暗算が悪い」のではありません。
暗算だけでは危ない場面を知ることが大切です。
間違いを残したくない場合
間違いを残したくない子には、途中式を責める材料にしないことが大切です。
- バツを強く責めない
- 間違えた式をすぐ消させない
- 「ここまで合っているね」と途中を見る
- どこからずれたか一緒に確認する
- 直した跡を残す
途中式を書くと、子どもの考え方が見えます。
だからこそ、大人の反応が大切です。
途中式を見てすぐに「ここ違う」と責めると、子どもは書きたくなくなります。
文章題で式を残せない場合
文章題では、途中式というより、考えた流れを残すことが必要です。
- 数字に単位をつける
- 何を求める問題か書く
- 先に出すものを書く
- 1つの式に全部詰め込まない
- 図や表も途中式として認める
文章題では、式だけが途中式ではありません。
図、表、線分図、メモも、考えた跡です。
「きれいな式を書きなさい」ではなく、
「考えたことを残そう」という見方が大切です。
小学生と中学生で、途中式の意味は少し変わる
小学生の場合
小学生の途中式は、主に計算の順序や文章題の整理に役立ちます。
特に大切なのは、
- 計算の順序
- 分数
- 小数
- 割合
- 速さ
- 文章題
- 図形
です。
小学生のうちは、途中式をきれいに書くより、まず考えた順番を残すことを大切にしたいところです。
中学生の場合
中学生になると、途中式の重要性はさらに大きくなります。
- 正負の数
- 文字式
- 方程式
- 連立方程式
- 関数
- 証明
- 図形
では、途中の考え方が点数に直結しやすくなります。
中学生の数学では、答えだけ合っていても、途中の考え方が必要な場面があります。
また、途中式がないと、符号ミスや移項ミスを見つけにくくなります。
小学生のうちから、必要なときに式を残す習慣をつけておくと、中学数学で困りにくくなります。
例外・注意点|途中式を書けば必ず伸びるわけではありません
途中式は大切です。
ただし、途中式を書けば必ず成績が上がるわけではありません。
注意したいのは、次のような場合です。
- ただ写しているだけ
- 意味が分からないまま行を増やしている
- 途中式はあるが、数字の意味を見ていない
- 間違えた途中式を見直していない
- 書くことが目的になっている
- きれいに書くことだけに意識が向いている
途中式は、書くことがゴールではありません。
また、途中式を丁寧に書きすぎて視覚情報が多くなり結果的にミスが増えてしまうパターンもあります。
書いたものを見て、「どこで考えたか」「どこで間違えたか」「次に何を見るか」が分かることが大切なので途中式を書くことの意味をまず腑に落とすことが大切です。
また、子どもによっては、すべてを言葉や式で表すのが苦手な場合もあります。
その場合は、図、線、メモ、印なども含めて、考えた跡を残すところから始めるとよいでしょう。
塾の先生として見ていること
塾で途中式を見るとき、私は「きれいに書けているか」だけを見ているわけではありません。
見るのは、
- 最初にどこを計算しているか
- 計算の順序が分かっているか
- 符号を落としていないか
- 分数の通分や約分が見えているか
- 方程式の変形が1行ずつできているか
- 文章題で数量の関係を式にできているか
- 間違えたときに原因を見つけられるか
- 答えだけでなく考え方が残っているか
途中式を書かない子に対して、いきなり全部を書かせようとしても、うまくいかないことがあります。
まずは、ミスが起こりやすいところだけ。
次に、計算が2段階になるところ。
その次に、文章題や方程式。
このように、必要な場面から少しずつ書けるようにしていくことが大切です。
アイデア数理塾が大切にしていること
アイデア数理塾では、途中式を「書かせるためのもの」とは考えていません。
途中式は、子どもが自分の考えを見直すための道具です。
だからこそ、
- 答えだけで判断しない
- どこで手が止まったかを見る
- どこで計算がずれたかを見る
- 途中まで合っている部分も確認する
- 書き方が分からない子には型を伝える
- 少しずつ自分で見直せるようにする
ことを大切にしています。
京都市中京区・烏丸御池周辺で、小学生の算数や中学生の数学に不安がある方は、途中式を書かないことを「やる気がない」と決めつける前に、なぜ書かないのかを見てみることが大切です。
途中式は、子どもを縛るものではありません。
むしろ、自分で考え、自分で直し、自分で学べるようになるための支えになります。
まとめ 途中式は「書かせるもの」ではなく、考えを残すためのもの
途中式を書かない子に、途中式を書かせるべきか。
答えは、必要な場面では書けるようにした方がよいです。
ただし、すべての計算で細かく書かせる必要はありません。
途中式が大切なのは、
- 計算の順序を確認するため
- 分数や小数のミスを見つけるため
- 符号ミスを防ぐため
- 方程式の手順を残すため
- 文章題の考え方を整理するため
- テスト直しで原因を見つけるため
途中式を書かない子は、単に面倒くさがっているだけとは限りません。
書き方が分からない。
暗算でできると思っている。
間違いを残したくない。
きれいに書かないといけないと思っている。
そうした理由があることもあります。
大切なのは、「途中式を書きなさい」で終わらせないことです。
「どこを先に計算したか残そう」
「ここだけ1行書いてみよう」
「この式があると、間違えた場所が分かるね」
このように、途中式の意味を伝えていくことが大切です。
途中式は、答えにたどり着くためだけのものではありません。
自分の考えを見えるようにするためのものです。
そこが分かると、算数・数学のミスは少しずつ減らしやすくなります。
京の算数学 解答#1509





