数学コラムの目次
京の算数学問題#1211

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「割り算」って、ただの計算じゃない
「割り算=÷」と聞くと、
「計算がややこしい」「筆算が苦手」というイメージを持つ子も多いですよね。
でも、そもそも“割り算”という言葉自体、
もともとは「分ける」「配る」「均等にする」という日常的な行動から生まれた言葉なんです。
割り算の語源は「割る」=“わかつ”
「割る」という言葉の語源は、古語の“わかつ”(分かつ)にあります。
つまり、「一つのものを分ける」という意味。
- リンゴを2人で分ける
- 時間を半分にする
- 仕事を分担する
どれも“割り算の考え方”なんです。
数式にしなくても、すでに私たちは生活の中で割り算をしているということですね。
「分ける」が語源の言葉、実はたくさんある
「割り算」や「分かつ」と同じ考え方をもつ言葉は、身の回りにもたくさんあります。
| 言葉 | 意味 | 割り算との共通点 |
|---|---|---|
| 分け前 | みんなで分けたときの取り分 | 数を公平に配る考え方 |
| 分担 | 仕事や役割を分けること | 全体を人数で割る |
| 分割 | ひとつをいくつかに切り分ける | 割る・分けるのイメージ |
| 分数 | 全体の一部を表す数 | 割り算の一形態 |
| 理解(りかい) | “分けて知る”という意味 | 情報を整理・分けて考える |
こうして見ると、「分ける」「整理する」「公平にする」という考えが、
日本語のいろんなところに根づいていることがわかります。
つまり、“割り算の考え方”は、算数だけでなく人の考え方そのものなんです。
割り算は「考え方の整理術」
たとえば、勉強時間を考えるときも割り算を使っています。
1日2時間の勉強を、5教科でどう分けよう?
→ 2時間 ÷ 5教科 = 1教科あたり約24分
割り算って、時間や労力、気持ちを“整理して配分する”ための道具でもあるんです。
だから、割り算を学ぶことは
「数の計算を練習する」だけでなく、
考え方を整える力を育てることでもあります。
算数は「言葉の世界」とつながっている
算数が苦手な子ほど、
「数字の話」と「言葉の話」が別世界のように感じてしまいがちです。
でも実は、言葉のルーツをたどると、
どれも“生活の中の算数”から生まれているんです。
「割り算」という言葉もそのひとつ。
私たちの祖先が「どうすれば公平に分けられるか?」を考えたところから始まりました。
そう考えると、割り算って“人の優しさ”や“思いやり”が詰まった考え方ともいえますね。
アイデア数理塾では「意味から考える算数」を大切に
アイデア数理塾では、計算のやり方だけでなく、
「この考え方はどこから生まれたのか?」を一緒に探る授業をしています。
割り算ひとつとっても、
「ただ数字を割る」ではなく、
「どう分けたらみんなが納得するかな?」という発想を大事にします。
こうした“意味から考える”学び方を続けると、
算数が「数字の世界」から「人の世界」へとつながっていくんです。
まとめ
割り算の語源は「分かつ」=“分ける”こと。
そしてその考え方は、日常のあらゆる言葉や行動に息づいています。
算数を学ぶことは、
数字を操ることではなく、世界を整理して考える力を育てること。
家庭でも、「どう分ける?」「どうしたらちょうどいい?」という声かけをするだけで、
子どもの“算数の感覚”は自然と育ちます。
京の算数学 解答#1211




