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京の算数学問題#1198

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算数学コラム
こんにちは!京都市中京区で算数・数学専門の「アイデア数理塾」を運営しております、油谷拓哉(ゆたに たくや)です。
算数や数学の文章題になると「いきなりわからなくなる」「何を聞かれているのかわからない」という声をよく聞きます。
実は、文章題が苦手な子には共通する“読み方のクセ”があります。
今日は、その克服のための具体的なステップを紹介します。
1. 「数字」ではなく「意味」を読む
多くの子どもがやりがちなのは、文章中の数字だけを拾って式を作ろうとすることです。
しかし、算数の文章題は「数字のパズル」ではなく「状況を読み取る問題」です。
たとえば、
りんごを3個ずつ入れると4箱になりました。全部で何個ありますか?
この文章で大事なのは「3個ずつ」「4箱」という数字そのものよりも、
“同じ数ずつ入っている”という関係です。
文章を読んだら、まずは頭の中で「どんな場面かな?」と映像にしてみましょう。
2. 主語と目的語をセットでつかむ
文章題が苦手な子の多くは、「誰が」「何をしたか」という文の構造を意識していません。
たとえば、
1本80円のえんぴつを5本買いました。お金は何円いりますか?
このとき大切なのは、
- 「誰が」:自分(買う人)
- 「何をした」:えんぴつを買う
- 「どんな条件で」:1本80円 × 5本
このように、動作(買う・分ける・作る)を中心に考えると、式が自然と立てやすくなります。
3. 言葉を「図」に変える練習をする
文章題を読むときは、文字情報をそのまま処理するよりも、図や線分図に変えるほうが理解が深まります。
たとえば「AさんはBさんより3個多い」という文章を読んだら、頭の中で次のように描きます。
B:■■■■
A:■■■■■(+1)
この図があるだけで、「比べている量」「増えた量」「もとの量」の関係が一目でわかります。
文章を読む力だけでなく、図で整理する力をつけることが文章題克服の近道です。
4. 問われている“ゴール”を先に読む
意外と多いのが、「何を聞かれているか」を最後まで読んでいないケースです。
たとえば、
ノートを3冊ずつ友だちに配ったら、2冊余りました。最初に何冊ありましたか?
この場合、「何冊ありましたか?」というゴールの質問を先に読み取るだけで、
「これは“もとの数”を求める問題だな」と見通しが立ちます。
ゴールを先に読むことで、
・式の立て方がわかりやすくなる
・文章のどこを重点的に読めばいいかが明確になる
という効果があります。
5. 「読む力」は練習で育つ
「うちの子は国語が苦手だから算数の文章題も無理」と思う保護者の方もいますが、
実際には“算数の読み方”は練習で必ず身につきます。
アイデア数理塾では、文章題を単なる“計算問題”としてではなく、
「言葉を数学の式に翻訳する練習」として扱っています。
つまり、文章→図→式→答え という一連の流れを体で覚えることで、
どんな文章題でも落ち着いて読み解けるようになります。
まとめ:文章題は「国語」ではなく「翻訳」
文章題の苦手克服のポイントは、「日本語を数学語に翻訳する」意識です。
一度で完璧に読めなくても、「何をしている場面か」「どの量が関係しているか」を考える練習を積むことが大切。
文章題は“読解力+思考力”の両方を伸ばす最高の教材です。
正しい読み方の型を身につけて、自信をもって文章題に取り組んでいきましょう。
京の算数学 解答#1198
