磁石はなぜ鉄にくっつくの?小学生にもわかる磁力のひみつ 京の算数学#1179

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算数学コラム

こんにちは!京都市中京区で算数・理科を中心に子どもたちの学びをサポートしているアイデア数理塾の油谷拓哉です。

磁石を使って遊んだとき、「どうして鉄にくっつくの?」「磁石同士で押し合ったり引き合ったりするのはなぜ?」と不思議に思ったことはありませんか?

今回は 磁石がなぜくっつくのか を、小学生にもわかるように科学的に解説していきます。


1. 磁石の正体は「見えない力」

磁石には、まわりに「磁界(じかい)」と呼ばれる見えない力の場が広がっています。

  • 磁界があるところ → 鉄やニッケルなどの金属に力がはたらく
  • 磁界がないところ → くっつくことはない

この「磁界」のおかげで、磁石は少し離れていても鉄を引きつけたり、逆に反発したりすることができるのです。

2. 磁石の両極「N極」と「S極」

磁石には必ず N極(北極)S極(南極) があります。

  • N極とS極 → くっつく(引き合う)
  • N極とN極 → はね返す(反発する)
  • S極とS極 → はね返す(反発する)

これは電気でいう「プラス」と「マイナス」のような関係です。

実際に棒磁石を2本使って確かめてみると、「くっついた!」「はね返った!」とすぐに体験できます。

3. 鉄がくっつくのはなぜ?

磁石に近づけると鉄がくっつくのは、鉄の中の小さな磁石のような粒(電子の回転による磁気)が、磁石の力によって一方向にそろうからです。

  • 普段の鉄 → 粒の向きがバラバラで磁力なし
  • 磁石を近づける → 粒の向きがそろい、鉄も磁石のようにふるまう
  • その結果、磁石と鉄が引き合って「ピタッ」とくっつく

これを「磁化(じか)」といいます。

4. どんなものが磁石にくっつく?

すべての金属が磁石にくっつくわけではありません。

  • くっつくもの → 鉄・ニッケル・コバルト
  • くっつかないもの → アルミ・銅・金・銀

たとえば1円玉(アルミ)はくっつきませんが、5円玉(銅と亜鉛)も磁石では動きません。意外に思う子も多いポイントです。

5. 磁石はどこで使われている?

磁石は身の回りのさまざまな道具で活躍しています。

  • 方位磁針 …地球自体が大きな磁石のため、北を指す
  • 冷蔵庫のドア …パッキン部分に磁石が入っていてしっかり閉まる
  • イヤホンやスピーカー …電気と磁石の力で音を出す
  • 電車(リニアモーターカー) …磁力を利用して浮いたり動いたりする

磁石の「見えない力」は、実は生活のあちこちで使われているのです。

6. 磁石で遊べる簡単実験

家庭でも安全にできる実験を紹介します。

実験1:磁界を「見える化」する

  • 紙の上に磁石を置く
  • その上から砂鉄をまく

→ 磁界の形にそって砂鉄が並び、「見えない力」が目に見えるようになります。

実験2:磁石で迷路あそび

  • 紙に迷路を描き、その上にクリップを置く
  • 紙の下から磁石を動かしてクリップをゴールへ導く

→ 子どもたちが夢中になる遊びです。


7. まとめ

磁石がくっつくのは、

  1. 磁石のまわりに「磁界」という見えない力があるから
  2. N極とS極は引き合い、同じ極は反発するから
  3. 鉄の中の粒がそろって磁化されるから

という理由によるものです。

磁石の力は子どもにとってとても不思議で、遊びながら理科の世界に自然と入っていけるきっかけになります。ぜひご家庭でも、砂鉄やクリップを使って一緒に楽しんでみてください。

京の算数学 解答#1179

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