京の算数学問題#1170

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算数学コラム
こんにちは!京都市中京区で算数・数学専門の「アイデア数理塾」を運営しております、油谷拓哉(ゆたに たくや)です。
算数の理解度や成績を分けるものは「計算力」や「暗記量」だけではありません。実は「ノートの取り方」にも大きな差が出るのです。
同じ問題を解いていても、ノートが整っている子は理解が深まり、復習もスムーズに進みます。逆にノートが乱雑な子は、同じミスを繰り返したり、応用問題でつまずいたりしやすいのです。
今回は 「算数のノートの取り方がなぜ大事なのか」「学年別の工夫」「保護者が家庭でできるサポート」 をまとめました。
1. ノートは「答え」ではなく「考え方」を残す場所
算数では、正解を出すことよりも「どう考えたか」の過程が重要です。
途中式や図、考え方の整理を残すことで、自分の理解を後から見直すことができます。
逆に「答えだけ」のノートでは、
- どこで間違えたかがわからない
- 復習しても同じミスを繰り返す
- 思考のプロセスが整理されない
といった問題が起こります。
ノートは「頭の中を見える化するツール」と考えると、取り方の大切さがよくわかるでしょう。
2. よくある算数ノートの失敗例
私が日々見ている中で、算数が苦手な子に多いノートの特徴があります。
- 答えだけが書かれていて、途中式がない
- 桁がずれていて計算ミスを招きやすい
- 問題番号や題材を書かず、復習のときにどの問題かわからない
- 消しゴムで間違えを消してしまい、どこでつまずいたか記録が残らない
このようなノートは、せっかくの勉強時間を「解いて終わり」にしてしまう原因になります。
3. 算数理解を深めるノートの工夫5つ
算数のノートを「力がつくノート」に変えるには、次の5つのポイントを意識すると効果的です。
① 問題番号や題材を書く
どの問題を解いたのかが一目でわかるようにします。
復習の効率が大きく変わり、テスト前の見直しにも役立ちます。
② 途中式を必ず残す
暗算で答えが出ても式を書く習慣をつけましょう。
「なぜその答えにたどり着いたか」を記録することが、理解の定着につながります。
③ 桁をそろえる
特に筆算や小数・分数の計算では、縦のラインをきちんとそろえることが大切です。
桁ずれによる計算ミスは「算数嫌い」を生む大きな原因のひとつです。
④ 図や表を活用する
文章題や図形問題は、図や表を書いて整理することで理解が一気に深まります。
「言葉で説明されてもイメージできない」子には特に有効です。
⑤ 消さずに「×」や訂正を書く
間違えを消してしまうと、どこで誤ったのかがわかりません。
「この考え方ではダメだった」という記録こそが、次につながる学びです。
4. 学年別|ノートの取り方の工夫
子どもの発達段階によって、ノートの工夫は変わります。
● 低学年(小1〜2年生)
- 数字を大きめに、1マスに1文字で丁寧に書く
- 図や絵を多めに使って考えを整理する
- 問題番号を必ず書く練習を始める
→ まだ字の大きさや整え方が不安定なため、見やすさを意識することが最優先です。
● 中学年(小3〜4年生)
- 途中式をしっかり残す習慣をつける
- 桁をそろえた計算を練習する
- 文章題では図や表を書き、言葉を「整理」して視覚化する
→ ここでノートが整っているかどうかで、高学年からの文章題や応用問題の理解に差がつきます。
● 高学年(小5〜6年生)
- 問題ごとにスペースを空け、見直しや書き直しをしやすくする
- 図やグラフを正確に書く練習をする
- 間違いの記録を残して「振り返りノート」にする
→ 中学内容への橋渡しとして「論理的に整理して書く」力を育てるのがポイントです。
5. 保護者ができる家庭でのサポート
ノートの取り方は、子どもだけに任せていてもなかなか改善しません。
保護者が少し声をかけたり、チェックするだけで大きく変わります。
- 「答えだけじゃなくて、どうやって考えたか書こうね」と声かけする
- ノートを見て「この書き方は見やすいね」と褒める
- 桁ずれや式の省略をしていたら「あとで見返してわかる?」と問いかける
- テスト前に「間違い直しノート」を一緒に作る
子どもが「見やすいノートを書けば褒められる」と感じられると、自然と改善が進みます。
まとめ
算数の理解度は「ノートの取り方」で大きく変わります。
- ノートは「答え」ではなく「考え方の記録」
- 学年ごとに工夫の仕方が異なる
- 保護者の声かけやチェックが改善のカギ
算数のつまずきが気になるときは、まずノートをチェックしてみてください。
アイデア数理塾では「勉強のやり方」まで含めて丁寧に指導しています。
算数の理解を深めたい、家庭学習の習慣を整えたいとお考えの方は、ぜひご相談ください。
京の算数学 解答#1170
