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京の算数学問題#1101

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算数学コラム
こんにちは!
京都市中京区で学習塾「アイデア数理塾」を運営しております、油谷拓哉(ゆたに たくや)です。
少し前に、少年野球チームの選手たちに向けて「ブレインアクショントレーニング」の指導をしてきました。
今回はその現場での出来事を通して感じた、“頭の良さ”についてのお話です。
「なぜやるのか?」を伝えることの意味
私がこのような現場指導で大切にしていることのひとつは、「意味づけ」をしっかり伝えることです。
「これをやると何がよくなるのか?」
「どんな場面で活かされるのか?」
理由を知ってから取り組むことで、選手たちの意欲も集中力もグッと高まります。
トレーニング中は、楽しみながらも一生懸命に取り組む姿が印象的でした。
そして終わる頃には、「視野が広がった気がする!」と笑顔で話してくれた子も。
実際、短時間のトレーニングでも、子どもたちの中に“気づき”が芽生える瞬間が訪れるのです。
子どもがくれた「頭の良さ」の定義
トレーニングが終わり、片づけをしていると、ある男の子が僕に声をかけてきました。
「なんでそんなに頭がいいんですか?」
思わず笑ってしまいましたが、彼の中では“僕=頭がいい人”という印象ができていたようです。
理由を尋ねてみると、
「だって、速い球を投げられたから」
と一言。
彼にとって「頭がいい」とは、何かに秀でた結果を出せる人なんですね。
つまり、勉強だけでなく、自分がスゴイと感じたこと=頭がいい人という感覚なのだと思います。
私の思う「頭のいい人」とは?
私が思う「頭がいい人」は、柔軟な発想ができる人です。
たとえば
- 少ない情報から全体像を読み取る
- 新しい視点をすぐに取り入れられる
- 複数のアイデアを組み合わせて問題を解決できる
そんな人を見ると、「この人、頭がいいな」と感じます。
実際、現代の学力観も、ただ知識を持っているだけでなく、“使える知識”をどう活用するかという思考力・判断力・表現力が重視されてきています。
脳科学の視点で見る「頭の良さ」
脳の働きと「頭の良さ」には、どんな関係があるのでしょうか?
脳科学の分野では、近年こんなことがわかってきました。
- 私たちの脳は約1300g、数千億の神経細胞(ニューロン)で構成されている
- 神経細胞同士のつながり(シナプス)が情報処理を担っている
- IQが高い人ほど、脳内のネットワークはシンプルで効率的であるという研究結果もある
つまり、“頭のいい脳”とは、情報を無駄なく処理できる構造をしているということ。
昔よく言われていた「人間は脳の10%しか使っていない」という説は、現在では一部否定されていて、実際は私たちの脳はほぼ常にフル稼働しているのです。
その中で「いかに効率的に使うか」が、今の課題なのかもしれません。
頭の良さは、誰にでも育てられる
「頭がいい」と聞くと、先天的な才能をイメージしがちですが、脳の柔軟性は環境やトレーニングで育つこともわかってきています。
ブレインアクショントレーニングのように、五感や身体を使ったトレーニングを通して、
- 判断力
- 集中力
- 空間認知
などが育つと、それが勉強やスポーツのパフォーマンス向上にも繋がります。
つまり、「頭の良さ」は後天的にも広げていける力なのです。
最後に:子どもの感じる“すごさ”を大切に
今回の少年のように、子どもたちは日々の体験の中で、「この人すごい」「なんか違う」と感じる力を持っています。
そしてその“すごい”の定義は、大人のそれとは違っていてもかまいません。
私たち大人ができることは、子どもたちがそう感じたことを大切にし、広げてあげることなのではないかと思います。
以上!
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京の算数学 解答#1101
