筆算が苦手な小学生が急増中?原因と克服法を徹底解説! 京の算数学#947

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算数学コラム

みなさんこんにちは!京都市中京区で学習塾を運営しております、油谷拓哉(ゆたに たくや)です。

最近、小学生を持つ保護者の方から、ある共通のお悩みを多くいただきます。それが……

「うちの子、筆算が苦手なんです……

中には、23×12を筆算では解けないけれど、横に並べれば解けるというお子さんも。

どうしてこういった現象が起こるのでしょうか?また、筆算が苦手なお子さんにどのようなサポートができるのでしょうか?

今日は、筆算が苦手になる原因とその克服法について徹底解説します!


1. 筆算が苦手な理由:筆算にはマルチタスク能力が必要

筆算を解く際には、実は複数の作業を同時にこなす「マルチタスク能力」が求められます。
具体的には以下のような処理を並行して行わなければなりません。

  • 掛け算の筆算:掛け算をしながら途中の計算結果を足していく
  • 割り算の筆算:割り算をしながら引き算をする

この「2つの作業を同時に行う力」を支えているのが、ワーキングメモリ(作業記憶)です。
ワーキングメモリが苦手なお子さんは、直前に行っていた作業をすぐに忘れてしまいがちです。
その結果、筆算が途中で行き詰まる原因となります。

【克服法】
筆算の手順を明確にして、視覚的に分かりやすくすることが重要です。

  • フローチャートを紙に書いてあげる
  • 手順を一つ一つ確認しながら進める

たとえば、「掛ける」「次の桁に進む」「足し算する」といった手順を細かく区切って教えると、今どの段階にいるのかが分かりやすくなります。


2. 筆算が苦手な理由:縦並びの情報処理が苦手

もう一つの大きな原因は、視空間認知の問題です。
計算式が横に並んでいる場合は解けるのに、縦に並べた途端に解けなくなるというケースがあります。

これは、情報の並び方(横並びと縦並び)が異なるため、脳が「新しい問題」として認識してしまうことが原因です。

特に、視空間認知が苦手なお子さんには以下のような問題が起こりやすいです:

  • 桁を正確に揃えられない
  • 数字の位置がズレてしまう

【克服法】
視覚的な補助を取り入れて、桁を揃えやすくする工夫をしましょう。

  • 桁ごとに線を引く:例えば、千の位・百の位ごとに区切り線を入れる
  • マス目のある計算用紙を使う:桁ズレを防ぐだけでなく、計算が整理しやすくなります

当塾でも、マス目シートを活用しており、効果的な改善が見られています!


3. 筆算が苦手な理由:基礎(1桁の掛け算・割り算)のつまずき

筆算を苦手とするお子さんの中には、1桁の掛け算や割り算がまだ十分に定着していないケースもあります。
特に「6~9の段」でのつまずきが多く見られます。

【克服法】
筆算を練習する前に、基礎となる計算力を強化することが大切です。

  • 九九表を暗唱しながら練習する
  • 簡単な掛け算・割り算の問題を反復練習する

基礎計算力がしっかりしていれば、筆算のステップもスムーズに進むようになります!


4. 筆算が苦手な理由:モチベーション管理の問題

苦手なことに取り組むのは誰でも辛いものです。特に小学生にとって、延々と筆算を練習するのはストレスになりがちです。

モチベーションが低下してしまうと、筆算が上達する前に諦めてしまうこともあります。

【克服法】
お子さんのモチベーションを維持するための工夫を取り入れましょう。

  • 目標を小さく設定:「今日は2問だけ頑張ろう」など短時間で終わる課題を出す
  • ご褒美を活用:「これができたら一緒に遊ぼう!」などポジティブな体験を結びつける

ただし、「〇〇を買ってあげる」というような物理的なご褒美は避けましょう。

内発的なやる気を育てることが大切です。


5. 家では解けるけど模試では解けない理由

「家ではできるのに、模試や本番ではできない」というお悩みを耳にすることも多いです。これには「アドバイスありきで解けている」可能性があります。

保護者や先生が無意識に出すヒントに頼ってしまうことで、本来の力が発揮できなくなるのです。

【克服法】

  • ノーヒントで解く練習を取り入れる
  • 保護者や先生は「見守る姿勢」を意識する

お子さんが自力で問題を解けるようになると、本物の理解が定着し、自信もつきます。


まとめ:筆算を得意にするための5つのポイント

筆算が苦手なお子さんには、それぞれに原因があります。

その原因を正しく理解し、適切な対策を取ることで克服することができます。

  1. 手順を可視化し、段階を明確にする
  2. 視空間認知を補う工夫をする
  3. 基礎計算力をしっかり固める
  4. 短時間の練習とご褒美でモチベーションを維持する
  5. ノーヒントで解く練習を増やす

どのアプローチが必要かは、お子さんによって異なります。

お子さんのつまずきをしっかりと観察し、適切なサポートをしていきましょう!

以上、京都市中京区のアイデア数理塾、油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けしました!

算数好きあつまれ〜!

京の算数学 解答#947

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