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京の算数学問題#1268

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算数学コラム
中学数学で、多くの子が口をそろえて言う言葉があります。
「証明がほんまにわからん…」
「何を書けばいいか分からない」
「日本語が無理」
塾で見ていると、証明が苦手な子はとても多いです。
でもはっきり言えるのは、証明が苦手=数学ができない、ではありません。
実は、
証明が苦手な子には、はっきりした“共通点”があります。
今日はそこを1つずつ解きほぐしていきます。
① 図を「見るだけ」で終わっている
証明が苦手な子のいちばん多い特徴がこれ。
図を描かない・書き込まない
- 辺の長さを書かない
- 角度を書かない
- 平行線のマークを入れない
- 同じところを色分けしない
つまり、図を“情報として使っていない”状態です。
一方、証明が得意な子は、図がメモだらけです。
- 角度や同じ長さにマーク
- 平行線に印
- 見つけたことをどんどん書く
- 補助線を引いたり思考の跡が見られる
証明は、図から言えることを文章に直す作業。
図が空っぽだと、書くことも浮かびません。
② 「何を証明するのか」を読んでいない
これも本当によくあります。
問題文の最後にある、
「〜であることを証明しなさい」
ここを、ちゃんと意識せずに書き始めてしまう。
- 途中までそれっぽく書く
- でもゴールにたどり着かない
- 「結局何を言いたいの?」状態になる
一方で証明が得意な子は、最初に必ずこう考えます。
「ゴールはこれやな」
「最後はこの一文を書けばいいな」
証明はゴールが決まっている作文。
ゴールを見ずに書くと、当然迷子になります。
③ 「書き方」を覚えようとしている
証明が苦手な子ほど、こんなふうに思っています。
「このパターンを覚えなあかん」
「前と同じ形で書かなあかん」
もちろん数学の証明問題には書き方のテンプレートはあります。
でも、証明自体を丸暗記ではできません。
理由は簡単で、図形が少し変わるだけで、
書く順番も内容も変わるからです。
一方で証明が得意な子は、
- 型よりも「理由」に注目
- 「なぜそう言えるか」を集める
- 使えそうな性質を探す
証明はパズルに近い作業です。
④ 「理由」と「結論」を混ぜてしまう
これも、かなり多いミスです。
- 結論を書いたあとに理由を書く
- 理由なのか結論なのか分からない文になる
- 「〜だから〜なので〜より〜」がぐちゃぐちゃ
証明は、順番がとても大事。
基本の流れはこれだけ
- わかっていること(仮定、条件)
- 図から言えること
- 使った性質
- 結論
この順番を意識するだけで、文章が一気に整理されます。
⑤ 「自分の言葉で考えていない」
証明が苦手な子ほど、
- 教科書の言葉をそのまま写す
- 解説の文章をなぞる
- 何を書いているか自分でも分からない
という状態になりがちです。
これでは、少し形が変わった問題に対応できません。
証明ができるようになる子は
まず頭の中で、こんなふうに考えています。
「ここ、同じ三角形やな」
「この角、さっきのと一緒や」
「平行やから、この角も同じや」
この“つぶやき”をきれいな日本語に直すのが証明です。
大事なのは、特別な才能でも、難しい表現でもありません。
コツ①:図に考えを書き込む
きれいな図は要りません。むしろ、書きこんでOK。
実際に塾生の中にも「直接書き込んでいいよ」と指導すると、
「えっ!?そうなの!?」と書き込んではいけないという思い込みを持っていることも多いです。
コツ②:「ゴールの一文」を最初に決める
最後に書く文を、先に決める。
コツ③:頭の中の独り言を言葉にする
「〜だから」「〜より」をあとからつなげればいい。
コツ④:短い文でいい
長く書こうとしない。1文=1理由で十分。
最後に
証明が苦手な子は、決して“数学が向いていない”わけではありません。
ただ、
- 図を使っていない
- ゴールを見ていない
- 考えを言葉にする練習が足りない
ということが多いのです。
証明は「図を見て気づいたことを、順番に説明する力」です。
できるようになると、
数学全体が驚くほど安定します。
焦らなくて大丈夫。
証明は、いきなりはできません。
ゆっくり育つ力だと思ってじっくりと学習をしていきましょう。
京都市中京区・アイデア数理塾では
証明が苦手な子に対して、
- 図の書き込み方
- 証明の“考え方”の整理
- 日本語の組み立て方
- 子どもが自分で説明する練習
をとても大切にしています。
「証明がまったく書けない…」
そんな状態からスタートする生徒も多いです。
もし数学で困られている場合はぜひご相談ください!
京の算数学 解答#1268




