数学コラムの目次
京の算数学問題#1187

アイデア数理塾はこちら
算数学コラム
みなさんこんにちは!京都市中京区で算数・数学専門の「アイデア数理塾」を運営しております、油谷拓哉(ゆたに たくや)です。
家庭学習でよくあるお悩みのひとつに、
「どこまで子どもの勉強を手伝えばいいのか?」という問題があります。
丸つけをしてあげたり、わからないところをすぐに教えてあげたり。
つい「効率よく学習させたい」と思って手を出しすぎてしまう保護者の方も多いのではないでしょうか。
しかし、親が“手伝いすぎる”と、子どもにとって本当に必要な「自分で考える力」が育ちにくくなる危険性があります。
今回は、家庭でできる「手伝いすぎない」ためのサポート法を整理してみたいと思います。
なぜ「手伝いすぎ」がよくないのか?
子どもがつまずいていると、すぐに口を出したくなるのは自然なことです。
しかし、次のような弊害が起こりやすくなります。
- 考える前に親に頼るクセがつく
「わからない=親に聞く」という流れができてしまうと、自分で粘り強く考える習慣がつきません。 - できた“つもり”になる
親が教えて答えが出ただけでは、実は子ども自身の理解は浅いまま。テストでは再現できないことが多いです。 - 自信を失う
「自分では解けない」「親がいないとできない」と思い込み、自信を持てなくなることもあります。
手伝いすぎないための基本姿勢
では、どうすれば「自分で考えられる子」に育てられるのでしょうか?
ポイントは “サポートはするけれど、解決は子どもに任せる” という姿勢です。
具体的には、次の3つを意識するとよいでしょう。
① 質問を投げ返す
「わからない」と言われたとき、すぐに解き方を教えるのではなく、
「どこまでわかったの?」
「どこで止まってると思う?」
と問い返してみましょう。
自分の思考を言葉にすることで、子どもは自分の理解度を整理できます。
② 正解よりも過程を重視する
答えが合っているかどうかよりも、
「どう考えたのか」
「なぜそのやり方を選んだのか」
を聞いてあげましょう。
過程を振り返ることで、子どもは自分の考え方を修正できます。
③ あえて待つ
子どもが鉛筆を止めて悩んでいても、すぐに声をかけない。
30秒でも1分でも「考える時間」を確保してあげましょう。
この「待つ勇気」が、親にとって一番難しいかもしれません。
家庭でできる“手伝いすぎない”工夫
ここからは、具体的な方法を紹介します。
1. 丸つけは子ども自身にやらせる
親が〇×をつけるのは簡単ですが、子ども自身に答え合わせをさせることで「見直す力」が育ちます。
赤ペンで直すのも子どもに任せると、「間違いを直すのは自分の役目だ」という意識が芽生えます。
2. ヒントは小出しにする
「ここをこうすれば解けるよ」と答えを教えるのではなく、
「この問題、図を使ったらわかりやすいんじゃない?」
「さっきの例題と似てない?」
と“気づきのきっかけ”だけを渡しましょう。
3. 学習計画は一緒に立てる
「今日はドリルを2ページやりなさい」ではなく、
「今日は何をどこまでやる?」と相談しながら決めましょう。
自分で立てた計画だからこそ、やる気も継続しやすくなります。
4. 親の「応援係」としての立ち位置を大切に
親の役割は 先生ではなく応援団。
「よく考えたね」
「工夫したのはいいね」
など、結果より過程を認める言葉をかけてあげましょう。
塾との役割分担をうまく活用する
家庭では「考える力」を育むことを大切にし、
どうしても解決できない部分や、効率的に教えた方がいい部分は塾に任せる。
この役割分担が、子どもの学習にとって最も効果的です。
私たちアイデア数理塾では、
「わからないところをすぐに答えを教える」のではなく、
「自分で考え抜く力」を伸ばすための指導を大切にしています。
- 問いかけを重視した指導
- 計算・図形の基礎力を積み重ねる仕組み
- 家庭では難しい“学習習慣づくり”のサポート
こうした取り組みによって、保護者の方は 無理に教え役を背負わなくても安心。
家庭では応援団に徹し、塾では専門的な指導を受けるという分担が実現できます。
まとめ
子どもの勉強を「手伝わない」のではなく、
「手伝いすぎない」 ことが、将来の自立につながります。
- すぐに教えず、質問を投げ返す
- 答えよりも過程を大切にする
- 丸つけや計画づくりは子ども自身に任せる
- 親は“応援団”の立場で関わる
- 難しい部分は塾に任せる
親としてのサポートは、子どもが自分の力で歩けるようにするための「伴走」です。
塾と家庭がうまく役割分担することで、子どもは安心して学び、自分の力を伸ばしていけるのです。
京の算数学 解答#1187
