冷たい水に手を入れると「しびれる」のはなぜ?小学生にもわかる体のふしぎ 京の算数学#1178

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算数学コラム

こんにちは!京都市中京区で算数・理科を中心に子どもたちの学びをサポートしているアイデア数理塾の油谷拓哉です。

冬や冷たい川で遊んだとき、「手がジンジンする」「しびれたみたいに感覚がなくなる」と感じたことはありませんか?
これは単に「冷たいから」ではなく、体の仕組みや神経の働きが関わっている現象です。今回は 冷たい水に手を入れるとなぜしびれるのか を、小学生にもわかるように解説していきます。


1. 冷たさを感じるのは「温度センサー」のおかげ

私たちの皮ふには、温度を感じ取るセンサーのような「温点(おんてん)」と「冷点(れいてん)」があります。

  • 温点 …あたたかさを感じ取るセンサー
  • 冷点 …冷たさを感じ取るセンサー

冷たい水に手を入れると、この「冷点」が刺激されて「冷たい!」と脳に信号を送ります。ところが、冷たさが強すぎるとセンサーが過敏に反応して「痛み」として伝わってしまうのです。


2. 血管が縮んで血の流れが悪くなる

体は冷たい環境に入ると、体温を守るために血管をギュッと縮めます。特に手足の先はすぐに血流が減ります。

血の流れが悪くなると、酸素や栄養が十分に届かなくなり、神経の働きが鈍くなります。その結果、感覚が「ジンジン」「しびれた」と感じるのです。

これは「体の中心の大切な部分(心臓や脳など)を守るために、手足を後回しにする」という仕組みでもあります。


3. 神経の伝わり方が遅くなる

神経は電気信号のような速さで情報を伝えていますが、冷えると働きが遅くなります。

  • 温かいとき → 信号がスムーズに伝わる
  • 冷たいとき → 信号がにぶくなり「感覚がにぶい」「思うように動かない」状態になる

これが「しびれる」感覚の正体のひとつです。


4. 実際に体験してみよう!(安全にできる実験)

子どもと一緒にできる簡単な実験を紹介します。

  1. 水道水を使って、常温の水と氷水を2つ用意する
  2. 片方の手を常温の水に、もう片方を氷水に入れる
  3. しばらくして手を出し、テーブルなどに触れてみる

→ 氷水に入れた手は「しびれた」「ジンジンする」と感じるはずです。

ただし、長時間は危険なので 10秒〜20秒程度 にとどめてくださいね。


5. なぜ「ジンジン」が戻ってくるのか?

冷たい水から手を出すと、今度は血管が広がって血流が一気に戻ります。

すると神経が急に刺激され、まるで「ビリビリ電気が走る」ような感覚になることがあります。
これは体が温かさを取り戻そうとする自然な反応で、血流が戻るサインでもあるのです。


6. 日常生活での注意点

冷たい水や外の寒さでしびれることは普通のことですが、いくつか気をつけたいことがあります。

  • 長時間冷たい水に手を入れないこと(低体温症やしもやけの原因になる)
  • 冬場は手袋を活用する(特に自転車に乗るときは必須)
  • お湯で一気に温めすぎない(急激な温度差で皮ふを傷めることがある)

7. まとめ

冷たい水に手を入れるとしびれるのは、

  1. 冷点が刺激され「痛み」として感じるから
  2. 血管が縮んで血流が悪くなるから
  3. 神経の伝わり方が遅くなるから

という3つの仕組みが合わさっているからです。

理科の学びは「体験」と結びつくと一気に理解しやすくなります。日常の「なぜ?」を一緒に調べることが、子どもの科学的な思考力を育てる第一歩です。

京の算数学 解答#1178

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