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京の算数学問題#1158

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算数学コラム
こんにちは!京都市中京区で学習塾を運営しております、油谷拓哉(ゆたに たくや)です。
「一緒に勉強させたらケンカばかりで進まない…」
「静かにしてほしいのに、兄弟げんかでイライラしてしまう」
兄弟姉妹を育てるご家庭から、こんなお悩みをよく伺います。
実はこれ、とても自然なことで、むしろ“兄弟だからこそ起きやすい現象”なのです。
今日は、勉強中の兄弟げんかにどう対応すればいいか、親ができる工夫をご紹介します。
① そもそも「勉強中の兄弟げんか」はなぜ起きる?
兄弟げんかにはいくつかの典型的な理由があります。
- 注意を引きたい
親に「こっちを見てほしい!」という気持ちの表れ。 - ライバル意識
成績や出来具合で比べられていると感じると、ちょっとしたことで張り合う。 - 集中力の差
片方が早く終わって退屈 → 邪魔をする → ケンカに発展。
つまり、「ケンカそのもの」よりも「ケンカを引き起こす土台」に原因があるのです。
② 「やめなさい!」は逆効果
つい「ケンカやめなさい!」と大きな声を出してしまいますが、これは火に油を注ぐことも。
子どもにとっては「親が反応してくれた!」となり、かえって繰り返すケースが多いのです。
コツは “仲裁”ではなく“整理”。
「今は勉強の時間だから、ケンカは後でね」
「どうしてケンカになったのか、一人ずつ話して」
と冷静に仕切ることで、感情的なぶつかり合いを和らげられます。
③ 勉強スペースを工夫する
ケンカの多くは「距離の近さ」が原因です。
- 席を少し離す
- 向かい合わせではなく横並びにする
- 仕切り(本立てやパーテーション)を置く
など、物理的に距離をとるだけで大きく変わります。
特に小学生は「視線が合う」だけでちょっかいを出しやすいので、配置の工夫は効果大です。
④ 勝ち負けではなく“役割”を与える
「お兄ちゃんの方が早い」「妹の方が字がきれい」など、勝ち負けを意識するとケンカが増えます。
そこでおすすめなのが、それぞれに役割を与える方法。
- 兄 → 漢字のチェック役
- 妹 → 計算の答え合わせ役
こうすると「競争」ではなく「協力」になり、ケンカが減りやすくなります。
⑤ ケンカを“学びのチャンス”にする
実は兄弟げんかは「社会性を育てる大事な練習場」でもあります。
相手の気持ちを知る、譲り合う、自分の意見を伝える――これらは学校や社会で必ず必要になる力です。
だから、全部を止める必要はありません。
「どうしてケンカになったの?」
「どうしたら次はうまくいくと思う?」
と問いかけ、子どもに考えさせることが成長につながります。
⑥ 親ができる“最後のひと押し”
どうしてもケンカが多い場合は、勉強時間をずらすのも有効です。
「今日はお兄ちゃん先に、妹はあとで」
「宿題は別の部屋で、それぞれ終わったら報告」
大切なのは「親がイライラしすぎないこと」。
子どもにとっては、親の余裕が一番の安心材料になります。
まとめ
兄弟げんかは、実は成長のチャンスでもあります。
勉強中にケンカが増えるのは「集中力の差」「ライバル意識」「親の注目を奪い合う」ことが原因。
- 比べない声かけ
- 勉強スペースの工夫
- 勝ち負けより役割を意識
- ケンカも学びの一部として捉える
この4つを意識するだけで、兄弟げんかは少しずつ減っていきます。
「ケンカするほど仲がいい」と前向きにとらえつつ、上手に学習のサポートをしていきましょう!
京の算数学 解答#1158
