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京の算数学問題#1065

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算数学コラム
みなさんこんにちは!京都市中京区で塾を運営しております、アイデア数理塾の油谷拓哉(ゆたに たくや)です。
小学生の算数でつまずきやすい単元といえば「文章題」です。
特に中学年から高学年にかけて、割合・速さ・単位量あたり・割合などを扱う頃に、「式が立てられない」「文章を読んでも何をすればいいかわからない」といった悩みが多く見られます。
今回は、文章題が苦手な子どもにどう指導すればよいか?をテーマに、学習指導のコツをまとめてみました。
算数の読解力は「国語の読解力」とは違う
まず前提として、算数の文章題に必要な読解力は国語の長文読解とは性質が異なります。
国語は、登場人物の心情や場面の変化など「情景の読み取り」が中心です。
一方で、算数の文章題は以下のような特徴があります。
- 短文の中に複数の数値や条件が含まれている
- 計算方法(足す?引く?かける?)を自分で選ぶ必要がある
- 問題解決の手順を組み立てる力が求められる
つまり「文章は読めているけど式が立てられない」という子も出てくるわけです。
逆に、算数の文章題はできるのに国語は苦手…というパターンもあり得ます。
文章題が苦手な子に教えるときの3つのポイント
① 数字を箇条書きにして整理する
まず文章中の「数字」に注目します。
例題を使って考えてみましょう。
例題:
太郎さんは5000円持っていて、1000円を貯金しました。残ったお金の30%を使いました。今、手元に残っているのはいくらでしょう?
この問題に出てくる数値を整理すると、
- 5000円 → もともとの所持金
- 1000円 → 貯金した金額
- 30% → 残ったお金から使った割合
このように「数値+意味」をセットでメモさせましょう。
情報を頭の中だけで整理しようとすると混乱しやすいため、視覚化が有効です。
② 式は「1本にまとめない」で「複数に分ける」
小学校では「式を1つにまとめよう」と指導する場面がありますが、文章題が苦手な子には不向きです。
なぜなら、式の途中で出てきた数値が「何を意味しているか」が分かりづらくなるからです。
例:
- 5000 – 1000 = 4000円(貯金後の残り金額)
- 4000 × 0.3 = 1200円(使った金額)
- 4000 – 1200 = 2800円(最終的な残金)
これを無理に1本の式にすると、
(5000 – 1000) × (1 – 0.3) = 2800円
となり、途中の意味が見えなくなってしまいます。
算数に不安があるお子さんには、1つずつ丁寧に計算式を立てていくスタイルが断然おすすめです。
③ 単位を明記する
数字の横に単位を書くことも非常に大切です。
例:「5000」だけでは何の数字か分かりませんが、「5000円」と書くとお金であることが明確です。
また、「50km」を「時速50km」と書くかどうかで、時間・距離の読み違いも防げます。
単位に下線を引いたり、カラーペンで囲むなど、視覚的に意識させる工夫も有効です。
【補足】どこでつまずいているのかを見極める
文章題が苦手な場合でも、苦手の原因はお子さんによって異なります。
- 文章が読めていない(語彙・構文理解不足)
- 数字の意味がつかめていない(具体物のイメージがない)
- 計算が不正確(四則演算の習熟不足)
- 問題解決の順序がわからない(論理的思考の不足)
まずはどこでつまずいているのかを観察し、ピンポイントに補ってあげることが大切です。
まとめ|文章題は「分けて」「見える化」して考えよう
算数の文章題は、読解力・計算力・論理力など、いくつかの力が組み合わさった課題です。
苦手に感じる子には、
- 数字を整理する
- 式を1つずつ丁寧に立てる
- 単位や意味を明確にする
といったアプローチが非常に効果的です。
細かく分けて考える習慣がつけば、自然と文章題も解けるようになりますよ!
以上、京都市中京区のアイデア数理塾 油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けいたしました。
「算数の文章題が苦手かも…?」というお子さんがいれば、ぜひ一度ご相談ください!
京の算数学 解答#1065
