数学コラムの目次
京の算数学問題#1061

アイデア数理塾はこちら
算数学コラム
こんにちは!京都市中京区で塾を運営している、アイデア数理塾の油谷拓哉(ゆたに たくや)です。
今日は子どもたちからよく聞かれる素朴な疑問、
「円ってなんで360度なの?」
というテーマを、歴史にも触れながら、やさしく解説していきます!
円が360度である理由とは?
学校では「円は360度」と教わりますが、
- なぜ360?
- なぜ100でもなく、500でもなく、ちょうど360なの?
…と聞かれると、意外と答えるのが難しいですよね。
実は、この「360度」という数字は、とても昔の人たちの工夫や知恵によって生まれたものなんです。
バビロニア人がつくった「360度」という考え
今から約4000年前、古代メソポタミアにあった「バビロニア」という文明がありました。
このバビロニア人たちは、天文学や数学にとても優れた人々で、星の動きを観察するのが大好きでした。
円を360度に分けたのも、彼らの天体観測と深い関係があります。
太陽や月の動きから生まれた「360」
昔の人たちは、カレンダーや時間の基準を太陽や月の動きから決めていました。
- 太陽が一周するのにかかる時間:365日(太陽暦)
- 月が一周するのにかかる時間:およそ355日(太陰暦)
この2つの数の「ちょうど中間」にあたるのが360日だったのです。
当時の人たちは、「1日に太陽が1度ずつ動く」と考え、360日で太陽が元の場所に戻る=円が360度という発想につながったのです。
計算しやすい数、それが360!
バビロニア人たちは60進法(いまの10進法ではなく60を基準とした数の数え方)を使っていました。
この60進法の中で、360は非常に都合のよい数字でした。
- 360はたくさんの数で割り切れる(約数が多い)
- 分けやすく、角度や時間の単位として使いやすい
たとえば
- 360は、2・3・4・5・6・8・9・10・12・15・18・20・30・36・40・45・60・72・90・120・180など、多くの数で割り切れます。
- 一方で、たとえば100は約数が少なく、分けにくいのです。
だからこそ、「円は360度」「1時間は60分」「1分は60秒」という形が今も残っているのです。
小学生にも伝えたい!円が360度な理由【まとめ】
- 円が360度なのは、古代バビロニア人の知恵によるもの。
- 太陽や月の動き(365日と355日)の中間として、360という数字が選ばれた。
- 360は60進法において分けやすい数だったため、角度や時間の単位にピッタリだった。
歴史を知ると算数がもっと面白くなる!
「なんでこうなるの?」という素朴な疑問は、学びの原点です。
算数や数学は、ただ計算するだけでなく、どうしてその決まりがあるのかを知ると、グッと面白くなります。
円が360度である理由も、歴史・天文学・計算の工夫が合わさった、とても人間らしいストーリーだったんですね!
以上、京都市中京区のアイデア数理塾、油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けしました!
算数好きあつまれ〜!
京の算数学 解答#1061
