京の算数学問題#960
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算数学コラム
みなさんこんにちは!京都市中京区で学習塾を運営しております、油谷拓哉(ゆたに たくや)です!
「これなんの意味があるの?」「意味ないからやらない!」
最近、子どもたちの口からよくこの言葉を耳にします。
確かに、意味のないことに時間を費やすのは効率的ではないかもしれません。
しかし、本当に「意味がないからやらない」という選択が正しいのでしょうか?
今回は、私が講演などでもよく話す「意味のないことをやる意味」についてお伝えします。少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
現代の子どもたちの学習環境と考える力
ICT機器を活用した調べ学習や、カリキュラムの変更など、現在の教育環境は「論理的思考力」を育む方向へと進化しています。
また、習い事の分野ではキャリア教育が注目され、子どもたちが考える機会はますます増えています。
これは素晴らしいことですが、一方で「意味のないことをやる」機会が減っているようにも思います。しかし、すべてのことに明確な意味を見出せるわけではありません。
「意味のないこと」にこそ価値がある?
たとえば、小学校で学んだ彫刻刀の使い方や習字、中学の副教科(技術・家庭科や美術など)、数学の方程式などは、社会に出たときに直接使う機会が少ないかもしれません。
「こんなの将来使わないし、意味がないからやらない!」
そう思う子どもたちの気持ちはよくわかります。
しかし、私の考えとしては「まずは一度やってみる」ことが大切だと思います。
子どもたちはまだ経験していないことを、「自分の想像だけ」で意味があるかないかを判断しています。その判断基準は、単純に「面白いか、面白くないか」という感情によるものが大きいのです。
しかし、「意味がない」と決めつけてしまうことで、自分の可能性を狭めてしまうこともあるのです。
「意味がない」と決めた時点で意味がなくなる
何かに意味を見出すかどうかは、自分の考え方次第です。
「とりあえずやってみよう」と考えられる人は、たとえ意味が分からなくても、何かしらの学びを得られるかもしれません。
一方で、「意味がない」と決めつけてしまうと、本当にそのことは無意味になってしまいます。
また、子どもたちが「意味がない」と言うとき、それが本当に「意味がない」と感じているのか、それとも「やりたくない」という気持ちの裏返しなのかを見極めることも重要です。
大人が適切なサポートをすることで、子どもたちが新しい発見をし、成長する機会を増やせるかもしれません。
「意味のないこと」から生まれる新しい価値
もちろん、子どもに無理をさせることが良いわけではありません。
心や体を壊してしまうほど強制するのは逆効果です。
しかし、まったくやらずに放置するのも良くありません。
私たち大人も、過去に「意味がない」と思っていたことが、後になって役に立った経験があるはずです。
子どもたちも同じように、経験を積むことで新しい発見が生まれるかもしれません。
意味があるかどうかは、やってみないとわからない。
意味のないことを通じて、新しい知恵や価値が生まれることもあります。
バランスを考えながら、子どもたちに適切な関わり方をしていくことが大切ですね。
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」。
以上、京都市中京区のアイデア数理塾、油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けしました!
算数好き、あつまれ〜!
京の算数学 解答#960
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