京の算数学問題#958
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算数学コラム
みなさんこんにちは!京都市中京区で学習塾を運営しております。油谷拓哉(ゆたに たくや)です!
「二等辺三角形の底角は等しい」——現在、中学2年生はテスト対策で証明問題に取り組んでおり、その中で二等辺三角形の定義について学んでいます。
そんなとき、生徒から「こんなの誰が思いついたんだろう?」という素朴な疑問が飛び出しました。
実はこの定理、古代ギリシャの数学者タレスが証明したことが知られています。
今日は、ギリシャ七賢人の1人であり、「哲学の祖」とも呼ばれるタレスの功績について詳しくご紹介します。
ギリシャ七賢人とは?
ギリシャ七賢人とは、紀元前620年〜550年ごろに活躍した古代ギリシャの7人の知識人のことを指します。
しかし、当時の記録には統一されたリストがなく、時代によって異なる説が存在します。
プラトンは自身の著書『プロタゴラス』の中で、以下の7人を七賢人として挙げています。
- ソロン(アテナイの立法者)
- キロン(スパルタの民選長官)
- ビアス(プリエネの僭主)
- クレオブロス(リンドスの僭主)
- ピッタコス(ミュティレネの僭主)
- ミュソン(ケナイの農夫)
- タレス(ミレトスの哲学者・数学者)
この中で、タレスは特に数学・哲学の分野で後世に多大な影響を与えた人物として知られています。
タレスの数学への貢献
タレスは、数学における「証明」の概念を確立した先駆者の1人です。
中学数学で学ぶ次のような定理は、すべてタレスによって証明されたものです。
- タレスの定理:「円の直径に対する円周角は90°である」
- 二等辺三角形の底角は等しい
- 対頂角は等しい
- 三角形の合同条件
これらの定理は、現代数学の基礎を築いた重要なものばかりです。
タレスはなぜ「哲学の祖」と呼ばれるのか?
タレスは単なる数学者ではなく、哲学者としても歴史に名を残しています。
彼は若い頃、貿易商としてエジプトやバビロニアを訪れ、多くの知識を吸収しました。
そして故郷ミレトスに戻り、学問の研究に没頭します。
当時のギリシャでは、「自然現象は神々の意志によって起こる」と考えられていました。
しかし、タレスは「自然現象には法則があり、理論と仮説によって説明できる」と考えました。
この合理的な思考は、従来の宗教観とは異なるものでしたが、タレス自身は神々の存在を否定することはなかったようです。
タレスの思想は、後のソクラテスやプラトン、アリストテレスへと受け継がれ、ギリシャ哲学の礎となりました。
そのため、彼は「哲学の祖」とも称されています。
タレスの論理的思考を学ぶ
タレスの思考法を象徴する逸話の1つに、「ロバと積荷」の話があります。
タレスがロバに塩を積み、川を渡る途中、ロバが転倒しました。
その結果、積荷の塩が水に溶けてしまい、ロバは荷物が軽くなることを学習します。
それ以降、ロバはわざと川で転ぶようになりました。
そこでタレスは、積荷に綿を詰め込みました。
すると、ロバが川で転ぶと綿が水を吸い、逆に荷物が重くなってしまいました。
これによってロバは転ぶのをやめたのです。
このエピソードは、タレスが論理的に問題を解決する力を持っていたことを示しています。
現代に活かすタレスの論理的思考
タレスの思考法は、現代においても重要な学びを提供してくれます。
1. 物事の本質を考える
タレスは、単に「こうだからこうなる」という考え方ではなく、「なぜそうなるのか?」という本質的な疑問を持ち続けました。
私たちも日常生活で何か問題に直面したとき、その本質を見極めることが重要です。
2. 論理的に筋道を立てる
物事には必ず理由があります。漠然と行動するのではなく、
- 「なぜこの問題が起こっているのか?」
- 「どんな解決策があるのか?」
- 「それぞれの選択肢の結果はどうなるか?」
このように論理的に考えることで、最適な判断を下すことができます。
3. 感性や直感も大切にする
論理的思考と感性・直感は対立するものではありません。
タレスが神々の存在を否定しなかったように、私たちも論理だけでなく、直感や感覚も大切にすることが重要です。
まとめ
タレスは、数学の「証明」という概念を確立し、哲学の祖としても名を残しました。
彼の思考法は、現代を生きる私たちにとっても大いに参考になります。
- 物事の本質を考える
- 論理的に筋道を立てる
- 感性や直感も活かす
このようなタレスの思考法を意識することで、日々の問題解決能力を高めることができます。
以上!京都市中京区のアイデア数理塾、油谷拓哉(ゆたに たくや)がお届けしました!
算数好きあつまれ〜!
京の算数学 解答#958
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