アイデア数理塾 京の算数学問題#956
算数学コラム
みなさんこんにちは！京都市中京区で学習塾を運営しております。
油谷拓哉（ゆたに たくや）です！
「好きなことは何時間でも集中できるのに、勉強はすぐに飽きる……」
こんなお悩みを抱えている保護者の方は多いのではないでしょうか？
実際、子どもたちはゲームや趣味には何時間でも没頭できるのに、勉強や苦手なことになると集中力が続かないことがよくあります。
では、人はなぜ好きなことには集中できるのでしょうか？ そして、好きなことに集中できる能力を勉強にも応用するにはどうしたらよいのでしょうか？ この記事では、その理由と活かし方を詳しく解説します。
好きなことにはなぜ集中できるのか？
1. ドーパミンの作用
好きなことに取り組むと、脳内で「ドーパミン」という神経伝達物質が分泌されます。
ドーパミンは「やる気」や「快楽」を司る物質で、楽しいことをしているときや、何かを達成したときに分泌されます。
つまり、子どもがゲームや趣味に夢中になるのは、ドーパミンが分泌され「もっとやりたい！」という欲求が生まれるからです。
2. 興味・好奇心が刺激される
人は興味があることには自然と集中できます。
例えば、昆虫が好きな子どもは、昆虫の名前や特徴を驚くほどスムーズに覚えます。
これは、興味がある分野では脳が情報を効率的に処理し、記憶の定着が良くなるためです。
3. フロー状態（究極の集中状態）
好きなことに熱中しているとき、人は「フロー」と呼ばれる状態に入ることがあります。
フローとは、「時間を忘れて没頭できる」状態で、スポーツ選手やアーティストが最高のパフォーマンスを発揮する際によく経験すると言われています。
フローに入ると、
- 雑念が消える
- 集中力が持続する
- 高い達成感を得られる
といったメリットが生まれます。
つまり、子どもが好きなことに長時間集中できるのは、フロー状態に入りやすいためなのです。
好きなことばかりやらせていいのか？
ここで多くの親御さんが疑問に思うのが、「好きなことばかりやらせても大丈夫なのか？」という点です。
結論から言うと、「好きなことの中身を見極めることが重要」です。
名詞ではなく「動詞」を重視する
例えば、
- 「ゲームが好き！」（名詞）
- 「ゲームで戦略を考えるのが好き！」（動詞）
という二つのケースを考えてみましょう。
単に「ゲームが好き」という場合は、ゲームをすること自体が目的になり、依存のリスクもあります。
しかし、「戦略を考えるのが好き」「建築をするのが楽しい」という場合は、それを勉強や他の活動に応用できる可能性があります。
例えば、「マインクラフトで家を作るのが好き」な子どもは、
- 図形のセンスがある
- 空間認識能力が高い
- 創造力がある
といった長所が考えられます。
このように、「好きなことの本質」を見極めることで、将来的にその能力を活かす道を考えることができます。
嫌いなことに取り組むことで得られるメリット
好きなことを伸ばすことは大切ですが、苦手なことにもある程度取り組むことが成長につながります。
1. 好きなことをさらに伸ばす
例えば、私は学生時代、数学が得意でしたが国語は苦手でした。
しかし、受験勉強で国語を学び、読解力が向上したことで数学の文章題の正答率が格段に上がりました。
つまり、苦手な分野を克服することが、得意分野をさらに伸ばすことにつながる場合もあるのです。
2. 持続力・忍耐力が身につく
人生では、好きなことだけをして生きていくのは難しいものです。
苦手なことにも少しずつ取り組む経験を積むことで、
- 持続力
- 忍耐力
- 問題解決能力
が養われます。
子どもが「やりたくない！」と言ったときに、すぐにやめさせるのではなく、
- 「まず10分だけやってみよう！」
- 「終わったら好きなことをやってもOK！」
といった工夫をすることで、苦手なことにも少しずつ取り組めるようになります。
まとめ
好きなことに集中できるのは、ドーパミンの作用や興味・好奇心、フロー状態などが影響しています。
ただし、「好きなこと」には依存のリスクもあるため、「動詞」に注目して本質を見極めることが重要です。
また、苦手なことにも少しずつ挑戦することで、好きなことをさらに伸ばすことができます。
お子さんが好きなことに夢中になっているときは、その背景にある「本質」を見極め、それを活かす方法を考えてみましょう！
以上！京都市中京区のアイデア数理塾 油谷拓哉（ゆたに たくや）がお届けいたしました！
算数好きあつまれ〜！
京の算数学 解答#956
